アホらしい。でも、懐かしくて面白い。
万城目学、湊かなえ、小路幸也、向井湘吾、藤谷治。5人の人気作家が書いた、怪人二十面相シリーズのスピンアウト短編集。それぞれの作家がそれぞれの趣向で、怪人二十面相シリーズにまつわる話を書いた。
「うまい」
と思える作品から
「そりゃないやろ」
というズッコケ気味の作品まで、どれも各作家の色が出ていて楽しく読めた。
小学校の図書館で、怪人二十面相シリーズや怪盗ルパンシリーズに熱中した頃の記憶が蘇る。私はいまでも好んでミステリーを読むが、その入り口がこれらのシリーズだった。そういう人は多いだろう。
しかし、本書はあくまでスピンアウトなので、本書を単独で楽しむことはできない。本編である怪人二十面相シリーズの読者にしか通用しない作品である。私は、小1の娘にも読めるのではないかと本書を買ったのだが、それは全く無理だった。
母校の図書館に、まだこのシリーズは残っているのだろうか。
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