2012年12月30日日曜日

書評 ダン・ブラウン『ロスト・シンボル 上・中・下』(角川文庫)

『天使と悪魔』『ダ・ヴィンチ・コード』に続く、ロバート・ラングドン教授シリーズの第3弾。文庫版の帯にある
「今度はフリーメイソンだ!」
の一文が本書をよく表している。前二作はキリスト教が大きなテーマだったが、今回はそこを少し離れ、世界最古の秘密結社とされるフリーメイソンが取り上げられる。

 ラングドンが招かれたワシントンDCの連邦議会議事堂で、事件が発生。どうやらラングドンは誰かにおびき寄せられたらしい。彼をおびき寄せたマラークという男はいったい誰なのか。ラングドンとマラークの間に、手に汗握る駆け引きが繰り広げられる。さらにはCIAまでが介入し、前二作同様のハラハラドキドキの展開を満喫できる。
 基本的なストーリー展開は前二作と同じなのだが、これをマンネリというなかれ。分かっていつつグイグイと引き込まれてしまうのは、歴史的事実とフィクションが巧みにミックスされているせいか。気がつけば、上・中・下3冊を、あっという間に読破していた。

 しかし前二作、特に『ダ・ヴィンチ・コード』のイメージが鮮烈すぎたため、やや物足りなく感じてしまった。テーマが日本人にはあまり馴染みのないフリーメイソンだったことも、その理由の一つだろう。フリーメイソンが世界の歴史、特にアメリカ史の中でどういう位置を占めるのかなど、もう少し知識あればさらに楽しめたのだろうと思う。
 また、ヒロインのキャサリンがイマイチパッとしなかったのも残念だった。40代の天才美人科学者という設定なのだが……やっぱりヒロインは天才じゃなくてもいいから20代のほういいなあ(ああ、言っちゃった)。ラングドン教授も、今回はそれほど「フォーリンラヴ」ではなかったような気がしないでもない。




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2012年の競馬成績回顧 オレの予想を聞いてくれよ

 2012年のJRAの全日程が終わった。みなさん、馬券の成績はいかがでしたか。今回は、2012年の私の競馬の成績を振り返ってみる。私は馬券のほとんどをPATで購入しているので、馬券の成績が詳細に分かる(分かってしまう)のだ。

 年初にたてた目標は「回収率90%、的中率25%」というもの。さて成績はというと…「回収率83%、的中率25%」だった。的中率は目標を達成したが、回収率は目標を下回った。ということは、いまの馬券の買い方では的中率は25%では足りないということだ。これは、ワイドの馬券を増やしたためだろう。
「開催別成績一覧」を見ると、プラスを計上した開催は2回のみ。これでは回収率は上がらない。特に痛かったのは年末の阪神・中山開催だ。なんと回収率59%という、今年下から2番目の低成績だった。ここを普通に乗り切れば回収率85%が見えていたのだが…。
 一方、馬券道場では、昨年を上回る六段まで到達。回収率も93%と健闘した。ここから見えてくるのは、単・複の控除率の低さ。JRAの馬券の控除率は、単・複は20%、それ以外は25%だ。普段はあまり意識しない数字だが、トータルで見ると回収率の差となって出てくることが分かる。馬券を単・複中心にシフトすれば回収率はアップする可能性が高いが、ついつい配当に目がいってしまう。(井上オークス氏のような)「単勝1点買い」をしばらくしてみようか。

 もう一つ、「お馬のアイコン」」というサイトの競馬予想大会に今年から参加した。すると何と、その下半期の大会で優勝してしまった。その回収率は110%超。これはこれで喜ぶべきことなのだが、実際の馬券成績との差に驚かされる。
 この差は、予想大会と実際の馬券で違う馬を買っているわけではなく、買い方の違いが原因である。「お馬のアイコン」では◎からの馬連・馬単に加え、印をつけた馬5頭の3連複ボックスなどを買う設定になっている。この買い方だと、回収率が110%になるというのだ。来年は、この3連複5頭ボックスも、実際の馬券に取り入れたい。

 2013年は「回収率90%、的中率30%」を目標にする。そのための馬券作戦として「単または複の1点勝負」と「3連単5頭ボックス」を取り入れる。馬連中心の馬券から、レースによって馬券の種類を変えてみようというわけだ。さて、この作戦が当たるかどうか。

