2023年1月17日火曜日

【読書メモ】湊かなえ『落日』(ハルキ文庫)

 一人称を入れ替えるいつもの手法で、ずぶずぶと人間の闇をえぐり出す。
 今回の一人称は、映画監督と脚本家。映画監督の幼少期からの人生をたどる「エピソード」と、脚本家の現在を描いた「章」が交互に配置される。
 最初は全く関係なかった二つの話が、徐々に絡み合い、最後にはすべてが結びついて大団円。見事に話しが閉じる。

 湊小説にしては、ブラック指数は控えめ。とはいえ、これだけブラックでも「控えめ」の評価になるところが、湊小説の恐ろしさかもしれない…。

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