2012年6月22日金曜日

米子ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 夏の阪神開催もいよいよ最終週。来週からは本格的に夏競馬に突入する。夏に向けて弾みをつけるためにもばっちり的中させて、春競馬を締めくくりたいところだ。

 土曜の阪神メインは米子ステークス。オープン特別のハンデ戦という、いかにも土曜のメインらしいレースだ。
 ところで米子とは、鳥取市と並ぶ鳥取県の拠点都市の一つだが、私は行ったことがない。一方の鳥取市には、何度か行ったことがある。私の父が兵庫県但馬地方の出身で、そこから少し足を伸ばせば鳥取である。かつてはそこに私の祖父母が住んでいて、夏休みに海水浴、砂丘、こどもの国などに連れて行ってもらった。こどもの国とは懐かしい。まだあるんだろうか思って調べてみると…あるある。元気に営業中のようだ。

こどもの国

 ウェブサイトを見てみると…、おお、こんなに広かったかなあ。アスレチックのようなところで遊んだ記憶しかないが、もう35年近く前の話だから、いろいろ変わっているのだろう。

 さて、競馬どころか、米子とすら関係のない話はこれで終わりにして、予想にいってみたい。
 オープン特別にしては、なかなかのメンバーが揃った。ここをステップに、新たにできたサマーマイルシリーズを狙おうという面々だ。
 その中から、本命は◎エアラフォン。休み明けだが、鉄砲はききそうだし、何よりもこの時期に強い。5~7月の成績は3-0-0-0だ。鞍上のウィリアムズは今週で免許が切れる。最終週も大暴れを期待したい。
 推奨穴馬は2連勝中と勢いに乗るノーブルディードと、7歳にして一皮むけた感のあるタガノエルシコ

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書評 冲方丁『天地明察 上・下』(角川文庫)

 単行本が出たときから読みたかったのだが
「文庫が出るまで待つべし」
というわが家の家訓に従い、文庫化を待っていた。待った甲斐のある面白さだった。
 まっすぐ、さわやか、爽快。そんなイメージに満ちあふれた、元気の出る小説だ。

 主人公は渋川春海という江戸時代の碁打ち。しかし彼が生涯をかけたのは、碁ではなく「暦(こよみ)」だった。彼は、新しいカレンダー作りに一生を捧げたのだ。
 碁打ちの家に生まれた自分の人生に対する煩悶(当時、囲碁は世襲制だった)、算術へのあこがれ。そんなこんなで悶々とした生活を送っていた春海のところに、天体観測隊への参加が命じられる。それを端緒に、ついに新しい暦を作り上げるまでの過程をさわやかに綴ったのが本書である。

 暦、囲碁、算術、それぞれにまつわるストーリーが展開され、それらが互いに絡み合いながら重層的に物語は進んでいく。暦も囲碁も算術も、どれも魅力的に描かれているところがすごい。
 脇役たち(おそらく、ほとんどは実在の人物)も個性的で、私は本因坊道策の人物像が特に好ましかった。ちなみに道策は実在の人物で、囲碁史上に残る天才棋士である。

 本書を読んで、改めて「人の縁」の大切さ、温かさを感じた。本書に出てくる人の縁にも、友情、愛情、尊敬、ライバル、家族といろいろあり、それぞれがしみじみと滋味深い味わいをかもし出しているのだが、本書の主題となる人の縁は「人を見込む」ということだろう。

 春海は、上司、師匠、同世代の天才などに「こいつなら」と見込まれ、彼らの力も借りながら人生を切り拓いていく。自らの力でばく進していくスーパーマンの物語も一興だが、第二次ベビーブーム世代の私にとっては「見込まれ」を推進力に進んでいく春海の姿に共感を覚える。私と同世代の人には
「あの人が私を見込んで引っ張り上げてくれたから、いまの自分がある」
という経験のある人も多いだろう。(揺れ動く時代ではない)安定した社会で道を拓いていくには、こうした「見込まれ力」が必須だと思う。