 来週からさっそく競馬がスタートする。このご時世の中、毎週競馬をさせてもらえてありがたい。2013年も競馬を楽しみたい。

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2012年12月25日火曜日

2歳児のおしゃべり

 私の息子は、いま2歳と8カ月。よくしゃべるようになった。子どもの成長は早いものだ。
 最近はかなり言葉も上達してきたのだが、ちょっと前まではろれつが回らず、よく文字がひっくり返っていた。これがなかなか面白いので、備忘録代わりに残しておこうと思う。言葉を覚える過程はなかなか興味深い。
 それでは息子の面白語録を紹介しよう。たとえばこんな感じ。

 実家から送られてきたイモを見て。
「あ、がじゃいもや!」
いえ、じゃがいもです。

 1歳の従兄弟の写真を見ると
あちゃかんだ~」
あちゃ~。

 風邪を引いたときは
おすくり飲むで~」
上手に飲んでください。

 保育所で電車を見に行った日は、興奮して報告してきた。
さんばーだーど、さんばーだーど!
サンダーバード(関西と北陸を結ぶ特急電車)を見たんだね。すごいスピードで走ってるね。

 保育所から帰るときは
「せんせい、さよらな
はい、また明日。

 こんな感じである。「ワハハ~」と笑うと、本人もうまく言えなかったのが分かるらしく、ちょっとすねてしまうのだが、思わず笑わずにはいられない。可愛いものだ。

 最後は、面白語録とはちょっと違うのだが、息子が久しぶりにあんパンを食べたときのこと。
「おおっ。パンの中からまんじゅうが出てきたで~。すごいなあ(ボク、感激)」

 彼の中では、あんこ=まんじゅうだったようだ。

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2012年12月24日月曜日

2012有馬記念、阪神カップ、ラジオNIKKEI杯、中山大障害 予想の回顧

 まずは有馬記念の回顧から。スタートでルーラーシップが大きく出遅れ、ゴールドシップも後方でいきっぷりが悪い。
「どうやら人気2頭は飛んだな(フフフ)」
エイシンフラッシュから手広く流している私には願ってもない展開だ。
 3コーナー過ぎからゴールドシップが外をマクって追い上げていく。エイシンフラッシュは内を突き、いい手応えで馬群を割り、残り200 mで先頭に躍り出る。よし勝った、相手は何だ。オーシャンブルー、押さえている。
「そのままっ!」
と叫んだのも束の間。エイシンフラッシュはラスト100 mで失速。ガス欠だ。距離がもたなかったようだ。残念。皇成騎手は、インから抜け出すというこの馬の正攻法で見せ場を作った。急な乗り代わりだったが、見事に役目は果たしてくれた。
 勝ったのは外をマクったゴールドシップ。ディープインパクト、オルフェーヴルを彷彿とさせる勝ちっぷりだった。お見事。

 土曜の阪神はラジオNIKKEI杯。◎キズナはスローの2番手。4コーナーで逃げ馬に並びかけると、外からエピファネイアが馬体を併せてくる。直線では外のエピファに競り負け、内のバッドボーイにも差し返され、3着。初めて外からかぶせられて、ひるんだか。

 中山大障害は◎アグネスラナップが勝負所で置かれ気味になり、5着に流れ込むのがやっと。GIではまだ力不足だったようだ。

 月曜は阪神カップ。◎オリービンは後方の内に構える。レースはハイペースで流れており、展開は向きそうだ。
「どこかで外に出せれば」
と思っていたのだが、包まれて外に出せず、仕方なく内を突くがたいして伸びず、15着に惨敗。外に出せたところで、全然ダメだったかもしれない。
 2着に来たのが、推奨穴馬の14番人気ガルボ。ここで来るか。

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2012年12月23日日曜日

2012阪神カップ オレの予想を聞いてくれよ

 いよいよ今年の中央競馬も最終日。有馬記念の翌日にも競馬があるという、異例の日程が売り上げ増に結びつくのかどうか。興味深いところではある。

 その最終日の阪神メインレースは阪神カップ。まだ7回目と若い重賞だが、レースの位置づけとしては高い。定量のGII、すなわちGIを何勝している馬でも他馬と同じ斤量でレースができるのだ。こういうレースをスーパーGIIともいい、このレースの他には札幌記念だけだそうだ。

