2014年11月16日日曜日

【予想の回顧】エリザベス女王杯、福島記念、デイリー杯2歳S、武蔵野S(2014)

 京都のメインはエリザベス女王杯。本命◎ショウナンパンドラはポンと出たが後ろからになってしまった。スローペース見込みだったので
「後ろすぎないか…」
と心配していると、4コーナーでは馬群がダンゴに。浜中騎手は内を突きたかったのだろうが、これでは無理。スムーズに外には出せたのだが、内を走った馬が上位を占める流れでは6着まで。前につけたかった。
 ラキシス、ヌーヴォレコルトと、内をスイッと抜けてきた馬が1、2着を占めた。今年のGIは「内を通る」ことが勝利の条件になる展開が多い。来週も頭に入れておきたい。
 そういう意味では、外から追い込んで3着に入ったディアデラマドレは強い競馬だった。もう目が離せない。

 福島記念は◎アロマカフェの末脚が不発に終わり、6着。見せ場がなかった。

 土曜は京都でデイリー杯2歳S。◎ケツァルテナンゴが折り合いを欠き、6着。気性の成長が待たれる。

 東京では武蔵野S。こちらは◎エアハリファが好位追走から直線半ばで抜けだして勝利をものにした、と思ったところに飛んできたのがワイドバッハ。最後はワイドバッハが半馬身かわしたところでゴール。
 馬券は馬連を厚めに押さえていたのでけっこう浮いた。

 今週は4戦1勝だが、そこそこついたのでトータルもトントンだった。

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2014年11月15日土曜日

【予想と与太話】エリザベス女王杯、福島記念(2014)~今年も再び~

 今週は、7週連続GIの初戦、エリザベス女王杯。その昔、エリザベス女王が来日したのを記念して、このレース名になった。女王は大の競馬好きで、昨年、所有馬がGIを制したのは記憶に新しいところ。女王の馬が日本に遠征してきたら盛り上がるだろうなあ。

 レースにいってみたい。
 例年通り、3歳か古馬か、どちらを取るか悩ましい。普通に考えれば、ここを一番の目標にしている古馬が有利だ。しかし実際は、秋華賞でピークに仕上げた3歳馬が、疲れをものともせずここでも激走するパターンが多い。昨年、もう上がり目はないと見られていたメイショウマンボが勝ったのが代表例だ。
 今年もこのパターンになると見て、本命は◎ショウナンパンドラ。前走のGI勝利がフロックなのかどうか、今回で明らかになるだろう。休み明け4走目だが、月に一度の出走ペースを守っており、まだ上積みが見込めそうという中間のコメント。2年連続での秋華賞馬の戴冠を期待したい。課題は距離延長と長い直線か。
 推奨穴馬は1枠の2頭、ラキシスフーラブライド。ともに叩き2走目の実力牝馬が怖い。もう一頭、大穴ならオメガハートロック。長期休養明け2走目で激走があるかも。

 福島記念は◎アロマカフェ。3歳時にラジオNIKKEI賞を制したこの地で、最後にひと花咲かせたい。

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2014年11月14日金曜日

【予想と与太話】デイリー杯2歳S、武蔵野S(2014)~初重賞制覇なるか~

 今週から有馬記念まで、GI七連戦。好スタートを切りたいところだ。
 そんな土曜の京都メインはデイリー杯2歳ステークス、東京メインは武蔵野ステークスである。

 デイリー杯は長い間、その世代の最初のGIIだったのだが、2歳戦線の番組変更に伴い、京王杯にその座を譲ることになった。何だか残念だが、こんなことを残念に思っているのは私だけかもしれない。
 デイリー杯は「デイリースポーツ」の名前を冠した競争である。デイリースポーツは神戸新聞の発行するスポーツ紙で、阪神タイガースを応援するための新聞である。シーズンオフも連日、阪神の話題で紙面が埋まっている。このレースに、ぜひトラキチシャチョウに出てもらいたかった。

 この時期の2歳戦はワケワカメなので、予想は武蔵野Sを中心に。
 今年から東京中日の冠がついたこのレース。チャンピオンズCの前哨戦のわりには手薄なメンバー構成か。それなら本命は◎エアハリファ。左回りのダートは2-1-0-0で休み明けも得意。最内枠はちょっと誤算だが、このメンバーなら。初重賞制覇を期待。
 推奨穴馬はトウショウフリーク。前走の大敗で人気を下げそうだが、休み明けは大の得意。

 デイリー杯2歳Sは◎ケツァルテナンゴが本命。

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2014年11月10日月曜日

書評 落合博満『采配』(ダイヤモンド社)

オレ流采配は、実は普通の采配だった


 落合氏がドラゴンズの監督を退任直後に、8年間の監督生活を振り返りつつ、選手の育成法や常勝チームの作り方などについて語った本である。
 落合氏の指導法や采配は「オレ流」と呼ばれ、慣例にとらわれない斬新な発想によるものだと思われている。しかし本書を読むと、このオレ流が突飛な発想ではなく、むしろ当たり前のことのように思えてくる。
 川崎投手の開幕投手抜擢、完全試合目前の山井投手の交代劇などなど、オレ流の例はいくらでも出てくるが、それぞれにちゃんとした根拠があるのだ。本書でその根拠がていねいに説明されているので
「なるほどなあ」
と感じると同時に
「オレ流って、むしろ普通じゃん」
と思えてしまうのだ。

 オレ流の人の育て方の極意は
「自分で考えることのできる選手にする」
ということに尽きる。当たり前といえば当たり前のことなのだが、かといってなかなかできることではない。指導者はえてして、自分の成功手法を持ち出して、選手に手をさしのべてしまいがちだ。人を育てる(率いる)立場の人には思い当たる節があるだろう。
 しかし落合氏は「自分で考えさせる」ことを徹底する。そのため「冷たい」という印象を持たれてしまうのだろう。だがこれは反対で、手取り足取り指導することはむしろスポイルであり、突き放して自分で考えさせることが本当の愛情なのだということがよく分かる。
 この指導法は、最近読んだ森繁和氏の『参謀』に書かれていることと全く同じである。監督である落合氏と、その腹心である森氏の考え方に全くズレがないのだ。こういう組織は強い。部長と課長の考え方が違う組織などは、歯が立たないだろう。8年間で4回優勝という圧倒的な実績が、その証拠である。

 しかし私が最も印象に残ったのは、指導法や采配ではなく、最後の節に書かれていることだった。
「仕事の成果と幸せにに生きることは、別軸で考える」
というタイトルの最終節が心に響いた。
「自分の人生、自分で責任を持って、自分で考えろよ」
と言われたような気がした。