 しかし私ももうすぐ40歳。
「最近、見込んでもらえないなあ」
とスネるには歳を取りすぎた。そろそろ「見込まれる」ほうから「見込む」ほうに回る年代になったのかもしれない。




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2012年6月19日火曜日

書評 芥川龍之介『羅生門・鼻』(新潮文庫)

 私は「古典」と呼ばれる小説はどうも苦手なのだが
「そういえば、芥川先生の本はチャレンジしたことがなかったなあ」
ということに気づき、おそらく高校の国語の教科書で触れて以来となる芥川小説を読んでみた。
 結論から言うと、思いのほか面白かった。日本文学史上に残る芥川先生をして「思いのほか」などとは不遜もいいところだが、率直な思いである。ようやく、こういう小説の面白さが分かるようになってきたのか、それとも食わず嫌いだったのか。

 本書は、中世を舞台にした小説を集めた短編集。なので、それが書かれた時代(昭和初期)の世相と、中世の時代背景をある程度は知らないと、その真髄は分からないのかもしれないが、私なりに楽しめた。
 前提知識はそれほど必要なく、普遍的な面白さが散りばめられているということなのだろう。京都が舞台だということも、私にとっては読みやすかった要因の一つだと思う。

 前述のように、芥川小説は学校の教科書でチラチラ読んだ程度なので、漠然とした印象しかもっていなかった。今回、改めて読んでみて感じた印象は
「なかなかシュールやなあ」
というところだ。仏教の思想に裏打ちされた、ちょっとシニカルで「無常」なストーリーが展開される。
「ちょっと死んでみます」
と言って自殺してしまった芥川さんの世界観が、少し見えた気がした。

 しかし「邪宗門」が未完だったとは、ズッこけた。
「いったい、この後どうなるのだろう(ワクワク)」
というところで、終わってしまう。芥川先生の頭の中では、ストーリーの骨子はできていたのだろうか。そうではなく、ちょっと話の収拾がつかなくなってしまった感じがしないでもない。




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2012年6月17日日曜日

2012マーメイドS、函館SS、水無月S 予想の回顧

 土曜は水無月ステークス。
 本命の◎シルクウェッジは、4コーナーで前を射程圏に捉え、直線半ばで抜け出すも、エーシンヒットマンにかわされて2着。馬券は獲ったが、トリガミ…。

 日曜のマーメイドステークスの本命は◎ベストクルーズ。好スタートを切ったのだが、道中で少し揉まれ、だんだんと位置取りを下げざるを得ない展開になってしまった。直線ではしぶとく伸びたが、もともとそれほど切れる馬ではないこともあり、6着まで。もう少し前で競馬ができていれば…。

 函館SSは◎ロードカナロアが直線で前がふさがり、外へ出して猛追するも2着まで。祐一ジョッキーはちょっとヘマった感じだったが、負けて強しの内容だった。外人騎手や地方出身騎手なら、こういうときでも強引に間を割って出てくるのかなあ。
 馬券は本線で的中したが、330円とは…。もうちょっとつくと思っていたのだが、誤算だった。

 堅く収まったレースとはいえ、3戦2勝は偉い、ということにして来週の宝塚記念に向かいたい。

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2012年6月16日土曜日

2012マーメイドS、函館スプリントS オレの予想を聞いてくれよ

 今週は阪神と函館で重賞が行われる。
 阪神ではマーメイドステークス。比較的新しい重賞である…と思ったらもう17回目ですか。どこが新しいねん。
 かつては別定戦で、牝馬の一線級がここをステップに宝塚記念へ向かったりしていたものだが、ハンデ戦になってからは、いかにも「牝馬ハンデGIII」的なレースとなった。今年もそんな感じのメンバーが揃った。

 1番人気はグルヴェイグか。お母さんのエアグルーヴは、かつてこのレースをステップに、その年の天皇賞秋を制した名牝だ。親娘制覇なるかに注目が集まる。
 という前振りとは関係なく、本命は◎ベストクルーズ。思い切って穴を狙ってみたい。準オープンクラスで勝ちきれないレースを続けている馬だが、逆に言えば相手なりということ。阪神は得意だし、父はクロフネだから重馬場もよさそう。器用なレースぶりから、内回り2000 mは最適の舞台だろう。激走を期待したい。
 推奨穴馬は、前走1000万クラス勝ちの軽ハンデ馬2頭、クリスマスキャロルタイキエイワン。50 kgで大駆けがないか。

