2015年1月15日木曜日

映画評 『スイングガールズ』

シンプルで、元気の出る映画。


 名作『ウオーターボーイズ』の女子高生版。田舎の女子高生たちが、ひょんなことから軽音楽グループを作ることになり、七転び八起きしながらグループを成長させていく。何のひねりもないストーリーなのだが、そこがいい。
 軽音楽に打ち込むことになった過程も笑えれば、途中のアクシデントや出会いにもズッこけてしまう。女子高生たちが絆を深めつつ成長していく姿がコミカルに描かれていて、ついつい引き込まれてしまう。
 感動の名作もいいが、こういうシンプルで元気の出る映画もいいものだ。

 一つ残念だったのは、演奏が上達していく過程が大胆に端折られていることか。聞くに堪えなかった演奏が、次のシーンでは突然「いい感じ」になっている。練習シーンをもう少し見せてくれてもよかったかなあ。
 とはいえ、それを差し引いても見る価値あり。ジャズが聴きたくなること間違いなし。

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2015年1月13日火曜日

書評 百田尚樹『モンスター』(幻冬舎文庫)

男目線の美人論


 とんでもない醜女が整形に目覚め、とんでもない美貌を手に入れて故郷に帰り、積年の鬱憤を晴らす。誰でも考えつきそうなストーリーなのだが、その心理描写がすさまじい。醜女の心がねじ曲がっていく様子、美女への嫉妬などが、これでもかと綴られる。ドロドロを通り越して、ネチョネチョだ。
「アホらしい」
と思いつつも
「次はどういう行動に出るのか」
と気になって、ついついハマりこんでしまう。

 私は男なので、醜女の気持ちも美女の気持ちも類推するしかないのだが、醜女は本当にこのように思いこんでいくものなのだろうか。書き手の百田氏も男性であり、心理描写には多分に男性目線が幅をきかせているように感じた。

 百田氏の作品は初めて読んだのだが、最初の一冊としてはやや変化球に過ぎたかもしれない。
 本書を読んで、女性はどのような感想をもつのだろうか。この本を買ってきた妻に聞いてみたい気もするが
「だから男は、うんぬん」
と説教されそうな気がする。いや、オレがこう思ってる訳じゃないんですけど(なぜ言い訳が…)。




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2015年1月12日月曜日

【予想の回顧】シンザン記念、フェアリーS、淀短距離S、寿S、招福S(2015)

 日曜は京都でシンザン記念。
 ◎ダッシングブレイズは蓋を開けてみれば、やや抜けた1番人気。そこまで人気するかな。
 後方からレースを進めるが、直線に入ってもいまいちエンジンがかからない。残り1ハロンでようやくエンジンに火がついて追い込んできたが、時すでに遅し。4着に終わった。同じ位置にいた馬が上位を占めたのだから、物足りなかった。距離が伸びるほうがよさそうだ。
 実は、パドックでダッシングブレイズがあまりよく見えなかったので、ダッシングブレイズを含む4頭のボックスで勝負したのだが、1~3着の馬はボックスに入っておらず、惜しくも何ともなかった…。内枠の先行馬に固執しすぎたかもしれない。

 土曜の京都メインは寿S。
 ◎アドマイヤスピカは前に行けず後方から。この日の京都の芝は意外に差しが決まっていたので、いいかもしれない。内枠ということもあり、4コーナーでは果敢に内に突っ込んだがモロに前がふさがりジエンド。かなり脚を余した。あの位置取りから内を狙うのは無理があったかもしれない。だが、突き抜けていれば好騎乗ということになったのだろうから、紙一重か。

 中山メインは招福S。
 こちらは直線で◎マイネルバウンスの進路が空いて、内を抜けてきた。ところが外から差してきたストロングサウザーの馬券を押さえておらず、ハズレ。

 月曜は京都で淀短距離S。
 本命◎ラインスピリットは好発を切ったが「何が何でも」のアンバルブライベンにハナを譲った。そこまではよかったのだが、アンバルブライベンの外に持ち出そうとしたところにエイシンブルズアイに蓋をされたしまった。そのため揉まれる形になったのが答えたのか、直線では早々に失速してブービー15着に惨敗。逃げ馬が負けるときはこんなものか。

 中山ではフェアリーS。
 ◎コートシャルマンは中団の内を追走して、4コーナーでもうまく前が開いたのだが、思ったほど伸びず4着。絶好の展開に見えたのだが…。

 今週は5戦してなんと0勝…。他がポツポツ当たったので大怪我はせずにすんだが、散々だった。

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2015年1月11日日曜日

【予想と与太話】淀短距離S、フェアリーS(2015)~逃げてどこまで~

 実はいま久しぶりに京都競馬場で現地観戦中。やはりライブはいいものだ。贅沢な時間を提供してくれた家族に感謝したい。
 そんな3日間開催最終日は京都で淀短距離Sが、中山でフェアリーSが行われる。
 淀短距離Sは「短距離」というレース名もあって、ずっと淀の1200 mで行われている。時期も30年以上、冬の京都開催のままだ。こういうレースは大事にしたいのだが、印象に残っているレースが思いつかない。要するに、あまり当たっていないということだ…。今年はバッチリ当てて、記憶に残るレースにしたいものだ。