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2014年11月9日日曜日

【予想の回顧】みやこS、アルゼンチン共和国杯、ファンタジーS、京王杯2歳S(2014)

 日曜は京都でみやこS。
 本命◎ナムラビクターは先行集団を見る外の位置をキープ。3コーナーから得意の外マクリを決め、直線半ばで先頭に立ったが、後ろから来た1、2着馬にかわされて、惜しくも3着。結果論になるが、先頭に立つのが少し早かったか。
 1着のインカンテーション、2着のランウェイワルツは展開が向いた感。次走では過信は禁物かも。

 東京ではアルゼンチン共和国杯。
 ◎フェイムゲームは中団馬群の後方のインを追走。4コーナーもラチ沿いを回り、ラスト250 mで外に持ち出して前をかわしてゴール。2馬身半差の完勝だった。次走はJCか。一発があるかもしれない。
 2着に、前に行ったクリールカイザーが残り、馬連を取った。

 土曜は京都でファンタジーS。
 ◎ダノングラシアスは中団のやや後ろ。直線では窮屈なところを抜けてきて前の馬を追ったが、半馬身差まで迫ったところがゴール。スムーズにさばければもう少し際どかったかもしれない。
 勝ったのは最低人気のクールホタルビ。前走の大敗で評価を下げていたが、最低人気とは。
 馬券はクールホタルビを押さえておらず、ハズレ。

 東京では京王杯2歳S。
 ◎ロンバルディアが直線入り口で早くも脱落。ブービー(最下位の馬は故障だったので実質最下位)に終わった。何かあったのか。

 今週は4戦1勝。他もチョロッと当たり、チョロ負け。大負けよりはよいのだが、スカッと勝ちたいものだ。

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2014年11月8日土曜日

【予想と与太話】みやこS、アルゼンチン共和国杯(2014)~安定感を買う~

 今週はGIはひと休み。京都でみやこSが、東京でアルゼンチン共和国杯が行われる。
 みやこSはJCダート(今年からチャンピオンズC)の前哨戦として作られた重賞で、今年で5回目。以前はオープン特別だったのが、重賞に格上げされた。
 重賞格上げ後はトランセンド、エスポワールシチー、ニホンピロアワーズ、ローマンレジェンドなどのGI馬を輩出し、レベルの高いレースとなっている。今年も実績馬と登り馬が入り混じり、今冬のダートGI戦線を占う一戦になりそうだ。

 レースにいってみたい。
 古豪ニホンピロアワーズに、これからGIを狙っていこうという登り馬が挑戦するという構図。本命は◎ナムラビクター。重賞を含む7勝の実績はここでは上位。ダートで掲示板を外したのは1回だけという実力馬だ。ここを勝って、胸を張ってGIへ。
 推奨穴馬はサトノプリンシパル。いまいち期待に応え切れていない現状だが、人気の下がったここでポンとハナを切れれば。

 アルゼンチン共和国杯は◎フェイムゲームを狙う。こちらの推奨穴馬はラブリーデイ

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2014年11月7日金曜日

【予想と与太話】ファンタジーS、京王杯2歳S、京都ジャンプS(2014)~外回りに変わって~

 今週から開催が変わり、京都競馬もラスト4週。早いものだ。
 GIは一休みだが、今週は土曜に三つ、日曜に二つ、合計五つの重賞が行われる。こんな週も珍しい。来週からのGI七連戦に向けて弾みをつけたいところ。

 そんな土曜は京都でファンタジーSと京都ジャンプSが、東京で京王杯2歳Sが行われる。しかし
「同じ日に同じ距離の2歳重賞をしなくてもいいのに」
と思うのは私だけだろうか。
 ファンタジーSは「KBS京都賞」の冠がつくレースである。KBS京都は土曜競馬を中継している京都のローカルテレビ局だ。今でこそ土曜の15:00~16:00しか中継していないが、かつては午後のレースをすべて生中継していた。私も、昼飯を食べながら『バラエティー生活笑百科』を見て、12時半からKBSの競馬中継という生活パターンを長らく送っていた。懐かしいなあ。今いくよ・くるよのコンビが千代原口交差点の工事のCMをずーっとやっており
「いつになったら工事が終わるのか…」
と思っていたものだが、数年前に完成したようだ。

 レースにいってみたい。
 今年は例年にもまして1勝馬が多い印象。どこからでも入れそうだ。本命は◎ダノングラシアス。前走は追い出しを待たされた分だけ届かなかったが、いい末脚を見せた。外回りに変わってさらに前進を期待したい。
 推奨穴馬はニューエディション。前走が好時計だった。

 京王杯2歳Sは◎ロンバルディアが本命。2走目の上積みで逆転まで。

 京都ジャンプSは障害3走目でまだ上積みが見込める◎トウカイルーチェを狙う。

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2014年11月6日木曜日

書評 東野圭吾『怪しい人びと』(光文社文庫)

たしかに「怪しい」。しかし、わざとらしい怪しさではないところが、さすが東野氏。


 1998年に刊行された、東野氏の初期の短編集。いずれも一人称で語られる、ミステリー色の濃い短編が七つ収められている。各話には「怪しい人」が出てきて、もちろん事件の鍵を握っているのだが、この怪しさが自然というか何というか、わざとらしくない怪しさなのだ。そのため
「何がどうなったんだろう」
とついつい読んでしまう。

 いかにも怪しい人びとを登場させて、いかにもミステリーな舞台を構築し、読者をグイグイ引き込む古典的なミステリーもいいが、それとはちょっと違う。
「ん? なんかヘンだなあ…」
という感じなのだ。
 それでいて「引き」が弱いことはなく、ページをめくる手が止まらない。あっという間に読み終えてしまった。

 東野氏の作品は、毎度毎度あっという間に読み終えてしまうので、コストパフォーマンスが低いのが難点だ…。



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2014年11月3日月曜日

娘(小1)のピアノの発表会

 先日、娘(小1、6歳)のピアノの発表会があった。娘は今年の春からピアノを習い始めたので、ピアノ歴は約半年。初めての発表会だ。
 曲目はアントレ。数ヶ月前から練習を重ねていた。最初はうまく弾けずにグズることもあったのだが、じきにひと通り弾けるようになり、最後は「聴かせる演奏」を意識できる程度になった。とはいえ、ノーミスで弾き終えられることは少なく
「こんなんで大丈夫なのかなあ」
と親は少し心配していた。

