2012年2月9日木曜日

映画評 J・エドガー

 イーストウッド監督、ディカプリオ主演という珠玉のコラボレーションの話題作。
 J・エドガーという、FBIを作りあげた男の一生を描いた作品。私はこの映画を見るまで、こういう人物がいたことを知らなかったのだが…そういう人にはお勧めできない。外国人が何の予備知識もナシに織田信長の映画を見るようなものだ。エドガーについてある程度の知識を得てから見ることをお勧めする。

 二つの時代を行ったり来たりするかたちで話は進む。一つはFBI創世記から発展期で、エドガーが若い時期の話。もう一つは1960年代後半のエドガーの晩年期だ。ただ、この行ったり来たりが、アメリカの歴史の知識が乏しい私にはややこしく、状況が把握しづらいシーンが多々あった。要するにわかりにくいのだ。

 エドガーという人物の存在は知らなかったのだが、なるほどなかなか興味深い人物だ。ただ、映画にするほどインパクトのある一生かというと…ちょっと疑問である。感銘を受けるような映画ではなかった。冒頭にも書いたように、エドガーについてある程度知識や興味がある人が見て、初めて楽しめる映画だと思う。

 ディカプリオの演技はよかった。壮年の人物を演じるには、もっともよい時期なのかもしれない。迫力があった。相棒役のアーミー・ハマーも(この映画で初めて知った俳優さんだが)ハマっていた。この二人の演技は見る価値ありかな。

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