2013年7月30日火曜日

書評 さる山さる子『父さんの会社が倒産した』(ルックナゥ)

 突如、父さんの会社が倒産。ダジャレを言っている場合ではない。住宅ローンをかかえ、貯金もゼロの「さる山家」の体験を綴った実録書。有事への備えとして持っておきたい知識やノウハウが満載。

 夫婦二人と一女一男で暮らす、さる山家。貯金はないけどローンはある。そんなときに急に収入が途絶えてしまったら、当然、ローンは返せなくなる。こんな状況に突然陥ったとき、いったいどう行動すればよいのか、何から始めればよいのか。私も含め、多くの人は途方に暮れるしかないだろう。
 さる山家の場合、知り合いに経営コンサルタントがいたのが幸運だった。取れるもの(失業保険以外にも、いろいろあるらしい!)は取り、可能な限り生活を切り詰め(「便利」と「必要」は違う!)、必要なところには思い切って資本を投下し(父さんの独立資金)、プロの指導の下で生活を立て直していく。その様子が、とても前向きに書かれているところに好感が持てる。

 本書には多くの教訓が書かれているが、その最たるものが
「善意の第三者(素人とも言う)の意見に振り回されてはいけない」
ということだ。突然失業したとなれば、多くの人が心配し、アドバイスしてくれるだろう。もちろんみんな、よかれと思って知恵を貸してくれるわけだ。
 しかし、それがマイナスに働くことが多いのだという。非常事態に際し、素人のうろ覚えの知識ほど危ないものはないらしい。非常事態に陥ったら至急すべきことは
「プロに相談」
これに尽きるのだそうだ。本書を読むと、それがよく分かる。

 もし万が一、さる山家と同じような状況になった場合、本書を読んでいれば最悪の道はたどらずに済むだろう。
「本書のお陰で一家心中しなくて済みました」
てなことになるかもしれない。
 ただ逆にいうと、そういった非常事態にでもならない限り、本書が「直接」役に立つことはないかもしれない。しかし苦境に陥ったとき、さる山家の精神は道しるべになってくれるだろう。前向きに、プロの指導の下で、周囲の力を借りつつ、生活を立て直していくという精神は、どんな困難に立ち向かうときにも共通の考え方だ。

 私は、もし会社を辞めて独立したときに仕事がポシャったらどうなるのか、という観点から本書に興味を持った。
「ほほう。意外と何とかなるもんやな」
と思ってしまう私は、もう少し世間の荒波に揉まれつほうがよいのかもしれない。



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2013年7月28日日曜日

予想の回顧 アイビスSD、クイーンS、KBC杯、小倉サマーJ(2013)

 新潟メインはアイビスサマーダッシュ。◎ハクサンムーンは馬なりで先頭のフォーエバーマークに並びかけて外ラチ沿いへ。口向きが悪いのか、顔がスタンドのほうを向いていたように見えたので少し心配したが、追い出されるとスパッと伸びて完勝。期待通りの強さを見せてくれた。
 フォーエバーマークと行った行ったの決着。馬連を取った。二桁ついたのはラッキーだった。

 函館のクイーンSは、オールザットジャズの+16 kgの馬体重を見て、本命は◎マルセリーナにした。その◎マルセリーナは後方2番手を追走。ややかかり気味に見えた。4コーナーでは内を突き、うまくさばいて進路を確保したが、それほど伸びず4着まで。最後方にいたスピードリッパーが2着に突っ込んだのだから、前残りの競馬ではなかったはず。物足りない内容だった。

 土曜の小倉メインはKBC杯。◎フレイムオブピースは中団から脚を伸ばすが、先に抜け出した1、2番人気の両馬を捉えきれず、3着。展開が向かなかった面もあるのかもしれないが、上位2頭には力負けの印象。

