2023年5月25日木曜日

【読書メモ】朽木祥『オン・ザ・ライン』(小学館文庫)

 何を隠そう、わが家は、娘も息子も中学の部活はテニスという、テニス一家なのだ(娘はすでに引退)。テニスを題材にした面白い小説があると聞いたら、読まない手はないだろう。

 勝手にミステリーと思っていたら、全然違って、ばりばりの青春小説だった。高校の部活男子の青春生活を鮮やかに描いた作品だ。テニスに打ち込む男子高校生たちの躍動ぶりが目にまぶしい。
 一方で、著者の文学好きが、主人公を通して語られるところもスパイスがきいている。要所要所で、文学作品や誌や絵画が登場するのだ。

 若者たちのまっすぐな心に元気をもらった。ただ、自分自身を投影するのではなく、子どもを応援するような気持ちで読んでしまう自分が少し悲しい…。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

オン・ザ・ライン [ 朽木 祥 ]
価格:715円(税込、送料無料) (2023/5/25時点)






にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』(講談社)

 加賀刑事シリーズ、最新第12作。娘が学校の図書館で借りてきてくれたので、文庫化前に読むことができた。  このところ、加賀の人生に絡んだ話が多かったが、シリーズの原点回帰。加賀は探偵役に徹して事件を推理する。いかにもミステリーなミステリー小説だ。  別荘地で起きた連続殺人事...