 さて今年のレース。前走GIやGIIで残念だった馬が大挙出走してきたため、近走の着順が冴えない馬にも印がついている。力のはかり具合が難しい。
 本命は◎オリービン。ここ2走がイマイチだが、得意の阪神に戻り、激走がないか。外差しの決まるいまの馬場も好材料だ。もう少し外の枠がほしかったが、豊騎手の手腕に期待したい。今のところ8番人気だが、もう少し上がるのではないか。
 推奨穴馬はガルボレオアクティブ。実績馬の復活がないか。

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2012年12月22日土曜日

2012有馬記念 オレの予想を聞いてくれよ

 さあ有馬記念。今年の競馬もフィナーレだ…といいたいところなのだが、今年は有馬記念の翌日も競馬がある。来年も月曜が祝日なので同様の日程になるようだが、果たしてこの試みが当たるのかどうか。

 私の記憶に残る有馬記念は、1998年のレース。有馬記念は生で観戦したこともなく、昔から馬券を買ってテレビで見ることがほとんどなのだが、この年は何のはずみか友人と京都競馬場に突撃した。
 いまでは考えられないことだが、場外の京都でさえ、人また人。ターフビジョンを見える場所を確保するのも一苦労だった。そんな人混みの中で、知り合いに遭遇した。バッタリと出会ったのは、当時塾講師をしていた私の生徒たち。高校生と浪人生の集団だった。
「先生として、ここは一喝するべきか…」
などと考えていると、向こうもこちらを発見。すると、「しまった」という表情などみじんも見せず
「先生、えらいところで会うなあ~」
とニコニコと駆け寄ってくるではないか…。そうこられると怒るに怒れず、結局、生徒と一緒に有馬記念を観戦するというマヌケな一日となってしまった。
 馬券は2着にきたメジロブライトを軸にしていたのだが、グラスワンダーを押さえておらず、ハズレ。馬券もマヌケな結果に終わった。

 さて今年のレース。ゴールドシップ、ルーラーシップのシップ2頭が人気を集めている。しかし、2頭ともおそらく後ろからのレースになるだろう。そこで思い出すのが今年のダービー。ワールドエースとともに人気していたゴールドシップは、差してはきたものの届かず5着。終わってみれば、人気ほど力の差はなかったということだ。有馬記念も同じような匂いがする。終わってみれば、上位2頭(シップ2頭)はそれほど力が抜けていたわけではなかった、となるのではないか。
 そうすると狙ってみたいのが前に行けそうな、中山の得意な馬。そこで浮上するのが◎エイシンフラッシュ。秋の天皇賞でも馬券でお世話になったし、1年の感謝の意味も含めて本命に推す。
 推奨穴馬は、ちょっと多いが、中山得意な馬からダイワファルコンナカヤマナイト。前にいけそうな馬からビートブラックルルーシュ。◎を含めた5頭のボックス馬券なんかも面白い。

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2012年12月21日金曜日

2012ラジオNIKKEI杯、中山大障害 オレの予想を聞いてくれよ

 いよいよ今年の競馬漏らすともラストウィーク。最後は(最後くらい?)ビシッと当てて気持ちよく年を越したいものだ。

 さて、3日連続競馬の初日の阪神メインはラジオNIKKEI杯。ラジオNIKKEI杯とラジオNIKKEI賞があり、ややこしい。
 このレース、創設以来ずっと12月に阪神で行われている。時期が変わるレースが多い中、こういうレースはホッとする。これからも暮れの名物重賞として続いていってもらいたいものだ。

 GIの朝日杯よりもGIIのこのレースのほうが来春のクラシックとの結びつきが強いのはいまや周知の事実。しかししかし、今年は蓋を開けてみればなんと7頭立て。異例の小頭数の重賞となってしまった。それほど、3強の素質が群を抜いているのか。
 その3強とは、ラウンドワールド、エピファネイア、キズナ。他にこれといった馬もいないし、小頭数でもあるし、この3頭の勝負になりそうだ。その中から本命は◎キズナ。前走、前々走とも中団から鋭く伸びて完勝。哲三騎手が乗れないのは残念だが、久しぶりに素質馬が武豊騎手に回ってきたことにも注目したい。
 推奨穴馬はナシとしたいところだが、底を見せていないアクションスターだけはちらっと押さえておきたい。

 中山では、こちらも暮れの名物重賞、中山大障害。最近は障害馬の技術もアップしたのか完走率が高いが、ひと昔前はゴールできない馬がたくさんいた。こういう、スタミナと技術を競うレースもよいものだ。ゴルフでいうなら、全英オープンみたいなものか。
 本命は◎アグネスラナップ。北沢騎手の初GI(だよね)を期待。