 そして本番。娘は下っ端なので2番目の演奏だ。1番目の子がたどたどしい演奏をしてくれたので、ちょっとホッとした。「みんな、完全な状態で出てくるのかも」と考えていたのだが、そうではないらしい。
 いよいよ娘が登場。


少しミスはあったが、上手に弾き終えた。よくできました。一生懸命、練習した甲斐があったね。
 後で聞くと
「別に緊張せんかったで」
とのこと。鈍感なのか剛胆なのか微妙なところだが、練習を積んで自信があったのだと、前向きに解釈しておこう。それとも、本人がそうとは認識していないだけで、それなりに緊張していたのかもしれない。私も、このくらいの年の頃はそうだったように思う。


 いままでは私が学生時代に買ったキーボードで練習していたのだが、これを期に電子ピアノを買おうと思う。楽譜も読めるようになってきて、かなり一人で練習できるようになってきた。両親の厳しい指導にもめげず、よく頑張っている。自分でやると言い出したことを続けていこうという姿勢は、おおいに評価してあげたい。

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2014年11月2日日曜日

【予想の回顧】天皇賞・秋、スワンS、アルテミスS(2014)

 天皇賞・秋は予想に反して良馬場で行われたため、本命をエピファネイアからフェノーメノに変えた。そのフェノーメノは中団の後ろにつけた。4コーナー手前から外に持ち出すが、直線は不発で14着に終わった。直線入り口で同じような位置にいた馬が勝ったのだから、流れもそれなりに向いたはず。何かあったのだろうか…。
 勝ったのはスピルバーグ。後方待機から外に持ち出して一気に差しきった。昨年のジャスタウェイを思い起こさせる勝ちっぷりだった。名門、藤沢厩舎が久々のGI制覇。今後が楽しみだ。

 土曜は京都でスワンS。
 ミッキーアイルが控えたため、本命のベルカントがハナを切った。「シメシメ」と思っていたのだが、3コーナーでミッキーアイルが先頭に立つという変則的な流れになり、早々に手応えをなくして7着に惨敗。リズムを狂わされたか。
 勝ったミッキーアイルは強かった。序盤は控える競馬を試したのだろう、ハナを譲ったのだが、押さえきれなくなったのか3コーナーで先頭に。直線では前に行った馬が失速するなかで、最後まで先頭を守りきった。マイルCSの1番人気は確定か。

 東京ではアルテミスS。
 本命◎レッツゴードンキは直線で窮屈になりながらもグイグイ伸びて2着に差し込んだが、1着のココロノアイを押さえておらず、馬券はハズレ。

 今週も3戦3敗。他がチョロチョロ当たっているので惨敗は免れているが、パッとしないなあ…。

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2014年11月1日土曜日

【予想と与太話】天皇賞・秋(2014)~消去法で…~

 今日は所用があるので手短に。
 今週は天皇賞・秋。下半期の三大GI開幕戦だ。このレース、外枠が不利なのは周知の通り。この10年、8枠からの連対はなし。7枠で連対したのもゼンノロブロイ(2回)、ダイワメジャー、ウオッカと超のつく一流馬ばかり。それも6年前以前の話で、ここ5年は7、8枠は連対していない。いかに不利かが分かる。

 有力馬は4頭で、そのうち3頭は休み明け。それなら3歳でもイスラボニータを狙おうと思っていたのだが、痛恨の外枠。評価を下げる。
 すると浮上するのがフェノーメノ。まずまずの枠を引いたし、休み明けは得意。これを本命に…と思っていたのだが、天気は雨模様。これも評価を下げる。
 残る2頭のうち、ジェンティルドンナは絶好の最内枠を引いたのだが、宝塚記念9着という成績が気にかかる。宝塚記念からの直行組で結果を残した馬は、いずれも掲示板は確保していた。また、この馬も渋った馬場が得意とは思えず、評価を下げる。
 となると残るのが◎エピファネイア。海外遠征明け初戦というのはやや気がかりだが、角居厩舎ならしっかり仕上げてくれないか。菊花賞馬だが、距離はむしろこれくらいのほうがよさそう。その菊花賞勝利が不良馬場でのもの。馬場も向きそうだ。他の馬の脱落により、押し出された本命というのがどうもパッとしないが…。
 推奨穴馬はデニムアンドルビー。重馬場は鬼かも。

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2014年10月31日金曜日

【予想と与太話】スワンS、アルテミスS(2014)~天気を味方につけるのはこの馬~

 せっかくの三連休なのに雨模様。わが家もいくつか用事があるので、あまり派手に降らないでもらいたい。予想も、雨を考慮する必要がありそうだ。

 そんな土曜は京都でスワンSステークスが、東京でアルテミスステークスが行われる。
 スワンSは今回で57回目を迎える伝統のGII。かつてはマイルCSに直結するメイン前哨戦だったのだが、このところは毎日王冠や天皇賞・秋に押され気味で、かなり影の薄いレースになっていた。
 しかし一昨年はグランプリボスが、昨年はダイワマッジョーレがここをステップに本番で2着に入り、復活の兆しを見せている。さて今年はどうか。

 レースにいってみたい。
 最近の傾向通り、やや薄いメンバー構成。バリバリのGI級はいない。それなら3歳のミッキーアイルが人気するのも頷けるのだが、斤量は57 kg。さらに明日は馬場が悪化しそう。不良馬場の安田記念で惨敗したのは記憶に新しいところ。評価を下げる。
 本命は◎ベルカント。こちらも3歳馬だが斤量は53 kg(牡馬に換算しても55 kg)。前走のスプリンターズSではラスト150 mあたりで先頭に立ち、あわやの場面を作った。1400 mの重賞を二つ勝っており、距離延長はむしろよさそう。ミッキーアイルに行くだけ行かせて、番手から抜け出してほしい。
 推奨穴馬はアフォード。重馬場は得意。展開が向けば怖い。

 アルテミスSはどこからでも入れそうだが、本命は◎レッツゴードンキ。札幌2歳Sで3着は実績上位。岩田はこの馬のために東京に行くのだろうか?

