賤ヶ岳の戦いで活躍した秀吉の七人の配下が「賤ヶ岳の七本槍」だ。本書は、その七本には漏れた石田三成を「八本目の槍」として描いた作品だ。
全7章からなり、「七本槍」が一人ずつ登場する。秀吉の部下になった経緯から、賤ヶ岳の戦いなどを経て、大坂冬の陣・夏の陣に至るまでがそれぞれ語られる。なので、朝鮮出兵や関ヶ原の戦いなど、同じ場面が複数の章に出てくる。一人称が異なると、印象も変わるのが面白い。
石田三成が中心に描かれる章はない。にもかかわらず、本書の主人公は三成なのだ。その存在感はまさに主役。見事な光の当て方だ。
また、七本槍もそれぞれ個性的でキャラが立っている。連作集的な作りになっており、脇役陣が複数の章にまたがって登場するのも見事。今村人気も、なるほど納得だ。
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