 函館スプリントステークスはロードカナロアで仕方ないだろう。高松宮記念で本命に推したこともあり、ここも中心視する。

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2012年6月15日金曜日

2012水無月ステークス オレの予想を聞いてくれよ

 今週から福島開催が始まるが、阪神は3週目、函館は2週目。このズレは何とかならんもんか。気持ち悪くて仕方がない。

 恒例のカレンダー批判はこれくらいにして、今週は水無月ステークス。以前はダートのレースだったような気がするのだが、いつの間にか芝になっていた。少なくともここ5年はずっと芝だから、私の記憶は(いつものことながら)かなり昔のもののようだ。

 ところで、水無月とは旧暦で6月のことだ。5月の「皐月」賞はGIのクラシックレースだから、同じ「旧暦レース名シリーズ」でもずいぶん扱いが違うものだ。しかし、どうして梅雨の6月が「水無」月なのだろうか。おそらく、旧暦の水無月はいまの6月ではなく、7月あたりだったのかもしれない。

 レースとは関係のない話はこれくらいにして、予想にいってみたい。
 印はエーシンヒットマンに偏っているが、それほど差はなく、上位拮抗という印象。あえてエーシンヒットマン以外の馬から入りたい。
 というわけで本命は◎シルクウェッジ。ハンデ戦の前走こそ人気を裏切ったが、このクラスの上位常連馬。好調福永を鞍上に迎え、定量戦のここは、巻き返してくれるだろう。
 少頭数なのでそれほど荒れないとは思うが、あえて推奨穴馬を挙げるならウインバンディエラ。このクラスに昇級してから2回走ったが、いずれも差のない時計で走っている。クラス3走目で大駆けがあるかも。

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書評 片瀬京子とラジオ福島『ラジオ福島の300日』(毎日新聞社)

 2011年の震災後の、ラジオ福島の社員たちの苦闘を描いた本。地震発生直後から、ラジオ福島がどのような報道を行ってきたかが克明に記されている。

 震災直後は、安否情報や日用品の入手できる店の情報などを中心に、事故に直結した報道がなされる。それが落ち着いてきたところに、原発事故の問題が持ち上がる。
 その間、何を、どのように伝えればよいのか、社員たちは苦悩する。視聴者から寄せられる情報に対して、どこまで裏を取ればよいのか。原発事故について、どのような姿勢を取るべきなのか。さまざまな問題点が噴出する。
 そのようなラジオ福島の苦闘が、社員たちの実名を挙げながら描かれている。マスコミの役割を根本から問いただされるような事態に面した社員たちが、どのような思いで放送を続けたのかがひしひしと伝わってくる。

 そういった様子が、淡々とした文章で綴られているところも本書の特徴の一つだ。変に力を入れすぎず、事実をできるだけ客観的に伝えようとする姿勢が見られる。これは、著者の片瀬さんが、福島在住の直接の被災者ではなく、取材によって本書を著していることとも関連があるのだろう。
 ただ、私にはこれが少し物足りなく感じた。あまりにも淡々としすぎていて、臨場感にやや欠けるように思った。ただしこれは、私が関西にいて、被災の現場の雰囲気から遠いところにいることが大きいと思われる。

 マスコミというものの本来の役割を考え直し、ネット時代の現代において、マスコミはどのようなかたちで報道を行うべきかを考えるには非常に参考になる本である。




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【読書メモ】東野圭吾『あなたが誰かを殺した』(講談社)

 加賀刑事シリーズ、最新第12作。娘が学校の図書館で借りてきてくれたので、文庫化前に読むことができた。  このところ、加賀の人生に絡んだ話が多かったが、シリーズの原点回帰。加賀は探偵役に徹して事件を推理する。いかにもミステリーなミステリー小説だ。  別荘地で起きた連続殺人事...