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2012年12月19日水曜日

書評 ケリー・マクゴニガル『スタンフォードの自分を変える教室』(大和書房)

 もうあと10日ほどで年も変わるが、年の初めに、ダイエット、禁煙、脱浪費癖、禁酒、脱ギャンブルなどなど、「今年の目標」を立てる人も多いだろう。しかし
「そういえば去年も一昨年も、いつの間にかうやむやになって、目標達成できなかったな…」
という人がほとんどかもしれない。そんなあなたに、ぜひともお勧めしたいのが本書。今日から1日1章ずつ読んでいけば、年の初めにちょど間に合う。
「一冊の本を読んだだけで禁煙できれば苦労しないよね」
「ダイエット本がこんなに何冊もある(しかも売れてる)のは、結局、本を読んでもダイエットできないからでは?」
と、この手の本に懐疑的な人にこそ手にとってもらいたい。何を隠そう、私もこの手の本には懐疑的だからだ(そんなヤツが献本を申し込むな、という話もありますが…)。

 スタンフォード大学で行われている人気講義を10章にまとめたのが本書。1章が一回分の講義に対応しており、それぞれの章のテーマが明確で、非常に読みやすい。
 本書のテーマは「意志力(willpower)」。すなわち、自分のやりたいことを実行するための力について書かれている。
 第1章では「意志力というものが実際にあり、それを自分がどのように使っているか」が語られる。まずは意志力というものの存在をしっかり認識しようということだ。本書の土台となる内容である。
 続く第2、3章が本書のキモである。この二つの章では、意志力はどういうときに落ちてしまうか、またどのようにして「増すことができるか」が述べられる。意志力の存在を知った後は、その力を伸ばしていこうというわけだ。意志力を筋肉にたとえる記述がとてもわかりやすい。意志力も筋肉と同じように、使わないと衰えていく。かといって過度に負荷をかけると故障してしまう。だから、適切な負荷をかけてトレーニングしていく必要があるというのだ。なるほど納得である。
 そして第4章以降では「意志力の仕組み」がさまざまな角度から書かれている。なぜ望みたくないことをやってしまうのか、どういうときに負けてしまうのかなどなど「失敗するときの仕組み」が最新の心理学や脳科学の研究も参照しつつ説明される。また、それらに対処する方法も示されるので、how toとしても役に立つ。

 お勧めの読み方は、1日に1章を読み、次の日にそれを実行することだ。一気にたくさん読んでも実行できなければ意味がない。1章分の教えを着実に実行するのがよいと思う。また、実行する目標は一つに絞ることを勧める。限りある意志力を、ひとつの目標に向けるのがよいだろう。私はこの方法で、最近ちょっと増えつつあったタバコが半分に減った。

 勉強になったのは、意志力は気合次第で無限に湧き出てくるものではないということだ。
「意志の力というのは気力・気合の問題であり、振り絞れば出てくる。それが出ないのは気合が足りんからだ」
というのはイメージにすぎないのだ。
 もって生まれる筋肉の量が違うように、意志力もたくさん持っている人(意志の強い人)と持っていない人(意志の弱い人)がいる。しかし、意思が弱いからといってあきらめる必要はない。筋肉を鍛えられるのと同様、意志力も鍛えて増やすことができるのだ。そのための方法がその理由とともに書かれているのが本書である。
「来年こそ目標を達成したい」
と思っている人は、今が本書を読み始める絶好の時期だ。




2012年12月16日日曜日

2012朝日杯フューチュリティS、ベテルギウスS、愛知杯 予想の回顧

 土曜は中京で愛知杯。本命◎エーシンメンフィスは予定通りハナを切る。特に競りかける馬もおらず、1000m通過を1分4秒5のスローに落とすことに成功。3コーナー過ぎから徐々にペースを上げ、余力たっぷりに直線を向き、1馬身半差をつけて見事に逃げ切った。展開がハマったとはいえ、強かった。
 2着にはエーシンと一緒に逃げていた推奨穴馬のサンシャインが粘り、行った行ったの決着。見事に万馬券をゲット!…となってもおかしくなかったのだが、馬券はワイドで勝負していたため、万馬券は獲れなかった。しかし、ワイドにはたびたび助けられているし、馬券が外れたわけでもないのだから、よしとしておきたい。

