2019年6月7日金曜日

【読書メモ】小川洋子『琥珀のまたたき』(講談社文庫)

 屋敷に閉じ込められた三きょうだい。閉じ込められているにもかかわらず、いや閉じ込められているからこそ、三人の個性が絶妙に絡み合い、美しく結晶する。
 しかし外界からの風が、徐々に結晶を溶かしてゆく。少しずつ崩壊していくきょうだいの絆。
 生と死、現実と空想、この世とあの世の境界がふんわりと提示される。小川ワールド全開の、はかなくも美しい物語だ。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...