2022年6月25日土曜日

【読書メモ】伊与原新『月まで三キロ』(新潮社文庫)

 表題作を含む8話が収められた短編集。いずれも科学を絡めたストーリーになっているのが特徴だ。その科学も、数学や物理学などといった「いかにも」なものではなく、ちょっとひねった分野なのが一ひねりきいている。
 たとえば天文学、気象学、地層学(?)など、科学の中でもさらになじみのない分野が物語を彩る。それが自然な形で人と人とを結びつけ、心の架け橋となるところがニクい。普段は身近にない科学が、無理なく物語に溶け込んでいるのだ。うーん、うまい。
 次は長編を読んでみようかな。

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