 日曜は朝日杯。本命◎コディーノは中団のインから。いい位置取りだ。テレビカメラが後方馬群を追っている間に外を上がっていき、残り800 mでいったん先頭に並びかける。ところが「ちょっと早すぎた」と思ったのか、かかっていたのかは分からないが、そこからもう一度うしろに下げて、4コーナーで再び外をまくっていく。直線では前走のような切れは見られず2着まで。前に行ったりうしろに下がったりチグハグなレースだったが、それでも2着には来るのだから大したものと言えるのかもしれない。
 馬券は、1着のロゴタイプがまったくのノーマークでハズレ。デムーロにやられた…。

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2012年12月15日土曜日

2012朝日杯フューチュリティS、ベテルギウスS オレの予想を聞いてくれよ

 今週は中山で朝日杯。かつてはナリタブライアンをはじめ、翌年のクラシック、特にダービーと結びつきの深いレースだったが、それも過去の話となってしまった。2歳のこの時期から、クラシックを目指す馬とマイル路線を歩む馬とに分かれているということなのだろう。

 さて今年のレース。本命は◎コディーノ。藤沢厩舎から久々に大物が登場した。これまた久々に、ここをステップに来年のクラシックも制する馬となるか。それだけの期待を抱かせる雰囲気を持っている。絶好枠も引いたし、ここは逆らえまい。
 ◎が大本命馬だけに、相手は絞りたい。ゴットフリート、ラブリーデイ、フラムドグロワールを中心に。推奨穴馬は、マイネルエテルネル。8枠を引いたのが残念だが、一発があるならこの馬か。
 エーシントップは京王杯2歳Sでお世話になったので切るのは忍びないのだが、そのときの回顧でも書いたように距離延長が心配だ。馬券的な妙味もないので、思い切って馬券から外す。

 ベテルギウスSはメテオロロジスト。すんなりハナを切れれば。

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2012年12月14日金曜日

2012愛知杯、ウマドンナ オレの予想を聞いてくれよ

 今年の競馬もあと2週。真冬並みの寒さが身に(財布にも)しみる。しかし先日、その寒さを吹き飛ばすニュースが飛び込んできた。そう、あのウマドンナが帰ってきたのだ。JRAが無料で提供するゲームの続編である。続編が出たところを見ると、昨年の第一弾が(局地的に)好評を得たのだろう。
 JRAのサービスや広告には懐疑的なことが多い私だが、このウマドンナにはしてやられた。馬に乗るゲームや馬を育てるゲームはいくつもあるが、自分が馬になるという視点が面白い。ゲームというほどのゲームではないし、オタ向けの要素も含まれているが、「萌え」にそれほど抵抗のない人ならそれなりに楽しめると思う。ぜひお試しあれ。

 さてレースにいってみたい。愛知杯は牝馬限定戦になってからはや9年目。昨年、一昨年は小倉で行われており、新装中京では初めてのレースとなる。傾向も変わってくるのだろう。
 牝馬限定のハンデ戦。どこからでも狙えそうだ。本命は、穴っぽいところからエーシンメンフィス。前走は、12走目にして初の芝のレースを軽快に逃げ切った。その前走が重馬場。明日の雨予想もこの馬にはよさそうだ。スムーズに逃げられれば勝機あり。
 推奨穴馬は4枠の2頭、マイネオーチャードサンシャイン。前者は女王杯4着、後者はエルフィンS勝ちの実績のわりには人気がない。もう一頭、アイスフォーリス。オークス3着の左回りで激走があるかも。

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2012年12月12日水曜日

書評 松井今朝子『一の富 並木拍子郎種取帳』(ハルキ文庫)

「ちと、面白いことがござりました」
が決まり文句の時代物ミステリー。
 舞台は江戸時代。人気狂言作者に弟子入りした並木拍子郎(なみきひょうしろう)というヤサ男が主人公。見習いである拍子郎は、師匠の並木五瓶(ごへい)から
「いい話を書こうと思ったら、常にメモ(種取帳)を持ち歩き、町の面白い話を拾ってこい」
と命ぜられる。
 しかし、拍子郎が首を突っ込む話はなぜか事件ばかり。種取帳も、話のネタ帳というよりも捜査手帳のようになってしまう。そんなこんなで、いつの間にか事件に引き込まれてしまう拍子郎が、師匠、その奥さん、近所の料理旅館の少女らとともに事件を解決する。こんな短編が五つ、本書には収録されている。