 小倉サマージャンプは◎アグネスハイヤーが最終周でおかれてしまい、5着。休み明けの分か、力不足か。最後は差してきて5着に来たが、見せ場はなかった。

 今週は4戦1勝。しかし、土曜の予想のときにも書いたように「最終レースは「馬連」がおトク!」キャンペーンに乗って各場の最終レースを買ったところ、6レース中4レースが的中(安い馬券も多かったけど)し、最初の週からおおいに恩恵を受けた。
 お陰でトータルの収支もプラスを計上。いつ以来か分からない、2週連続のプラスとなった。この調子で今年の負けを取り返していきたい。

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2013年7月27日土曜日

2013 アイビスサマーダッシュ、クイーンS オレの予想を聞いてくれよ

 新潟開幕週の日曜メインはアイビスサマーダッシュ。日本で唯一の直線重賞で、もう13回目になるらしい。設立当初は直線レースが珍しく話題になったが、いまでは「ちょっと変わった重賞」程度の位置づけになってしまった。
 もう一度盛り上げるために、新潟にはGIがないことだし、スプリンターズSを新潟1000 mで行うというのはどうだろうか。

 レースにいってみたい。
 格上挑戦の馬も数頭おり、かなり手薄なメンバーという印象。これなら◎ハクサンムーンで仕方なかろう。外目の枠も引いたし、叩き2走目で上積みも見込めるここは、人気でも逆らえない。
 もう一頭の実績馬パドトロワは、59 kgがいかにもつらい。
 推奨穴馬はダッシュ力が魅力のヤマニンパピオネと、直千得意のレオパステル

 クイーンSも、手薄なメンバー。このメンツなら、オールザットジャズマルセリーナの一騎打ちか。

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2013年7月26日金曜日

2013 KBC杯、小倉サマージャンプ オレの予想を聞いてくれよ

 今週から小倉・新潟開催がスタート。夏競馬も本番だ。
 私が小倉競馬場に行ったのは1999年のリニューアルよりも前のこと。当時は時間も金もそこそこあり、友人と二人で競馬旅行に行ったのだった。昼は競馬を楽しみ、夜はホークスの試合を観戦。たしか工藤投手が完投勝利をあげた。贅沢な旅だったなあ…。
 それから約15年。
「新装小倉競馬場にも行ってみたいなあ」
と思っているうちに、いつの間にか新装ではなくなってしまった……。

 今週から「最終レースは「馬連」がおトク!」というキャンペーンが始まる。私は常に
「控除率の引き下げ(払い戻し率の引き上げ)に勝るファンサービスなし」
と考えており、この手のサービスは大歓迎だ。「最終レースの馬連だけ」というのはセコい気がしないでもないが、下手なCMやイベントに費用を掛けるよりはよほどありがたい。
 というわけで、いままでは「各場のメインレース+西の主場の最終レース」の馬券を買っていたのだが、「メインレースどれか一つ+各場の最終レース」に変更しようと思う。

 さて、そんな小倉の土曜メインはKBC杯。KBCとは九州朝日放送というテレビ・ラジオ局だ。小倉競馬開催中はKBCラジオが独自の競馬番組を放送しているらしい。

 レースにいってみたい。
 10頭立てと、やや寂しいメンバーとなった。ここは降級2頭の一騎打ちか。人気しそうだがフレイムオブピースタイセイシュバリエの争いと見る。現時点では◎フレイムオブピースが若干優勢の見立てだが、両馬とも休み明け。馬体重や当日の気配には注意を払いたい。
 推奨穴馬はナシ。小頭数ということもあり、固く収まりそうだ。

 小倉サマージャンプは◎アグネスハイヤー。こちらも休み明けだが、前々走だけ走ればチャンスあり。

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書評 喜多喜久『猫色ケミストリー』(宝島社文庫)

 理系人の、理系人による、みんなのためのミステリー、第2弾。
 東京は本郷の、とある大学の理系(化学系)研究室を舞台にした作品である。ケミストリーとミステリーが見事に融合された、「ケミステリー」とでも呼びたくなる好著。