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2014年10月29日水曜日

書評 朝井まかて『先生のお庭番』(徳間文庫)

ほんわか人情小説と思わせておいて…。ニクい。


 舞台は江戸時代の長崎、出島。鎖国の世にあって、外国人の活動が許された人工島だ。タイトルの「先生」とはシーボルトのこと。そのシーボルトの館の庭師として仕えることになった熊吉が主人公である。

 物語はシーボルトと熊吉の出会いから始まる。下働きとして恵まれない生活を送っていた熊吉が、気むずかしくも優しいシーボルトと、遊女上がりの奥方と出会い、関係を紡いでゆく。
 ビクビクしつつも懸命に働き、「先生」や奥方に認められ、人生を切り開く熊吉。出島の人たちと熊吉の暖かい交流の様子に心が和む。
「なるほど、ほんわかした、よい話だなあ」
と浸っていたのだが、後半は一転、怒濤のような展開に。あれよあれよという間に読み終えてしまった。朝井氏の小説は初めてだったこともあり、見事にしてやられた。

 とはいえその本質は人情小説であることに変わりはない。人情とは、ほんわかしたものだけではない、ということなのかもしれない。



2014年10月28日火曜日

書評 森繁和『参謀』(講談社)

落合ドラゴンズの懐刀が、選手育成法、人の育て方の極意を語る。


 落合監督がチームを率いた8年間で、ドラゴンズは何と4回の優勝を飾っている(すごい!)。しかも、残りの4年間も全てAクラス。この超黄金時代をコーチとして支えたのが森氏である。投手コーチ、バッテリーコーチ、ヘッドコーチを歴任し、落合監督の懐刀として政権を支えた。
 その名コーチが選手の育て方、すなわち人の育て方を語ったのが本書である。

 とはいえ、そこには「目から鱗」の指導法が書かれているわけではない。森氏の指導の基本は
「自分で考えられる選手を育てる」
ことに尽きる。
「そんなん当たり前やん」
と思う事なかれ。私も現在子育て中なのだが「自分で考えられる」ように育てることがいかに難しいか実感している。ついつい、あれこれ指図してしまうのだ。子育て経験者には共通の悩みではないだろうか。
 しかし森氏はこれを徹底する。もちろん
「それができない選手は去っていくのみ」
というところが子育てとは違うのだが、それでもなかなかできるものではない。人を育てるにあたっての心構えを教えてもらった。

 その他にも、完全試合目前の山井投手交代の真相や、吉見、浅尾をはじめ、大野など、前評判がそれほど高くなかった選手が次々と台頭する理由、ドミニカの格安選手たちが活躍するわけ、アラ・イバのコンバートの目的など、常勝ドラゴンズの秘密が次々に開示される。プロ野球ファンには垂涎の一冊だ。

 興味深かったのは、落合監督と森氏は、ドラゴンズ以前には接点がほとんどなかったことだ。森氏は西武、ロッテ、日ハム、横浜のコーチを歴任したのだが、目を見張るような実績を上げてきた訳ではない。
 この両者を引き合わせたのは「球界の寝業師」と言われた根本氏だったそうだ。根本氏のもくろみ通り、森氏は落合監督の下で、名参謀としての評価を確立した。森氏が多くの投手を育てたように、落合監督が森氏の能力を存分に引き出したのだ。
 落合監督が森氏をどのように扱って能力を引き出したのかも、随所に書かれている。中間管理職であるコーチをどのように使えば組織が活性化するかがよく分かった。ボスにあたる社長・部長にもおおいに参考になるだろう。しかし私はそのような立場にないので、それを生かせないのが残念だ…。




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2014年10月27日月曜日

書評 小川一水『コロロギ岳から木星トロヤへ』(早川書房)

SFとしての舞台設定が秀逸。SFの入門書にお勧め。


「まさにSF」であり、かつ「SFに慣れていない人にも読みやすい」。この両立不可能と思える二つのことが実現されている小説だ。
 SFというからには、まずSF的な舞台・世界を設定する必要がある。「宇宙人が来た」なんてのが分かりやすい例だ。この舞台設定で、その作品の面白さの大半が決まってしまうと言ってもよいかもしれない。設定された舞台に入り込めないSFほど、読んで苦痛な本はないだろう。

 小川氏の小説は『太陽の簒奪者』に続いて二作目だったのだが、両作品とも舞台設定はSFの王道である。「宇宙から未知の生物がやってくる」というのが、その共通点だ。まさにSF的な舞台設定であるといえよう。
 SFに馴染めない人は
「そんな、あり得ない舞台を設定されてもねえ…」
という拒否反応を示すのだろうが、小川氏の手にかかると、そういう舞台についつい入り込んでしまう。ラノベ的な要素も持った軽い語り口で、スルスルと読めてしまうのだ。

 ソフトに読めるハードSFとでも言えばよいのだろうか。いまの時代にとてもよくマッチした書き手である。SFの世界への入り口に、ぜひお勧めしたい作家であり作品。

追記:『太陽の簒奪者』は小川氏ではなく野尻抱介氏の著作でした。すみません。小川氏の作品は『第六大陸』に続く二作目でした。記憶力の低下を激しく感じます…。




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2014年10月26日日曜日

【予想の回顧】菊花賞、富士S、室町S(2014)

 今週は菊花賞。
 本命◎ワンアンドオンリーは少し押して好位を取りに行った。それほどかかっているようには見えなかったので、シメシメの展開だ。そのまま最終4コーナーまではジッと我慢して、直線入り口まで持ったまま。「勝った」と確信したのだが、いざ追い出すとジリジリになり、最後は馬群に飲み込まれて9着。外枠があだになり力んだのか、それとも距離の壁か。ノリ騎手はうまく乗ったように見えたのだが…。
 勝ったのはトーホウジャッカル。デビューからの最短日数での菊花賞勝利となった。2着にサウンズオブアースが入り、内枠の2頭が上位を占めた。トーホウジャッカルには、菊花賞馬としてぜひ今後も強い競馬を見せてほしい。

 土曜は東京で富士S。
 本命◎ブレイズアトレイルは後方から。レースは前半3ハロンが35.6秒のスローペースになったわりには差しが決まったのだが、この馬の出番はなかった。展開は向いたように見えたのだが、どうしたのだろう。
 勝ったのは3歳馬のステファノス。今年の3歳馬はレベルが高いかもしれない。

 京都の室町Sは◎エイシンゴージャスが軽快に逃げたが直線入り口ではすでに手応えが怪しく、11着に惨敗。

 今週は3戦3敗で本命馬がすべて惨敗。ここまで大ハズレだと諦めもつくような、散々の結果だった。

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2014年10月25日土曜日

【予想と与太話】菊花賞(2014)~荒れる時代は終わった~

 いよいよ今週は菊花賞。京都の誇る二大長距離GIレースの一つだ。ダービーや有馬記念も盛り上がるが、関西在住の私としては、天皇賞・春とともに大好きなレースである。

 JRAのCMで取り上げられたのはマンハッタンカフェ。夏の登り馬でセントライト記念4着から菊花賞を制した。2着に逃げた人気薄のマイネルデスポットが残り、大荒れの結果となったのだった。この頃から、菊花賞が荒れ出したのだと思う。
 また、セントライト記念をステップに菊花賞を勝ったのは、この馬が最後らしい。今年のセントライト記念組はどうだろうか。