 作者の松井氏は松竹に入社後、歌舞伎座の企画・製作に長年携わってきたという経歴を持つ。その経験から得た知識やうんちくが本書の骨格をなしている。江戸時代の歌舞伎小屋周辺の庶民の生活がリアルに、生き生きと描写されているのだ。
「なるほど、江戸時代の生活って、こんな感じだったのかなあ」
というのがよく分かる。

 これが本書の土台とするなら、その上に立つのがミステリー。女将の不倫、幽霊騒動、金貸し婆さん殺人事件、繊維問屋の大将の誘拐事件、宝くじにまつわる失踪事件、の五つの事件がそれぞれ解決される。
 アッと驚く結末こそないが、しっとりと落ち着いたかたちで事件は幕を閉じる。オチに無理もなく、心地よい読後感だ。
 土台となる歌舞伎・狂言と、その上に立つミステリーともに質が高く、安心して読める小説だ。

「歌舞伎・狂言+歴史物+ミステリー」。この組み合わせに「おっ」と思う人は買いだ。




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書評 東野圭吾『犯人のいない殺人の夜』(光文社文庫)

 東野氏の短編集。表題作『犯人のいない殺人の夜』を含む七つのミステリーが収められている。脈絡なく七つの話を集めたわけではなく、タイトルの通り「犯人のいない殺人」というテーマで統一されている。
「犯人がいないのになぜ殺人が起こるのか?」
そりゃそうだ。しかし本書の話には、殺人者はいるのだが、犯人はいない。ただし「犯人が捕まらない」とか「犯人が分からないまま話が終わる」ということではないので、念のため。

 最も印象に残ったのは、表題作『犯人のいない殺人の夜』だ。短編で登場人物も少ないため、読んでいくうちに殺人の首謀者は予想がつく。しかし、殺害方法や動機がさっぱり分からない。なぜ、どうやって殺人は行われたのか。事件後と事件前を行ったり来たりしつつ、話は進む。徐々に明らかになる謎。そして最後はアッと驚くどんでん返し。東野小説の書評を書くと「どんでん返し」というフレーズが毎回出てきてしまうが、こう書かずにはいられない。今回もしてやられました。

 意図して「犯人のいない」話を書いていたのか、それとも「こういうテーマの短編を集めてみましょう」と選んだのがこの短編集なのか。どちらにしろ、東野氏の手の内の豊富さには相変わらず圧倒される。

 これらを一話完結の連ドラにしたくなる気持ちもわかる。ところが、フジテレビが「東野圭吾ミステリーズ」として放映したところ、失敗に終わったようだ。なぜなんだろう。序盤で犯人の目星がついてしまうところがウケなかったのかもしれない。




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2012年12月9日日曜日

2012阪神JF、カペラS、朝日CC 予想の回顧

 土曜は阪神で朝日CC。本命◎リルダヴァルは後方馬群からレースを進める。思ったよりも後ろの位置取りだ。3コーナー過ぎから徐々に上がっていき、持ったままで先団にとりつき直線を向いた。直線半ばまで手綱は動かず、あとはどれだけ弾けるかと確勝気分でいたら、追い出してもさっぱり伸びず、15着に沈んだ。また骨折でもしたか。そうでなければ距離か。いずれにしろ、惨敗。
 勝ったのはショウリュウムーン。来ちゃいましたね、推奨穴馬が。相変わらず、いつ走るのか分からない馬だ。

 日曜は阪神JF。本命◎ローブティサージュは中団の内でジッと我慢。3、4コーナーで徐々に進出すると、直線ではうまい具合に前も開き、粘る2着馬をかわして見事に1着。期待に応えてくれた。お馬さんも秋山騎手もありがとうございました。
 ところが馬券は2着のクロフネサプライズを押さえておらず、馬連350倍超を取り損なった…となるところだったが、ワイドで流していたのが大正解。3着に突っ込んできたのは推奨穴馬のレッドセシリア。1-3着のワイドをゲット。

 カペラSは、◎ティアップワイルドが先団を見る位置から徐々に進出し、いい手応えで直線を向いたのだが、直線半ばで力尽き5着。1~3着を後方待機の馬が占めた流れでは厳しかった。

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2012年12月8日土曜日

2012阪神ジュベナイルF、カペラS オレの予想を聞いてくれよ

 今週は阪神ジュベナイルフィリーズ。この名称になって12回目。ようやく慣れてきた。
 以前は阪神3歳牝馬Sという名前だったのだが、さらにその前は阪神3歳Sという牡馬牝馬混合レースだったそうだ。東西の交流がいまほど盛んでない時代、関西のナンバーワン3歳馬(いまの2歳馬)を決めるレースだったのだろう。その時代の勝ち馬にはテンポイントの名も見える。