『ラブ・ケミストリー』に続く、喜多氏のデビュー第2作は、前作と同じく東大農学部が舞台。ただ、第1作とは独立に読める作品だ。
 基本的な構成は第1作と同じで、奇想天外な展開が軸にあり、そこへ化学系の理系人たちの生態を絡めたものになっている。
 今回、軸となっているのは、魂と肉体が入れ替わるという、よくあるパターンだ。ただ、本書が変わっているのは、ある二人の間で魂と肉体が交換されるのではなく

  男子大学院生(明斗)→女子大学院生(スバル)→猫

というように、玉突き式に魂が入れ替わる点である。明斗の魂がスバルに、スバルの魂が猫に移ってしまうのだ。猫が混ざる点が笑える。
 元に戻る方法を探る明斗とスバル。しかしその過程で、研究室の誰かが危険な化合物を合成しているという事実をかぎつける。典型的なオタク理系人である明斗(肉体はスバル)と、今どきの女子であるスバル(肉体は猫)の名コンビにより、徐々に明らかになる犯人の手法と狙い。果たして二人は、犯人を突き止め、さらには元の体に戻ることができるのか。

 理系ラボの様子を鮮やかに描きつつ、読者をグイグイと引き込んでいく筆力は秀逸である。前作は「ケミストリー(理系人の様子)」と「ミステリー(謎解き)」がほぼ独立していたのがちょっと残念だったが、本作ではこの二つが見事に融合している。ミステリーの解明に、ケミストリー(化学)が大きなカギを握っているのだ。偉そうだが
「腕を上げたなあ」
と言いたくなる。ケミストリーの現場を熟知している喜多氏にしか書けない作品だろう。

 これまで、小説に出てくる科学者というと、数学者や物理学者(ガリレオ湯川も物理学者だ)がほとんどで、化学者はどうも旗色が悪かった。化学物質、化学兵器など、化学という言葉も、どこかイメージが悪い。
 そんな現状を覆すべく、喜多氏にはこれからも上質の「ケミステリー」を書いていってもらいたい。



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2013年7月21日日曜日

予想の回顧 2013 中京記念、函館2歳S、桶狭間S

 日曜の中京メインは中京記念。
 ◎フレールジャックはポンとスタートすると、何とハナを切る。想定外だ。
「前残りの馬場でもないし…ちょっとイヤやなあ」
と思っていると、4コーナーで第二の想定外が。何とフレールジャックが故障を発生してズルズル後退。私の馬券はすべて紙くずになった。
 競馬なんだからこういうこともある。可愛そうな結果だった。

 函館2歳Sは、◎トーセンシルエットが好位のインを追走。直線で馬場の半ばに持ち出すと、オールパーパスを競り落として3着でゴールイン。
 馬券は、ワイドで買っていたのが大正解で、1-3着と2-3着のワイドをとった。

 土曜の桶狭間Sは◎ケイトが先団を見る位置でコーナーを回ったが、直線では脚があがり11着。同じような位置にいた馬が1、3着に来ているのだから、不甲斐ない結果だった。

 今週は3戦1勝だが、福島の土・日メインを的中したのが大きく、プラスの収支となった。この調子で今年の負けを取り返していきたい。

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2013年7月20日土曜日

2013 中京記念、函館2歳S オレの予想を聞いてくれよ

 中京最終週のメインレースは中京記念。昨年から1600 mにリニューアルされた重賞だ。それ以前はずっと春(3月)の中京開催で行われていたらしいのだが、あまり記憶にない。GIやそのトライアルの陰に隠れていたのだろう(馬券を当てていないから覚えてないだけという話もあるが…)。今後は、サマーマイルの開幕戦として存在感を示していってほしいものだ。