 レースにいってみたい。
 ダービー馬の◎ワンアンドオンリーが抜けた人気になりそうだが、皐月賞馬不在、これといった登り馬もいないとなれば、それも納得。ここ4年連続で1番人気馬が連対し、ここ3年は神戸新聞杯優勝馬が1番人気となって本番も制している。荒れる菊花賞の時代は終わったと解釈したい。この馬が本命。
 となると相手は絞りたい。ダービーで掲示板を外した馬は消す。怖い馬もいるが、仕方がない。というわけで内から順にトーホウジャッカル、ゴールドアクター、タガノグランパ、トゥザワールドを押さえる。推奨穴馬には、この中からタガノグランパを推しておく。ダービー4着、(今年はハイレベルだったかもしれない)セントライト記念3着のわりには人気がない。
 8枠に入った神戸新聞杯4、5着馬がちょっと怖い。

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2014年10月24日金曜日

【予想と与太話】富士S、室町S(2014)~いつも人気の盲点~

 朝晩は肌寒いくらいで、もうすっかり秋だ。息子は本日、秋の遠足で動物園に行ったらしい。

 そんな土曜は東京で富士Sが、京都で室町Sが行われる。
 室町Sの室町は、室町時代の室町なのか、それとも室町通りの室町なのか。ふと疑問に思ったので、いつものようにJRAの特別レース名解説に教えてもらった。

室町は、京都市中央部を南北に通じる通り。北は北山通から南は久世橋通までを指す。三条通りとの交差点付近は交通の便がよく、西陣にも近いことから繊維問屋が集中している。今出川通の北側には、「花の御所」と呼ばれた室町幕府が置かれた。

ということで、正解は室町通りの室町だった。烏丸Sや北大路特別と同じ、京都の通りの名前シリーズの一つだったらしい。
 十数年前、2年間ほど室町通り沿いに住んでいたことがある。昔ほどではないのだろうが、それでも呉服屋さんがたくさんあった。JRAの解説にもあるように、繊維関連の店が連なる通りなのだ。とはいえ、それらのお店には一度もお世話になったことはない。そりゃ、和服屋が少なくなっていくわけだ…。

 レースにいってみたい。
 ダートオープン特別のハンデ戦。古馬の牡馬と3歳牝馬の一騎打ちの様相。本命は3歳牝馬の◎エイシンゴージャス。ここまでの成績が4-1-0-0で、ダート1200 mは負けなしの4連勝中。昇級戦でもあり、ハンデは52 kgと恵まれた。ここは通過点。
 相手も人気だがナガラオリオンは押さえざるをえないか。
 推奨穴馬はサマリーズ。走るときと走らないときが極端な馬。前走は度外視できる。

 富士Sは◎ブレイズアトレイルが本命。前走でお世話になったこの馬を引き続き本命に推す。何度好走しても人気にならない馬がたまにいるが、この馬がまさにそれ。

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2014年10月23日木曜日

書評 マイケル・サンデル『これから「正義」の話をしよう』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

「白熱教室」がなぜ人気なのか。さらに知りたくなった。


 数年前に話題になった「白熱教室」のマイケル・サンデル先生。そのサンデル氏が自らの考えを綴ったのが本書。あの「白熱教室」の根底にある考え方が披露されているのだろうと、おおいに期待して読んだのだが…ちょっと期待はずれだった。

 本書では、サンデル氏の「道徳」に対する考えが述べられている。何をもって「正義」とするべきなのかが書かれている。
 たとえば、サンデル氏はこんな問いを投げかける。
「ここであなたが人を突き飛ばして電車を止めたら、大勢の命が救われるとする。さてあなたは、その人を突き飛ばすべきなのか」
こういう状況で、人を突き飛ばすのが正義なのか、それとも突き飛ばさないのが正義なのか。こんな感じで問いを立てつつ「正義」についての考察を深めていく。

 このように書くと、とても興味深いし、実際に「白熱教室」は非常にエキサイティングなのだろうが、本書ではその興奮を感じ取ることができなかった。
 まず、難しいのだ。原文が難しいのか、それとも訳文がよくないのかは判断できないが、とにかく内容が頭に入ってこない。私がこの分野(道徳、哲学)に疎いことを差し引いても、十分に難しいと思う。「難解」というよりも「分かりにくい」のだ。

 テレビで白熱教室を見てから本書を読んだらまた違う感想をもったのかもしれないなあ。サンデル氏の考えを知るのに、まず本書から始めるのはお勧めできない。
 書くことが得意な人と、話す(講義)のが得意な人がいるということなのかもしれない。




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2014年10月19日日曜日

【予想の回顧】秋華賞、府中牝馬S、清水S(2014)

 今週は秋華賞。
 レースは大きく二つの集団に分かれ、後方集団の先頭から順にショウナンパンドラ、対抗の○タガノエトワール、本命の◎ヌーヴォレコルトと並ぶ。この3頭のうち、ショウナンパンドラは内を突き、他の2頭は外を選択。
 レースは直線へ。ショウナンパンドラが内からスルスルと抜け出す。タガノエトワールは外をスムーズに追い上げる。ヌーヴォレコルトはそれにフタをされるかたちで、一瞬待たされた。これが最後に響いたのか、タガノエトワールはかわしたが、ショウナンパンドラを捉まえることはできず、2着まで。実力は示したといえるだろう。
 勝ったのは内を抜けたショウナンパンドラ。フサイチパンドラに続き、2頭目(たぶん)のパンドラGI牝馬になった。勝つときはこんなもんだろう。中団から最内に進路をとって、スイスイと馬群を抜けてきた。ちょっとうまくいきすぎた感があるので、本物かどうかは微妙。次走に注目したい。
 馬券は、ショウナンパンドラを押さえておらず、ハズレ。

 土曜は東京で府中牝馬S。
 本命の◎ウリウリは好発から下げて中団の前につけ、最内をついた。いったんは抜け出しそうな気配だったので「よし」と思ったのだが、ラスト200 mで失速し、9着。差し馬の展開になってしまった。距離も少し長いかもしれない。

