いま「日本人」と呼ばれている人たちは、どのように形成されたのか。もちろん以前から研究されてきたテーマだが、近年になってDNA解析という武器が加わった。現代人のDNAはもちろん、古代人のDNAも解析し、進化の過程をたどる。
これまでの定説であった「まず縄文人がホモサピエンスとして最初に日本にやってきて、そこに稲作技術を携えた弥生人が渡来し、混血していった結果が現代の日本人である」という説はおおむね正しいことが、DNA解析からも裏付けられた。
ただ、「渡来」は大きく2回あったのではないかと、本書で斎藤氏は主張している(うちなる二重構造モデル)。近縁である二つの種族が時期を分けて渡来したのではないかというのだ。
一度目は東南アジアから「海の民」が渡来してきた。彼らが稲作技術を持っていたかどうかは微妙だそうだ。二度目は中国、韓国から稲作技術をもった種族が渡来した。そのため日本の中心部(関東から九州へのベルトライン)と周辺部(東北、日本海側、四国)では遺伝的な違いが見られるというのが斎藤氏の説だ。天孫降臨は、海の民がいる地域への、第2波の渡来を象徴しているという。
しかし、縄文人がどこから来たかなど、まだ分かっていない肝心なことも多い。これからさらに研究が進み、さらなる事実が明らかになっていくだろう。
意外な人種が日本人と近縁だったりするのかもしれない。
にほんブログ村
登録:
コメントの投稿 (Atom)
【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)
2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。 スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。 スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...
-
さて、いよいよ「なんば」の謎に迫っていこう。 といっても「なんば」の意味自体は謎でもなんでもなく、要するにネギのことである。いったい、前回の長い前振りは何だったのだろうか…。 要するに、「鳥そば」といえば鳥肉入りのそば、「鳥なんばそば」といえば鳥肉とネギの入ったそばを意味す...
-
わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。 家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人。 娘は中間テストが終わって部活モードに復帰。息子は相変わらず週末は野球三昧。 10月12...
-
2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。 2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆ 福知山マラソン5週前。気温が下がり、ようやく日中に普通に走れる...
0 件のコメント:
コメントを投稿