 さて、レースにいってみたい。今年から新たなステップレース(アルテミスS)ができたので、傾向も変わってきそうだ。そのアルテミスSと従来のファンタジーSの1、2着馬と、別路線組のサンブルエミューズの5頭が人気を集めている。妥当なところか。
 その中から本命は◎ローブティサージュ。7月に新馬を勝ち、ひと息入れた後の前走のファンタジーSで2着。サウンドリアーナにはちぎられたが、上積みも見込め、距離延長も歓迎。逆転があると見た。内枠がやや気がかりだが、大外を回されるよりもいいと、前向きに解釈したい。
 推奨穴馬はメイショウマンボレッドセシリア。1戦1勝の馬は押さえておきたい。

 カペラSはティアップワイルド。連勝を期待。

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2012年12月7日金曜日

2012朝日チャレンジカップ オレの予想を聞いてくれよ

 ここに来て、馬券の調子が悪い。今年も残り3週、調子を取り戻して気持ちよく終わりたいところ。

 土曜の阪神メインは朝日CC。……え、朝日CC? なぜ師走のこの時期に朝日CCなのか。ずっと秋の阪神開催の開幕週のレースだったではないか。そういえば、今年はその週に朝日CCは行われていなかったのか。気づかなかった。
 毎週毎週、番組に対する批判で恐縮だが、レースの時期や距離を変えるのはもっとほどほどにしてほしい。季節感が狂うじゃないか。新しい試みも重要なのは分かるが、もっと各レースの個性を大事にしてもらいたいものだ。こんなことを感じるのも、私が年を取って保守的になってきたからなのだろうか…。
 馬券の調子が悪く、弱気になっているオヤジの繰り言はこれくらいにしておきたい。

 今年のレース、時期の変更とともに距離も1800 mに短縮された。
「天皇賞とマイルCSで残念だったお馬さんたち、集まれ~」
という目論見だったのかもしれないが、見事に外れたようだ。オープン特別やGIIIの常連が顔を揃えた。
 その中から、本命は◎リルダヴァル。二度の骨折がトラウマになって調子を崩していたが、ここ4走から、完全復調したと見てよさそうだ。先行馬有利ないまの阪神の馬場も好都合。56 kgのハンデも恵まれた感。前につけて鋭く抜け出してほしい。
 先行できる馬が怖い。推奨穴馬はサンレイレイザー、ミッキードリーム、テイエムアンコール。ちょっと多いが、もう一頭ショウリュウムーンも挙げておきたい。いつ走るのか分からない馬だ。

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2012年12月6日木曜日

京都水族館に行ってきた

 夏休みに子ども二人と京都水族館に行った(カメラを忘れたため、その様子をブログにエントリーできなかった…)。そのときに年間パスポートなるものを買った。京都水族館は、1回の入場料が2000円、年間パスポート(1年間、何回でも行ける)が4000円なのだ(大人)。要するに、年間パスポートを買えば、1年で2回行けば元が取れ、3回行けばプラスになる。
「1年で3回くらいは行くよなあ」
と年間パスポートを購入したのである。

 あっという間に月日は流れて、はや12月。そういえば、あれ以来一度も京都水族館に行っていない。ヤバイ。このままでは
「結局、1年に1回しか行かなかった」
というオチになってしまいかねない。それはイカンということで、先週の土曜日に子ども二人と再訪したのだ。

 前回(夏休み)よりもかなり空いていた。ブームが一段落したことに加え、寒かったことも理由だろう。いずれにしろ、混んでいるよりは空いているほうがいい。
 まずは玄関で記念撮影。ワケの分からないポーズを取る娘(5歳)と息子(2歳半)。

京都水族館入り口、はいポーズ

 最初に待っているのは、京都の魚たち。オオサンショウウオが目玉だ。

京都水族館、京都の魚たち

 続いては、アザラシゾーン(速い!)とペンギンゾーン(可愛い!)。ペンギンがウンチをするのを見て大喜びのわが子たちだった…。
 お次は京都水族館最大の見所である大水槽。「日本の海をまるごと表現」というコンセプトだそうだ。美味しそうな魚がたくさん泳いでいた。息子はエイのしっぽに目を奪われたらしく
「お父さん、しっぽ、しっぽやで~」
と興奮していた。

