男目線の美人論
とんでもない醜女が整形に目覚め、とんでもない美貌を手に入れて故郷に帰り、積年の鬱憤を晴らす。誰でも考えつきそうなストーリーなのだが、その心理描写がすさまじい。醜女の心がねじ曲がっていく様子、美女への嫉妬などが、これでもかと綴られる。ドロドロを通り越して、ネチョネチョだ。
「アホらしい」
と思いつつも
「次はどういう行動に出るのか」
と気になって、ついついハマりこんでしまう。
私は男なので、醜女の気持ちも美女の気持ちも類推するしかないのだが、醜女は本当にこのように思いこんでいくものなのだろうか。書き手の百田氏も男性であり、心理描写には多分に男性目線が幅をきかせているように感じた。
百田氏の作品は初めて読んだのだが、最初の一冊としてはやや変化球に過ぎたかもしれない。
本書を読んで、女性はどのような感想をもつのだろうか。この本を買ってきた妻に聞いてみたい気もするが
「だから男は、うんぬん」
と説教されそうな気がする。いや、オレがこう思ってる訳じゃないんですけど(なぜ言い訳が…)。
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