 レースにいってみたい。
 例年ほどではない感じもするが、正月の京都芝レースはやはり内の先行馬が有利。本命は◎ラインスピリット。逃げて連勝中の登り馬だ。絶好の最内枠からの逃げ切りを期待。アンバルブライベンとの兼ね合いがカギになりそう。
 推奨穴馬はお隣のサクラアドニス。近走が冴えないが、着順ほどは負けていない。

 フェアリーSは、人気でも◎コートシャルマン。内枠、手替わりで巻き返す。

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2015年1月10日土曜日

【予想と与太話】シンザン記念(2015)~シンザン記念と聞いて思い出す馬は~

 日曜の京都メインはシンザン記念。オルフェーヴルやジェンティルドンナが出て、すっかり出世レースになった。
 シンザン記念で印象に残る馬の一頭がナリタタイシン。1993年だから、もう20年以上前になる。時が経つのは早いものだ…。その年、ナリタタイシンは直線で抜群のキレを見せて2着に突っ込んだ。
「小さい馬(418 kg)なのに、すごい切れ味やなあ」
と思ったことを覚えている。
 いま調べてみると、このときの鞍上は清水英騎手(現調教師)だったらしい。てっきり武豊騎手が乗っていたと思っていたのだが、その次走から武騎手に手綱が移ったのだった。

 レースにいってみたい。
 今年は重賞勝ち馬がゼロで、12頭中9頭が1勝馬。実績のない馬が揃ったが、今年もこの中に大物がいるのだろうか。
 本命は◎ダッシングブレイズ。前走は追い出しを待たされた分だけ届かなかったが、力は示した。外枠はちょっと誤算だが、スタートを決めて前につけてほしい。久々にマル外の大物登場を期待したい。
 推奨穴馬は最内枠のノースストーム。このレース、内枠の先行馬が有利。前に行ければ面白い。

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2015年1月9日金曜日

【予想と与太話】寿S、招福S(2015)~どの馬が行くのか~

 3学期も始まり、正月モードも終了。仕事も競馬も、そろそろエンジンを掛けていきたいところだ(正月でもそうでなくても、、めったにエンジンはかかりませんが…)。

 そんな3日間開催初日の土曜の京都メインは寿ステークス、中山メインは招福ステークスである。寿Sは、今年からメインレースに昇格した。どういう都合なのか分からないが、何か番組に変更があったのだろう。
 正月らしいレース名で、長い間この条件(芝2000または1800 mの準オープン戦)で行われている。名物レースとは言い過ぎかもしれないが、歴史のあるレースだ。JRAには、こういうレースは大事にしてほしいものだ。

 レースにいってみたい。
 先週の競馬を見ていると、例年通り京都の馬場はかなりの前残り。少頭数でもあるし、ここも前の馬が有利と見た。しかし、どの馬が前にいくのかもよく分からないくらい、先行馬が不在のメンバー。どういう隊列になるのか、誰か教えてほしい。
 本命は◎アドマイヤスピカ。先行馬のイメージはないが、このメンバーなら前につけられないか。内枠も有利。素質馬が前走をきっかけに覚醒してほしい。
 推奨穴馬はダイシンブラック。この馬がハナを切るらしい。

 招福Sは◎マイネルバウンスが本命。ハンデ頭だが56 kgなら。

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2015年1月8日木曜日

映画評 『アルゴ』

実話を題材にした、CIAの人質救出作戦


 1979年、イラン革命が起こり、イランは反米のホメイニ氏に政権が移った。同年、イランの首都テヘランで暴動が起き、アメリカ大使館が占拠された。このとき、密かに大使館から脱出した6名の大使館員がいた。
「何としてでもこの6人をイラン国外に連れ出せ」
という命を受けたCIA捜査官が単身イラクに乗り込み脱出を図る。

 この脱出劇を描いたのが本作。史実を元にした大脱走が繰り広げられる。どこまでが事実で、どこからがフィクションなのかは知らないが、そんなことはどうでもよい。スリル満点の、手に汗握る逃亡大作戦。映画が始まったと思ったら、息つく間もなく一気にエンドロールへ。2回に分けて見ようと思っていたのだが、全然無理だった。

 そしてつい先日(2014年11月)、CIAがこの映画についてのコメントを発表した。時効だということなのだろう。

CIA、映画「アルゴ」の史実正す ユーモア交え真相公表

「真相公表」とはいえ、映画は大筋で事実だったことが分かる。ホンマにこんな話があったのか。「事実は小説よりも奇なり」とはよく言ったものだ。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...