京都水族館大水槽、美味しそうな魚

 その後は、クラゲ、カニ、ヒトデ(触れます!)などを経て、最後に待っているのはイルカショー。タイミング良く、ちょうどイルカショーの始まるところだった。

京都水族館イルカショー、イルカジャンプ

イルカのジャンプを見て、子どもたちは大喜び。しかし、ほんの15分ほどでショーは終了。大人の私は
「みじかっ」
と拍子抜けしたが、子どもにはこれくらいが飽きない長さでちょうど良かったらしい。イルカ君たちも、おそらくまだ訓練中なのだろう。今後の成長を期待したい。

 以上のように、決して大きくはないが、逆にいうとこぢんまりとまとまっていて、小さい子が飽きずに見て回れる水族館だ。パスポートが切れるまでに、あと2回は訪れたい。
 広さや豪華さでは海遊館などに勝てないのは仕方がない。独自の特徴を出すには、アットホームさを売りにしてはどうだろうか。もう少し客の数が落ち着いてきたら可能だと思うんだけどなあ。勝手な提案ですが。

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2012年12月2日日曜日

2012ジャパンカップダート、金鯱賞、ステイヤーズS 予想の回顧

 土曜は中京で金鯱賞。◎サトノギャラントは何と1番人気。ちょっとインフレ気味か。ほぼ最後方からレースを進め、直線は外に出して最速のタイムで上がってきたが届かず、6着。開幕週の馬場で内を抜けてきた馬が1、2着を占めたレースでは厳しかった。差しの決まる馬場になれば巻き返すだろう。
 勝ったオーシャンブルーを押さえていなかったので馬券的には惜しくも何ともなかったのだが、2着に食い込んだのが推奨穴馬のダイワマッジョーレ(プチ自慢)。今年の3歳の勢いはすごい。

 中山のステイヤーズSは◎ケイアイドウソジンが4コーナーで早々に手応えをなくし、ブービー。原監督流に言えば
「論ずるに値しない」
というところか。

 日曜はジャパンカップダート。本命◎ローマンレジェンドは中団から進めるが、どうも手応えが悪い。3コーナーではすでに大きく手が動き始める。それでも失速はせず、ジリジリと伸びてきたが4着まで。やはりGIは流れが違うのか。
 1、2着は好位から抜け出したニホンピロアワーズワンダーアキュート。地方で力をつけてきた2頭で決まった。地方での実績はあまりアテにならないと、この2頭は馬券から外していたので、大ハズレ。大ハズレでも小ハズレでもハズレはハズレ、と自らを慰めておく。
 トランセンドに触れておきたい。昨日の予想でも述べていたように、出ムチをくれてハナをキリに行ったが、行ききれず2番手。4コーナーではすでにズルズル後退し、何と最下位に沈んだ。どうやら終わってしまったようだ。気持ちが燃え尽きてしまったのか(怪我なら話は別だが)。

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2012年12月1日土曜日

2012ジャパンカップダート オレの予想を聞いてくれよ

 今週はジャパンカップダート。阪神に移ってきてから5回目になる。普段はJRAの番組編成には文句を言うことが多い私だが、このレースを阪神に持ってきたのは大ヒットだと思う。
 年末の阪神開催のGIが2歳牝馬のレースだけでは、あまりにも寂しいというものだ。東でGIを行うほうが売り上げ的にはよいのかもしれないが、それならレースは全て関東でやればいいという話になる。GI、重賞、開催日などを全国に振り分けるほうが、全体的な観点から見れば、競馬界にとってよい方向のように思う。

 さてレース。実績馬が登り馬を迎え撃つ構図となっている。本命はその登り馬◎ローマンレジェンド。阪神で行われた過去4回の、1番人気の成績は3-0-1-0。1回目こそヴァーミリアンが連を外したが、その後は1番人気が3連勝。今年も連勝は続くと見た。ダート界の新王者誕生を期待したい。
 相手はトランセンドが面白い。もう一頭の逃げ馬のエスポワールシチーは「出たなりで」のコメント。逃げ宣言をしているここは、ぶっ叩いてでもハナを切りに行くだろう。それで闘志がよみがえれば。
 推奨穴馬はハタノヴァンクール、ミラクルレジェンド、グレープブランデーの3頭。人気薄の実績馬に要注意。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...