 清水Sは◎マルタカシクレノンが想定通り2番手につけたが、直線は後退する一方で、9着に惨敗。このクラスでは厳しいのだろうか。

 今週は3戦0勝。GIシーズンの初戦で躓いた。

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2014年10月18日土曜日

【予想と与太話】秋華賞(2014)~一本かぶりだが~

 なぜか今週から福島がスタートし、三場開催となっている。なぜ京都・東京開催の2週目からスタートするのだろうか。中途半端やなあ…。

 そんな日曜は京都で秋華賞が行われる。いよいよ本格的なGIシーズンの始まりだ。
 秋華賞は女王杯の古馬開放に伴ってできたレースで、比較的新しいGIである…と思っていたら今年で19回目。どこが新しいねん。
 秋華賞といえば思い出すのがブゼンキャンドル。1999年だから、第4回のこのレースのチャンピオンだ。12番人気の低評価を覆し、これまた人気薄のクロックワークと2頭で怒濤の追い込みを見せた。印象に残るGIレースの一つである。
 このときやブラックエンブレムの印象が強いので「荒れるレース」という印象があるのだが、たいがいの年は堅く収まっている。春の実績馬が結果を出しているのだ。

 レースにいってみたい。
 桜花賞馬が不在、2歳女王は前走で凡走。となれば前哨戦を制したオークス馬、◎ヌーヴォレコルトが一本かぶりの人気になるのも仕方がない。ハープスターが欠席しているためか「押し出された人気馬」のように見えてしまうが、この馬の実力も相当なもの。無理に逆らう必要はなかろう。この馬が本命。
 となれば、相手は絞りたい。相手筆頭はタガノエトワール。未勝利を勝った直後のローズSでヌーヴォレコルトの2着に差してきた。1勝馬が結果が出ていないのは承知だが、このメンバーなら。
 もう一頭、狙ってみたいのがバウンスシャッセ。オークスではヌーヴォレコルト、ハープスターから0.1秒差の3着だった馬だ。ここ2走は古馬の牡馬相手の洋芝と、不良馬場でのレース。度外視したい。この馬を推奨穴馬とする。馬券はもう1、2頭押さえると思うが、それは明日に決める。
 レッドリヴェールは前走が不発だったのに、中間もビッシリとは追われていないようだ。上積みも少なそうなので評価を下げる。

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2014年10月17日金曜日

【予想と与太話】府中牝馬S、清水S(2014)~前走は度外視~

 来週は北海道へ出張する。その前にばっちり当てて、お土産代を増やしたいところだ。

 そんな土曜の東京メインは府中牝馬ステークス、阪神メインは清水ステークスである。
 府中牝馬Sはエリザベス女王杯のメイン前哨戦ということになっている別定のGII戦なのだが、なぜか本番に結びつかない。秋華賞や天皇賞・秋をステップにした馬のほうがかなり優勢なのだ。理由はよく分からないが、今年もこの傾向が続くのだろうか。

 レースにいってみたい。
 13頭とやや少なめの頭数になったが、本番でも人気しそうな馬が名を連ねている。このレースの結果が、本番での人気に大きく影響しそうだ。
 その中から、本命は◎ウリウリ。前走は大外枠で逃げ馬が勝つ展開では厳しかった。度外視したい。2、3走前は重賞で2、1着だから力は足りるはず。休み明けは苦にしないが、輸送競馬は少し心配。2回目の府中で、慣れが見込めることを期待したい。
 推奨穴馬はオツウ。課題は満載だがハマれば。

 清水ステークスは◎マルタカシクレノンを狙う。先行有利の馬場で、前に行って粘ってほしい。フルーキーに差されたら仕方がない。

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2014年10月16日木曜日

書評 東野圭吾『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』(集英社文庫)

『マスカレード・ホテル』を読んだら、さっそく続編も読みたくなって『マスカレード・イブ』も立て続けに購入してしまった。東野小説、恐るべし。


 東野氏の新シリーズ「マスカレード・シリーズ」は、ホテルを舞台にしたミステリーだ。「ホテル・コルテシア」という高級ホテルで起きる事件を、若きホテルウーマンである山岸尚美を主人公に描いている。
 ホテルにはさまざまな客がやってくるが、彼らはみな「仮面」を被っている。さまざまな客が仮面を被って繰り広げる物語が仮面舞踏会、すなわち「マスカレード」というわけなのだ。

 本書のジャンルは、もちろんミステリーだ。しかし本書は、事件の過程で出てくるホテルの裏事情を堪能するための小説である(独断)。とはいえ、ミステリーとしての謎解きや犯人捜しももちろん上質であるところが、さすが東野氏である。
 ストーリーの軸にはしっかりとミステリーを据えつつ、さまざまな客の「仮面の裏」が暴露される。他人の「秘密」を知ってしまったとき、恍惚感と軽い興奮を覚えるのは人間の性だろう。そんな「秘密知りたい欲」を刺激された。ワイドショーが好きな人はハマること間違いなし。好きではない人も、自分に「興味本位」な面があることが改めて分かるだろう。ちなみに、私は後者である。

 一作目の『マスカレード・ホテル』は長編で、ある事件の捜査のためにフロントに化ける刑事と、ホテルウーマンの山岸尚美が協同して事件に当たる。二作目の『マスカレード。イブ』は連作で、山岸尚美がかかわるホテル小話が二つ、ホテルとは関係ない新人刑事の話が一つ、そしてそれらが交わる中編『マスカレード・イブ』が収められている。
 私は、長編である『マスカレード・ホテル』に軍配を上げたい。

 ちょうど来週、出張でホテルに泊まる。周囲の客がどんな仮面を被っているのか、またスタッフたちがそれにどう対応するのか、妄想してしまいそうだ。とはいえ、私が泊まるホテルはホテル・コルテシアとは比べるべくもない安ホテルなのだが…。





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2014年10月14日火曜日

【予想の回顧】京都大賞典、毎日王冠、オパールS、大原S、いちょうS(2014)

 月曜の京都は台風で中止。翌日の火曜に京都大賞典が行われた。
 トゥザワールドがスローで逃げ、2番手にタマモベストプレイ、その後ろにラストインパクトがつけた。本命の◎フーラブライドは中団から。
 そのままの隊列で直線へ。トゥザワールドが脱落し、タマモベストプレイラストインパクトの一騎打ちに。これをラストインパクトが制して重賞2勝目。
 トーセンラーが離れた3着に差してきただけで、後ろの馬は出番ナシ。馬券はもちろんハズレ。もう少し流れてほしかった。
 そつなく乗られた馬が1、2着を占めただけで、レースのレベルはちょっと疑問。GIには結びつかない結果だったように思う。