 さて、レース。
 実績馬は夏休み中なのか、オープン特別レベルのメンバー構成という印象。このメンバーなら◎フレールジャックで何とかならないか。重賞勝ちのあるこの馬が56 kgは恵まれた印象。外差しのきくいまの中京もよさそう。どこかで外に出したい。康太くん、頼みまっせ。
 推奨穴馬はランリョウオー…と思っていたら、何と現時点では3番人気。穴ではないが、是非狙いたい。

 函館2歳Sは◎トーセンシルエット。東京での新馬勝ちを評価。

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2013年7月19日金曜日

2013 桶狭間S、白河特別、函館日刊スポーツ杯 オレの予想を聞いてくれよ

 中京、福島開催は今週で終わり。来週からは小倉、新潟競馬が開幕する。早いなあ…。
 そんな中京最終週の土曜メインは桶狭間S。中京競馬のレース名には(というか東海地方には)、合戦の舞台となった場所が多いですな。
 桶狭間といえば、織田信長が今川義元を討ち取ってスターダムへ登った合戦の地だが、どのあたりにあって、いまはどうなっているのだろうか。そういえばよく知らなかったので、今週もグーグル先生に教えを請うた。すると、何とっ

桶狭間の戦いの場と伝わる丘は (中略) 中京競馬場前駅西の豊明市栄町にある高徳院境内の西南に広がる丘に到る。(wikiより)

中京競馬場のすぐ近くということらしい。それは知りませなんだ。メインレースという扱いにも納得である。
 信長が義元を討ち取って歓声を上げた地で、約450年後に馬の競走で歓声が上がっているとは誰が想像しただろうか。歴史のロマンを感じさせる(?)。

 レースにいってみたい。準オープンのハンデ戦。ハンデ頭が56 kgということからも分かるように、ややレベルが低い印象。
 本命は◎ケイト。前走は昇級初戦。着順こそ6着といま一歩だったが、0.3秒差なら上出来だ。着順が悪かったお陰で、ハンデも52 kgと恵まれた。「夏は牝馬」の格言通りの快走を期待したい。
 推奨穴馬はこれという馬がいないが、しいて挙げるならトゥザサミット

 白河特別は◎フレデフォートが、函館日刊スポーツ杯は◎アットウィルが本命。

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2013年7月16日火曜日

書評 横溝正史『獄門島』(角川文庫)

 金田一シリーズの例に漏れず、オカルトチックな雰囲気のストーリー。複雑な婚姻・親子関係、妄執・嫉妬、気の触れた当主など、背筋がゾワゾワするような舞台が用意されている。
 そこへ乗り込んだ金田一が、ちょっとピントの外れた、剽軽(ひょうきん)なキャラクターを見せつつ事件を解き明かす。舞台設定はオカルトだが、謎解きは論理的だ。このギャップが、金田一シリーズの真骨頂である。最後は、さまざまな伏線が回収され、すべての謎が明らかになる。お見事。

 私にとって本書は、中学生の頃に『八つ墓村』ともう一冊(何かは忘れた)を読んで以来、三つ目の横溝作品。当時は親から
「怖いで~」
とビビらされていたのでホラー作品なのかと思っていたが、読んでみるとそれほど怖さは感じなかったため、拍子抜けした記憶がある。
 いまではもちろん分かるのだが、横溝作品の本質はホラーではない。オカルトかと思わせつつ、最後には動機やトリックがきちんと明らかになるところが、巨匠と評価されるゆえんであろう。
「東西ミステリーベスト100」第1位の評価に違わぬ名作だった。

 粗筋はこんな感じ。
 瀬戸内海に浮かぶ獄門島。その名の示すように、罪人の流刑地としての歴史を持つ島だ。金田一耕助が、戦友の遺言を託されて向かったその島には、よそ者を寄せ付けない雰囲気を持つ住民たちが暮らしていた。
 そこで起こった連続殺人事件。金田一の滞在中に、網元の三姉妹が奇妙な姿で殺害される。動機は網元どうしの争いなのか、それとも色恋沙汰か。金田一が明らかにする、悲劇の結末とは。



