2014年9月1日月曜日

書評 吉川英治『三国志』(講談社)

25年前の興奮が蘇る。


 吉川英治氏の著作物の著作権が切れた。そんな昔に亡くなった方だとは知らなかった。これからは吉川氏の小説が安価に読めるということだ。ありがたい話だ。
 約25年前の中学・高校生の頃、吉川氏の「三国志」をむさぼるように読んだ。行き帰りの通学電車で、一気に読み終えたのを覚えている。
 その思い出の本を再読した。
「再読してがっかり」
ということにならないか心配していたのだが、まったくの杞憂だった。25年前の興奮が蘇ってきた。

 前半は、主人公である劉備、関羽、張飛の三兄弟に、呂布、曹操、孫堅などが絡み合う、争乱の時代をのし上がっていく男たちの物語だ。後漢が滅びた後の乱世を、それぞれのやり方でのし上がっていく奸雄たち。下克上など当たり前。生き馬の目を抜くような駆け引きが繰り広げられる。
 後半は一転、諸葛亮孔明が主人公を演じる。天才軍師の諸葛亮の知謀・策謀が冴えわたる。敵が裏をかけば、さらにその裏をかき、敵が裏の裏をつけば、さらにそのまた裏をつく。
 数々の武将たちが織りなす歴史大河小説の魅力は、25年経っても色あせることはなかった。

 初読から25年が経ったいま「蒼天航路」という曹操を主人公にしたマンガが人気を博している。吉川三国志以降、この他にも、曹操を扱った小説などがいくつか書かれた。吉川三国志は「三国志演義」を元に、蜀の国の側から書かれた物語なので、魏の国や曹操は、どうしても悪者扱いになる。それに異を唱えて
「いやいや、曹操はそんな軽い人物じゃないでしょう」
と、曹操の違う側面を書きたくなる気持ちが、再読してよく分かった。
 私も、光栄のゲーム「三国志」では、よく曹操を選んでプレイしたし、魏の武将にはよくお世話になった。「三国志」の時代の中心は、やはり蜀ではなく魏だったということなのだろう。

 ちなみに私のお気に入りの武将は、初読時は趙雲、再読時は荀彧である。曹操が身を起こして以来の、荀彧の知謀と忠誠に心を打たれた。

 最初に読んだときは
「オレも諸葛亮のような軍師になってみたい」
と思ったものだ。いや、再読した今も再び
「軍師になってみたい」
と思ってしまう(やめとけ)。




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2014年8月31日日曜日

【予想の回顧】キーンランドC、新潟2歳S、釜山S、新潟JS(2014)

 キーンランドCの本命は◎ローブティサージュ。中団馬群に構えて直線を向き、少し窮屈になりかけたが、前が開くとズバッと伸びて見事に1着。阪神JF以来の勝ち星を挙げた。道中も引っ張りきりだったし、短距離が合うのだろう。
 馬券は馬連を取ったが、レッドオーヴァルを軽視していたため、チョロ当たりに終わった。

 新潟2歳Sは、◎ヒルノマレットが馬群に沈んで10着。上位とは力の差か。瞬発力勝負も向かないのかもしれない。
 勝ったのはヒルノマレットと同じような位置にいたミュゼスルタン。33.4秒の上がりでレコード勝ちを飾った。2着のアヴニールマルシェの上がりは何と33.0秒。究極の瞬発力勝負となったレースだった。

 土曜の小倉メインは釜山S。◎ベルサリエーレは2番手で直線を向いたのだが、ドドッとかわされて4着。差し馬の流れになってしまった。

 新潟JSは◎エイシンホワイティが10馬身差の圧勝。しかし、馬券を買っていなかった。なんでやねん。

 今週は3戦1勝だが、1勝も本命馬券ではトータルの収支はマイナス。来週の夏競馬最終週で大逆転といきたい。

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2014年8月30日土曜日

【予想と与太話】キーンランドC、新潟2歳S(2014)~2歳女王復権へ~

 今週は札幌でキーンランドC、新潟で新潟2歳Sが行われる。
 キーンランドはアメリカの馬産地で、競馬場もある。日本での北海道と同じ位置づけだ。札幌競馬場とキーンランド競馬場が姉妹協定を結んでいるわけではないようだが、なぜか重賞のレース名となっている。なぜなのだろう。

 このレース、サマースプリントシリーズの中では数少ない別定戦である。そのため、例年はスプリンターズSを狙う一線級が何頭か参戦するのだが、今年はそういう馬はいないようだ。というよりも、スプリント戦線の層が薄いのかもしれない。

 レースにいってみたい。
 このレース、北海道(札幌、函館)で好走歴のある馬の成績がよい。また、牝馬が頑張っているのも特徴だ。
 というわけで本命は◎ローブティサージュ。2歳の牝馬チャンピオンだが、3歳時は低迷が続いた。しかし年が明けてからは復調の気配。短距離が合っているのだろう。新馬勝ち、函館SSで2着と、洋芝実績も十分。阪神JF以来の勝ち星を期待したい。
 推奨穴馬はブランダムール。北海道大好き牝馬の激走があるかも。

 新潟2歳Sは◎ヒルノマレット。良血馬を下した前走の再現がないか。

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2014年8月29日金曜日

【予想と与太話】釜山ステークス、新潟ジャンプS(2014)~ハナ切ってどこまで~

 今週で8月も終わり。全く早いものである。今年の夏は猛暑日が少なく、比較的過ごしやすかったように思う。
 娘の夏休みも今週まで。夏休み最後の競馬を、気持ちよく的中させたいものだ。