 日曜は東京で毎日王冠。
 ◎エアソミュールは中団の内を回って直線へ。前が開かず焦ったのは見ている私だけで、武豊騎手は慌てず騒がずジッと我慢。直線半ばで前が開くとズバッと伸びて見事に勝利。お見事! しかし、2着にサンレイレーザーが残ってしまい、馬券はハズレ…となるところだったが、ワイドで買っていたのが大正解で、1-3着のワイドを引っかけた。ディサイファが3着に残っていれば本線だったのだが、競馬は当たってなんぼ。文句は言うまい。

 京都のオパールSは◎フギンが3、4番手につけたが、差し馬の展開になってしまい、最下位でゴール。前に行った馬は総崩れの展開だったし、見限るにはまだ早そうだ。

 土曜は東京でいちょうS。
 ◎グァンチャーレは大きく出遅れて万事休す。最後は大外をいい脚で差してきただけにもったいなかった。次走、もう一度狙ってみたい。
 内をそつなく立ち回った馬が上位を占めた。レコードだったが、レースのレベルは微妙。

 京都メインは大原S。◎デウスウルトは後方から。外枠だったこともあるのか、思ったよりも後ろの位置取りになってしまった。京都の開幕週で、しかも内回りでは厳しいなあと思っていたら、4コーナー手前から抜群の手応えで進出すると、直線半ばで先頭に立ち、そのまま押し切った。強かった。馬券は単勝と、1-2着、1-3着のワイドを取った。3着に推奨穴馬のヒュウマが入ったため、けっこう浮いた。武豊騎手もありがとうございました。

 今週は5戦2勝。武豊さまさまの4日間だった。トータルもほぼトントン。来週からのGIに向けて、上昇気流に乗っていきたい。

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書評 ポー・ブロンソン、アシュリー・メリーマン『競争の科学―賢く戦い、結果を出す―』(実務教育出版)

「競争する気にならない」理由が分かるかも。努力しているのに業績の上がらない人、勉強しているのに成績の上がらない人はもちろん、「何だかイマイチ頑張れない」人にも読んでほしい一冊。


 3年前、同じ著者たちによる『間違いだらけの子育て ―子育ての常識を変える10の最新ルール―』という本を読んだ。本書は、著者らによるその次の作品。今回のテーマは「競争」だ。

 いまの時代、「競争」という言葉は、あまりよい意味で用いられないことが多い。「競争社会」と聞いて、よいイメージを持つ人はほとんどいないだろう。しかし著者らはこれに異を唱える。適切な競争によって、組織は効率を上げ、個人も成長していくのだと。

 基本的な構成は、前作と同じ。「競争」にかかわるテーマを12個選び、それぞれを科学的に、すなわち科学者たちの研究結果を基に解説していく。
 競争について、われわれが誤った先入観をたくさん持っていることがよく分かる。たとえば第8章「ポジティブとネガティブ」にはこんなことが書かれている。
 競争するとき、自分に自信を持った「ポジティブ」な心理状態と、自分の力を信じ切れない「ネガティブ」な心理状態のどちらが有利だろうか。直感的には前者が有利と感じるだろう。ポジティブな心理状態のほうが自分の力を十分に発揮できるのではないかと。しかし本書によると、多くの研究結果はこれとは反対の事実を示しているのだ。スポーツのトップ選手などは「少々イライラしている」ときのほうが好結果を出しているらしい。まあビックリ。
 こんな感じで、競争について一般的に受け入れられている先入観を覆すような研究結果が、たくさん報告される。「目から鱗」の新知見が盛りだくさんに載っている。

 日々の生活で競争にさらされない人はいないだろう。競争に関する最新知見を知り、自分を見つめ直せば、新たな展開が待っているに違いない。頑張っているのに業績の上がらない人、勉強しているのに成績の上がらない人はもちろん、「何だかイマイチ頑張れない」人にも読んでほしい一冊だ。

 ただし本書は、競争に勝つための方法論を述べた本ではない。競争に参加すること自体が、適切な競争環境に身を置くことが、組織や個人を活性化すると主張する。また、章ごとのつながりはあまりないため、本書全体として起承転結があるわけではない。だから
「結局、どうすればいいのよ」
と聞きたくなってしまうが、それは本書の役割ではない。本書を含めて、競争に関した知識をどう生かすかは、各個人が考えるべきなのだ。「勝利への道に王道なし」なのである。



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2014年10月12日日曜日

【予想と与太話】京都大賞典(2014)~牝馬は牝馬でもこっちの馬で~

 3日間開催最終日は京都で京都大賞典が行われる。台風の影響が心配だが、無事に行われることを期待したい。とはいえ台風がゆっくり来ると、火曜日の仕事や学校に影響が出そうだ。それも困るなあ。

 京都大賞典は伝統のGIIでかつてはメジロマックイーンやテイエムオペラオーがここを始動戦に選んだものだったが、近年は毎日王冠を選ぶ有力馬が増え、こちらはGIとの結びつきがすっかり薄くなってしまった。長距離レースが敬遠されるのは寂しいなあ。

 レースにいってみたい。
 今年も、バリバリのGI級は出てこない。それなら◎フーラブライドで何とかならないか。昨年の秋に、芝に矛先を変えてからは4-0-2-1の好成績。4勝のうち、2勝は重賞だ。唯一崩れたヴィクトリアマイルは距離不足だったということにしておきたい。休み明けはちょっと心配だが、このメンバーなら牡馬相手でも。
 推奨穴馬はタマモベストプレイ。もう距離を心配する必要はなかろう。

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2014年10月11日土曜日

【予想と与太話】毎日王冠、オパールS(2014)~今日もこの人~

 3日間開催の中日の日曜日は、毎日王冠が行われる。毎日王冠と京都大賞典が違う日に行われるのはいつ以来なのだろうか。

 毎日王冠には、昨年、一昨年とジャスタウェイが出走していたのだが、意外なことに2年連続で2着。しかも人気は12番人気と6番人気。昨年のこのレースの後に覚醒し、世界一まで登り詰めた。いったい何があったのだろうか。昨年のこのレースで好きな子でもできたのかもしれない。

 レースにいってみたい。
 天皇賞のメインステップレースであり、例年はバリバリのGI級が出てくるのだが、今年はメンバーが薄い。一線級が海外遠征に行っていたり、天皇賞に直行するためだ。ローテーションが多様化していることが分かる。
 このメンバーなら、本命は◎エアソミュール。期待されながらなかなか結果が出なかったが、ここ5走で3勝と、ようやく本格化してきた。前走は相手が悪かった。この相手なら突き抜けてほしい。前日の大原Sに続いて武豊騎手に本命印だ。頼みまっせ。
 推奨穴馬はダイワマッジョーレ