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2013年7月14日日曜日

予想の回顧 2013 函館記念、関ヶ原S

 日曜は函館記念。
 ◎トウカイパラダイスは、4、5番手の位置で折り合う。4コーナー手前で前の2頭にとりついたときには「いい感じ」と思ったのだが、直線にはいると脚があがり、前には残られ、後ろには差されて5着。絶好の展開に見えたのだが、物足りない内容だった。
 勝ったのは逃げたトウケイヘイロー。トップハンデが嫌で軽視していたのだが、危なげなく逃げ切った。すんなりハナを切れれば中距離でも通用することを改めて証明した。

 土曜の中京メインは関ヶ原S。
 ◎ジェントルマンは中団を追走。4コーナーではスムーズに外に持ち出せたのだが、1、2着馬は捕まえられず、3着まで。3、4コーナーでグーンと上がっていければいい勝負だったのだろうが、そこでの加速が足らなかった印象。

 土曜は、福島の安達太良Sは◎アンアヴェンジドが4着、函館の函館スポニチSはゴーイングパワーが3着と、ともにハズレ。

 今週は4戦4敗。他がちょろちょろ当たったので惨敗は免れたが、いまだにスランプから抜け出せない。

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2013年7月13日土曜日

2013 函館記念 オレの予想を聞いてくれよ

 外出の用事があるので簡単に。
 今週は函館記念。伝統のハンデ戦だ。本命は◎トウカイパラダイス。中間に一頓挫あって巴賞を使えなかったのは少し気がかりだが、一皮むけたのか、今年に入ってから安定して走っている。ハンデは昨年と同じ56.0 kg。昨年(1番人気4着)の雪辱を果たしてほしい。

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2013年7月12日金曜日

2013 関ヶ原S、安達太良S、函館スポニチ賞 オレの予想を聞いてくれよ

 7月に入り、京都では祇園祭の「コンチキチン」が鳴りはじめたのだが……暑い。とにかく暑い。宵山が始まる前からこんなに暑いのは、あまり記憶にない。早く暑くなった分、早く涼しくなってくれればよいのだが…。みなさん、夏バテしないように気をましょう。

 そんな土曜の中京メインは関ヶ原S。天下分け目の合戦が行われた地だ。関ヶ原の戦いと聞くと思い出すのが、小早川秀秋。この小早川秀秋が裏切ったことが東軍の勝利を決定づけたのは有名な話だ。
 この小早川秀秋のメージが、なぜか私は元広島カープの小早川毅彦氏と重なる。決して、小早川毅彦氏が裏切り者だというわけではない。小早川秀秋は関ヶ原のあと、現在の岡山県の藩主となった。一方、小早川毅彦氏は広島カープの元主力選手だ。私の脳内では、両者は「中国地方つながり」でリンクされているのだ。なんのこっちゃ。

 レースにいってみたい。
 本命は◎ジェントルマン。人気しそうだが、ここ3走を見ると、逆らえない。左回りも得意だし、ここは決めてくれないか。実は、昨年もこの馬を本命に推したのだが、4着に敗れて馬券はハズれた。昨年の借りを返してもらいたい。
 推奨穴馬は堅実なロードエアフォース

 安達太良Sは◎アンアヴェンジドを、函館スポニチ賞は◎ゴーイングパワーを狙う。函館スポニチという、函館周辺限定のスポーツ紙があるのだろうか?

