2018年10月20日土曜日

【読書メモ】都筑卓司『新装版 マックスウェルの悪魔 ─確率から物理学へ─』(講談社ブルーバックス)

 旧版は1970年に、この新装版は2002年に出版された歴史的名著。確かに名著だ。こういう本が絶版にならずに読めるのが、電子書籍のよいところだ。
 エントロピーやエンタルピーという熱力学の概念を、これほど分かりやすく喩えた本は初めてだ。もちろん、きちんと理解するには数式や厳密な説明が欠かせないのだろうが、一般人にはそれは無理。それならばと、比喩などを用いて説明しようとした試みは数多いが、本書はそれに最も成功した例の一つと言えるだろう。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』(講談社)

 加賀刑事シリーズ、最新第12作。娘が学校の図書館で借りてきてくれたので、文庫化前に読むことができた。  このところ、加賀の人生に絡んだ話が多かったが、シリーズの原点回帰。加賀は探偵役に徹して事件を推理する。いかにもミステリーなミステリー小説だ。  別荘地で起きた連続殺人事...