2023年9月16日土曜日

【読書メモ】西村京太郎『殺しの双曲線』(講談社文庫)

 1971年(なんと、私の生まれる前!)に出版されたミステリーを、娘が買ってきて
「お父さん、これ読んだことある?~」
と聞いてきた。先日亡くなった西村氏も、女子高生に自腹で買ってもらって
「面白かったで~」
と言ってもらえて、喜んでいることだろう。
 私の父(娘のおじいちゃん)が西村氏の作品を好んで読んでいたので、おそらく私もこの作品を読んだことがあると思うのだが、いささか自信がない…。もちろん、犯人やトリックは全く覚えていないので、存分に楽しめた。

 本作は、西村氏がまだ列車ミステリーを書き出す前の作品なので、十津川警部も列車トリックも出てこない。ミステリーの王道とも言えるクローズドサークル物に、西村氏が挑戦した作品だ。
 冬の山小屋で一人、また一人と消えていき、最後には誰もいなくなる。まさに「ザ・クローズドサークル」といえるストーリーだ。トリックの鍵を握るのは双生児。これがタイトルの双曲線の意味するところだ。
 さあ、あなたは犯人を当てられるだろうか。私は、犯人は当たったが、トリックについては全くトンチンカンった…。

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