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2013年7月11日木曜日

書評 三宅博『虎のスコアラーが教える「プロ」の野球観戦術』(祥伝社黄金文庫)

 約25年間、阪神タイガースのスコアラーを務め、その後、北京オリンピック日本代表チームのスコアラーとして働いた三宅氏が、スコアラー的視点で、さまざまな角度から日本プロ野球を論じた本。
 抽象的な総論ではなく、具体的な個々の選手に対する論評がふんだんに述べられている。いまや日本のエースとなったマー君、マエケンはもちろん、阿部、内海、山口、長野、坂本といった原巨人の中心選手から、売り出し中の菊池雄星や武田翔太まで、さまざまな選手をスコアラーの目で評価する。彼らの活躍できる理由や、どこが変わったことによって一皮むけたかなどが、的確に論じられている。つい最近まで現場にいた三宅氏にしかできない分析だろう。野球好きの私にはたまらない一冊だった。

 また、それぞれの選手やチームについて、今年(2013年)のシーズンに活躍できるかどうか、簡単な予想もつけられていたりする。現段階(7月)での大当たりの一つは、楽天の躍進を予言しているところだ。パリーグの優勝の本命はソフトバンクであるとしつつ
「私は案外と楽天がダークホースだと睨んでいる」
とハッキリと書いている。その他の今シーズンの予想も当たっているものが多く、さすがである。
 かといって百発百中というわけにはいかず、肝心の阪神については
「今年は厳しい」
と書いているが、3位を大きく引き離して2位につけているのは周知の通りだ。三宅氏にとっては嬉しい誤算といったところか。

 ところで、本書に最もよく出てくる名前は、現役選手ではない。それはノムさん、そう元阪神監督の野村克也氏である。野村氏が阪神にもたらしたものがいかに大きく、革命的なものであったかが、そこかしこに書かれている。2003年に阪神が優勝したときの監督は星野氏だったが、その前の監督である野村氏の残したものがいかに大きかったかがよく分かる。
 そういえば、楽天も野村氏→星野氏という監督の流れだ。今年の楽天の躍進は、2003年の阪神と似た部分があるに違いない。

 阪神が(今年は頑張っているが)ダメになった原因、佑ちゃんが伸び悩んでいる理由など、まだまだ紹介したいことがたくさんあるのだが、あとは本書を読んでいただきたい。

「投げた、打った」を楽しむのも野球観戦の醍醐味の一つだが、もう一歩踏み込んだ「通」(オタクともいう)の観点から野球を見るには絶好のテキストである。




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2013年7月8日月曜日

書評 藤田伸二『騎手の一分―競馬界の真実』(講談社現代新書)

 日本ダービーを制したこともある一流騎手による、競馬業界暴露本。

 若くして日本ダービーを制し、有馬記念や天皇賞(春)などのビッグレースも勝っている藤田伸二。ここ数年、存在感がないなあと思っていたら、こんな暴露本を書いていたとは…。かなりやる気を失っているようだ。どうやら、近いうちに引退する腹を固めているらしい。

 そんな藤田騎手が、競馬界に対する問題提起、というよりも「うらみつらみ」に近いことを書き綴ったのが本書。なかでも本書のクライマックスは、騎手を実名で批判しているところだ。関西のトップジョッキー数名が、批判の対象になっている。
「おれは、○○(本文中では実名です)の乗り方は認めない」
「強い馬に乗せてもらっているから勝っているだけ」
など、刺激的な表現が見られる。これが本書の売れている要因だろう。
 馬券ファンは、当たるよりもハズれることのほうが多く、騎手には言いたいことがたくさんある。それを、ある意味ズバッと書いてくれた本書に人気が出るのも分かる。

 ただ、本書はおそらく口述筆記であり、本全体としての起承転結はあまりない。各トピックは(上記の騎手批判も含めて)とても面白いのだが、全体としては説得力に欠けるというか、主張に核がないというか
「いろいろ言いたいことがあるのはよく分かったけど、それでどうしたいの?」
というところが伝わってこない。おそらく藤田騎手には何か訴えたいことがあるのだろうが、それがうまくまとめられていないように思った。
 騎手を引退した暁には、ぜひ自らの手で一冊書いてはどうだろうか。
「おれは中卒だから、そんなことできねーよ」
などと言わずにチャレンジしてほしい。藤田騎手なら、きっといい線いくと思うけどなあ。何ならお手伝いしますよ(おいおい)。