 そんな土曜の小倉メインは釜山S。
 小倉競馬場と釜山競馬場が姉妹競馬場として提携したのを機にできたレースである。微妙な緊張感の続く日韓関係であるが、せめて競馬では仲良くしていきたいものだ。
 朴大統領は、本当は日本との関係を修復したいのだが、引っ込みがつかなくなり、ドツボに陥っているように見えるのは私だけだろうか。

 レースにいってみたい。釜山Sは今回で5回目とまだ若いレースで、昨年からダートに変更になった。
 本命は◎ベルサリエーレ。2走前と4走前に大きく崩れているが、そのお陰なのか、ハンデは55 kgと恵まれた。すんなりとハナを切れそうなここは、逃げ切りを決めてほしい。
 推奨穴馬はテイエムゲッタドン。地方で連勝した軽量3歳九州産馬に一発がないか。

 新潟では障害重賞の新潟ジャンプSが組まれている。
 本命は◎エーシンホワイティ

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2014年8月22日金曜日

【予想と与太話】札幌記念、北九州記念、TVQ杯(2014)~マジメに頼む~

 ちょっと遅めの夏休みをとっており、週末は和歌山にパンダを見に行くので、土日の分をまとめて予想しておく。

 今週は小倉で北九州記念、札幌で札幌記念の二つの重賞が行われる。
 札幌記念が北海道初のGIIに昇格したのが1997年。それ以降はエアグルーヴやセイウンスカイが秋の始動戦に選ぶなど、一流馬が集うレースになった。北海道の競馬ファン開拓にさぞ貢献しているに違いない。そんな札幌記念のなかでも、今年は特に好メンバーが揃った。
 各競馬場に一つずつこういうレースを作れないものだろうか。たとえばフェブラリーSを冬の小倉で行うとか、ヴィクトリアマイルを福島にもっていくとか、各競馬場でスターホースが見られるようになれば新しい競馬ファンも増えるように思うのだが。

 レースにいってみたい。
 札幌記念の本命は◎ゴールドシップ。いつ凡走するか分からない馬で、人気の集中しそうな今回はちょっと危ない匂いもするが、気の悪ささえ出さなければ現役最強の力の持ち主であることは前走でも明らか。マジメに走ってくれることを期待したい。
 相手筆頭には○ラブイズブーシェを抜擢したい。有馬記念の後、2回続けて凡走したが、持ち直してきた。北海道大好きホースがアッと言わせるシーンがあるかも。
 もう一頭、トウケイヘイローも取り上げたい。休み明けは苦にしないし、小回りの中距離での強さは昨年に実証済み。有力馬が後ろで牽制し合うなら、圧勝まで。
 馬券はこの3頭で勝負する。ラブイズブーシェトウケイヘイローの組合せも押さえる。
 ロゴタイプは洋芝が、ハープスターは脚質が不安。

 北九州記念は夏のハンデ重賞らしく、とくかくよく荒れる。前走で重賞を使った馬の成績が極端に悪いのだ。そこで、前走がオープン特別の◎ニンジャを本命に抜擢する。

 TVQ杯は人気しそうだが◎キクノソル

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2014年8月17日日曜日

【予想の回顧】関屋記念、阿蘇S、博多S(2014)

 今週の重賞は関屋記念。
 本命◎タガノブルクは好位から進めるが、直線ではまったく反応せず、15着に惨敗。

 小倉の阿蘇Sでは◎ナリタスーパーワンが先行できず中団からの競馬に。直線も伸びを欠き、10着。

 予想はアップしなかったが、札幌のUHB杯の本命◎クリスマスはモロに前が壁になる不完全燃焼の競馬で15着。

 土曜の小倉メインは博多S。本命◎ダノンフェニックスは好位につけたのだが、直線では後退する一方でブービーの9着。

 今週は本命馬がことごとく惨敗。僅差の負けでも大負けでもハズレはハズレと慰めるしかない…。

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2014年8月16日土曜日

【予想と与太話】関屋記念、阿蘇S(2014)~黄色いほうが勝つわ~

 今週の重賞は新潟の関屋記念の一つだけ。小倉は阿蘇Sがメインレースである。
 関屋記念は一昨年からサマーマイルシリーズに組み入れられたが、もともとこの時期に行われていた重賞で距離も変わっていないので、特に傾向に変化はないようだ。これからも新潟の伝統の重賞として続いていってほしい。
 昨年はどの馬を本命にしたのだったかと思ってブログを読み返してみると、本命はジャスタウェイだった。そして結果は、レッドスパーダを捉えきれずに2着。このようにGIIIを取りこぼしていた馬が、2カ月後の天皇賞で大外をぶっこ抜くと、人が変わった、いや馬が変わったようになり、世界チャンピオンまで登り詰めてしまったのだから分からないものだ。今年もこんな馬が混ざっているのだろうか(たぶん混ざってない)。

 レースにいってみたい。
 本命は◎タガノブルク。このレースでの3歳馬の成績はイマイチだが、これは出走頭数が少ないため。力のある馬が出てくれば勝負になる。タガノブルクは前走が示すように3歳のマイル戦線では一線級の実力の持ち主。血統的に早熟かもしれないが、枯れてしまうにはまだ早かろう。
 もう一頭の3歳馬、ショウナンアチーヴが同枠に入ったのは何かのサインか。こちらも3歳の中ではトップクラスの実績馬。というわけで馬券は枠連で勝負する。買い目は絞りたい。
 推奨穴馬は新潟得意のサンレイレーザー

 阿蘇Sは重馬場を見込んで◎ナリタスーパーワンを本命に。

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【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...