舞台は私の住む、滋賀県大津市。その中の膳所という地域を中心に、成瀬あかりという少女の活躍を描いた短編連作集だ。
連作集なので話が細切れで読みやすいのに、長編小説を読み終えたような満足感もある。これは成瀬あかりの、まっすぐでぶれないキャラクターのお陰だろう。大人気キャラになって、本屋大賞をはじめとする賞をとりまくり、すぐに続編が出たのも納得だ。
ちなみに、宮島氏と私の共通点は、ネイティブの滋賀県民、大津市民ではないということ。2人とも、大人になってから大津市に越してきた、外様の滋賀県民、大津市民なのだ。
滋賀県も大津市も、住んでみると、思っていたよりも全然よいところだった。野菜は美味しいし、びわ湖と比叡山・比良山系の組合せは最高だし、都会の便利さと田舎ののんびり感のバランスが絶妙だし、いやホンマに、大津市のマンション買ってよかったわ。宮島氏も、きっと同じように感じているに違いない(ホンマか)。それが本作品からあふれ出る「滋賀推し」「大津推し」「膳所推し」につながっている気がしてならない。
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