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2013年7月7日日曜日

予想の回顧 2013 プロキオンS、七夕賞、豊明S

 プロキオンSは◎アドマイヤサガスが3番手につけた。中京のダートは前残りなので
「よしよし」
と思って見ていたのだが、直線では馬群に飲み込まれた。差し馬のレースになってしまっただけに、仕方のないところか。

 福島では七夕賞。◎ダコールは最後方から。4コーナーでは大外をブン回して伸びてきたが5着が精一杯。内が伸びる馬場で大外を回しては届かない。予想で、馬場状態をまったく考慮していなかった。

 土曜は豊明S。◎オリービンは先団の後ろと、思ったよりも前の位置取り。そこからビュッと伸びたが、同じような位置にいたプリムラブルガリスには切れ負け。斤量差の分だろう。しかし何とか2着を確保してくれたお陰で馬連をとった。20倍近くつけば十分。

 今週も、先週に引き続き、1勝。1勝のみというのは物足りないが、そこそこついた。最悪の状態からは脱しつつある気配だ。

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2013年7月6日土曜日

2013 プロキオンS、七夕賞 オレの予想を聞いてくれよ

 今週は中京でプロキオンステークス、福島で七夕賞が行われる。7月7日に七夕賞が行われるのは11年ぶりなのだそうだ。枠連の7-7は人気以上に売れるのだろう。
 馬名が7文字の馬が勝つとか、7番の馬が来るとか、いろいろ言われているようだが、私はその手のサインはまったく気にかけない。

 予想はプロキオンSを中心に。プロキオンは星の名前だが、どんな星かは昨年に解説したのでそちらをご覧いただきたい。
 今年は、好調な馬が集まった。重賞勝ち馬こそ少ないが、近走、オープン特別で好走している馬が揃った。好メンバーといってよいだろう。
 その中から、本命は◎アドマイヤサガス。前走は1番人気を裏切ったが、それでも0.3秒差の3着に残っている。なぜか人気を下げているここは狙い目だ。
 推奨穴馬はナガラオリオン。降級した前走の勝ちっぷりが強烈だった。流れが向けば。

 七夕賞は◎ダコール。56 kgは恵まれた印象。差しがきけば。

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七夕の願い事 5歳の娘と3歳の息子のお願いとは

 今週の日曜日は七夕。保育所に通っている娘(年長組、5歳)と息子(年少の一つ下、3歳)が、豪華に飾り付けをした竹を持って帰ってきた。

七夕、願い事、5歳、3歳

 失礼ながら
「また、こんなゴッツいもん持って帰ってきて…捨てるのもたいへんやし、ちょっとうっとうしいなあ…」
などと思っていたのだが、娘の願い事を見て、そんな思いは吹っ飛んだ。

七夕、願い事、5歳、娘、家族

 偉いぞ、わが娘。優しい子だ。
 娘が5歳になったときにも書いたのだが、娘の偉いところは、家族生活などの日常が大好きなところだ。ついつい隣の芝が青く見えて、日常に不満を感じてしまう私など、おおいいに見習わなければならない。
 こんな娘も、来春からは小学生だ。どんどん自立していくのだろう。頼もしいような、寂しいような…。
 裏には家族の絵が描いてある。

七夕、願い事、5歳、娘、絵

 なぜかお父さんがいないのが、少し気がかりだ…。

 ちなみに、3歳の息子の願い事はこちら。

七夕、願い事、3歳、男の子、ウィザード、鉄砲

 てっぽうと書くとちょっと可愛らしいが、要するに仮面ライダーウィザードの持っている銃がほしいらしい。
 たしか、昨年の願い事は
「小さいスイカがほしい」
だった。息子も、この1年で成長(?)したようだ。

