2018年3月8日木曜日

【書評】池井戸潤『陸王』(集英社)

見え見えの展開。しかし、それがよい


 フルマラソン完走のご褒美に「文庫化まで待つべし」というわが家の不文律を破って買ってしまった…。ポイントで購入したので、セーフということにしておきたい。

 池井戸潤原作→TBSドラマ化の黄金パターン。小よく大を制す、判官びいき、理不尽な障害を打破、一致団結、などなど、昭和の香りのするキーワードが満タンに盛り込まれた作品だ。
 小さな会社が、大手メーカーの理不尽な(←ここ、大事)嫌がらせに耐え、これをはねのけ、勝利を収める。ぶっちゃけワンパターンで見え見えの展開なのだが、それがよい。水戸黄門が面白いのと同じことだ(?)。

 私がホロッときたのは、感動のゴールシーンではなく、父子の会話の場面。子どもをもつ前なら、このシーンにウルウルすることはなかっただろう。父の立場に感情移入するなんて、年を取ったものだ(苦笑)。



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