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2013年7月5日金曜日

2013 豊明S、天の川S、五稜郭S オレの予想を聞いてくれよ

 今年も、はやくも半分が終わった。早いものだ。今年のここまでの馬券成績は史上最低の低空飛行だが、後半戦で巻き返したいところである。
 そんな7月最初の週末のメインレースは、中京、福島、函館ともに準オープンの芝のハンデ戦。なかなか珍しい。

 中京メインは豊明S。名古屋の隣に位置する豊明市がレース名になっている。私は不勉強にして豊明市のことはほとんど知らないので、グーグル先生に教えを請うた。すると、なんと中京競馬場は豊明市にあるというではないか。知りませなんだ。なるほど、豊明Sというレースはあって当然ということか。宝塚記念(阪神競馬場は宝塚市にある)がGIなのだから、重賞でもよいくらいかもしれない。

 このレース、ここ数年、施行条件がころころ変わっており、今年から芝1400 mとなった。中京競馬場が改装されて、いろいろな距離のレースができるようになったこともあるのだろう。
 本命は◎オリービン。追い込み脚質のためかなかなか勝ちきれないが、重賞やオープンでも再三好走してきた馬。降級のここでは力が違うと見た。58.5 kgでも。
 推奨穴馬はシゲルスダチ。57.5 kgは楽ではないが降級で一発がないか。

 天の川Sは思い切って、◎マーブルデイビーを抜擢。ハンデ差を生かしたい。五稜郭Sは◎ツルミプラチナム

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2013年7月1日月曜日

書評 トム・マクナブ『遙かなるセントラルパーク 米大陸横断ウルトラマラソン 上・下』(文春文庫)

「ニューヨークへ行きたいか~っ!」
 その昔、そんな番組があった。当時小学生だった私は、放送を心待ちにしていたものだ。
 本書は、それよりもさらに約半世紀前の1931年を舞台に、アメリカ大陸をマラソンで横断するという実在の大会をベースに、その模様をドラマ化したもの。主要登場人物のうちの何名かは実在の人物なのだそうだ。
 冒頭に書いた「アメリカ横断ウルトラクイズ」も、勝ち抜きクイズ大会としての面白さはもちろんあったが、「人間ドラマ」をうまく織り交ぜたところが人気の秘訣だった。本書はそのマラソン版と思ってもらえればよいだろう。いや、「ウルトラクイズ」のほうが本書のクイズ版だ、というほうが順序としては正しいか。

 熱砂の砂漠地帯から、米大陸を東西に隔てるロッキー山脈まで、ランナーたちはさまざまな難関をくぐり抜けねばならない。
 1931年といえば、二つの大戦の間の時代。テレビもまだなく、輸送手段も未発達だったこの時代に、数百名ものランナーが大陸を横断するのだから、当然、さまざまなトラブルが発生する。また、当時はプロスポーツ選手とアマスポーツ選手の境界が厳然と存在し、その間の駆け引きにこのマラソンも翻弄される。
 これらの難関を、レースの主催者とランナーたちが乗り越えていく。レースを進めるうちに心を通じ合い、協力しつつ難関を突破していく人間ドラマが本書の醍醐味だ。
 かつては世界レベルにあった老ランナー、スコットランドからやってきた失業中の職工、これまた失業中の元炭坑夫、元ダンサーの女性など、多様なランナーたちが物語を彩る。これらの個性的な面々が絡み合い、人間ドラマが描かれていく。
 恋愛、一族代表としての責任、個人的野望、貴族としての矜持などなど、いろいろな思惑が交錯しつつ、レースは進んでいく。そして迎えるゴールはニューヨーク。42.195 kmとはまた違う感動がある。

 最近、運動へのモチベーションを高めている私は、さらに妄想が刺激されてしまった。この勢いに乗ってジム通いを始めるかどうか、悩ましい…。



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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...