 オパールSは◎フギンが本命。スプリント戦線の新星誕生を期待。

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2014年10月10日金曜日

【予想と与太話】いちょうS、大原S(2014)~鞍上の手腕に期待~

 せっかくの3連休、3日間開催なのに台風が接近中。何とか無事に競馬が行われてほしいものだ。予想も雨を考慮に入れる必要がありそうだ。プロ野球のCSも心配だなあ。

 そんな土曜の東京メインはいちょうステークス。今年から重賞に格上げになったレースだ。しかし、オープン特別としての歴史は長く、1980年代から行われているらしい。
 いちょうSと聞くと思い出すのがエアグルーヴ。1番人気に押されたが、直線で武豊騎手が立ち上がるほどの不利を受けた。万事休すと誰もが思ったが、それで逆に闘志に火がついたのか、体勢を立て直すとグイグイ伸びて差しきった。
「牝馬やのに、すごい勝負根性やなあ」
と思ったことを覚えている。
 この馬が天皇賞・秋を勝っていなければ、今のように牝馬が牡馬混合のGIにどんどん出走することはなかったかもしれない。歴史的名牝の一頭である。

 この時期の2歳戦は比較が難しいので、予想は大原Sを中心に。
 準オープンの芝2000 m戦。西宮Sの2、4、5着馬が出てくる。その中から本命は4着の◎デウスウルト。人気しそうなバッドボーイとは前走で0.1秒差。得意の京都に変わって、逆転があると見た。大外枠はちょっと誤算だが、そこは鞍上の手腕に期待したい。武豊騎手、頼みまっせ。前につけてほしい。
 推奨穴馬はヒュウマ。開幕週の馬場でスイスイ逃げられれば。

 いちょうSは◎グァンチャーレが本命。4 kg増が課題だが、東京は向きそう。

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【運動会2014】小1の娘と年少の息子の運動会~今年は天気に恵まれた~

 運動会シーズンが到来。わが家には小学生と保育園児の子どもがいるので、運動会が2回ある。1回で済めば楽なのだが、一緒にやるわけにはいかないし、こればかりは仕方ない。

【小学校の運動会】
 まずは9月の最後の土曜日に、娘の運動会があった。娘は1年生。小学校に入って初めての運動会だ。
 娘の小学校はマンモス校で、全校生徒は800名以上。かなりの大人数だ。


 この小学校では、5チームに分かれて優勝を争う。私がかつて通っていた小学校も、けっこうなマンモス校だったのだが、赤・白の2チームだった。たしかに5チームくらいに分かれて競うほうが盛り上がる。

 800人も生徒がいると、観客(親)の場所取りがすごいことになるんじゃないかとビクビクしていたのだが、思ったほどではなかった。ビニールシートで場所取りをしている家族はそれほど多くない。たいていの人は、必要なときだけ前に出てきて競技を見て、後は日陰で座ったり家に帰ったりしていた。保育園の場所取りのほうが、よほど熾烈だった。

【徒競走】
 そうこうしているうちに、娘の駆けっこが始まった。6名で約50 mの距離を争う。


娘は、何と1番になった。組み合わせもあるのだろうが、足は速いほうのようだ。よかった。

【リレー】
 次はリレー。普通のリレーと思っていたら、そうではなく、コーンの間をウネウネ走っていくレースだった。


娘はなかなかいいフォームで走っているが、チームは1位にはなれなかった。でも、みんな一生懸命に走り、自分のチームを応援していた。いいことだ。

【玉入れ】
 午後は玉入れ。入場後、玉入れの前にまずはダンスを披露した。これがなかなか可愛らしくてよかったのだが、写真がないのが残念。
 そして玉入れは、通常の上に向かって放り投げるものではなく、前にあるネットに向けて球を投げるというもの。野球のピッチャーのように玉を投げるのだ。
 娘は素速く玉を拾ってきて、次々に投げるのだが、ネットまで届かない。届かない玉を何球投げても得点になるはずなく、おそらく貢献度はゼロだったと思われる…。キャッチボールの練習をすればよかったね。チームの成績もふるわなかった。

【大玉リレー】
 最後は全校競技の大玉リレー。私の小学校時代にも同様の競技があった。盛り上がるよね。


娘の小学校は、玉を持ち上げて運ぶタイプ。あらぬ方向に玉が飛んでいってしまうチームもあった。一人一人の力は小さいが、それが集まると大玉があっちに行ったりこっちに行ったりするのが面白い。

 以上で娘の運動会は終了。先生方のお陰で、小学校に入って初めての運動会を満喫したようだ。小学校になると、運動会は子どもたち自身のものになっていくと実感した。(次に書くが)保育園の運動会は半分は人に見せるためのものだが、それとは違い「小学生の、小学生による、小学生のための運動会」なのだ。こうやって自立していくのかなあ。

【保育園の運動会】
 1週間後は息子の運動会。息子は保育園の年少組だ。昨年までは「ごまめ」扱いだったが、今年は参加種目も増えた。
 小学校とは違い、父兄の場所取りが熱心だ。保育園の運動会は、競技というよりも発表会的な側面が強いためだろう。わが家は何とか2列目をキープした。

 最初は入場行進。年長組は太鼓を叩きながらの行進だ。年少組の息子は、その後ろを旗を持ってついて歩いた。


【駆けっこ】
 まずは息子の駆けっこ…だったのだが、何と見逃した。いつ息子が走ったのか分からなかったのだ。娘と二人で見ていたのだが、二人ともどれが息子か分からずじまい。すみません。
 結果は、2、3番だったらしい。

【ダンス】
 次はダンス。息子は黄色いポンポンを持って、張り切って踊っていた。移動のときには「早く早く~」とお友達を引っ張って走っていた。4月生まれで成長が早いためもあるのだろうが、上手にできました。



【なぜか姉が登場】
 そしてその次は、姉がOGとして登場。OB・OGの小学生たちが出場する駆けっこに参戦した。1年生ということもあり、第一走者で登場。足の速い男の子が二人いたらしく、娘は3位だったが、2位とは接戦。よく頑張りました。


【リレー】
 次はリレー競技。二人ひと組になってペットボトルをリレーする。リレーというよりも、お遊戯みたいなものだ。


 以上で無事に終了。二人ともたくさん楽しみました。来年は一つずつ学年も上がって、また成長した姿を見せてくれるのだろう。親は2回運動会があってたいへんですが…。

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2014年10月8日水曜日

書評 村上春樹『海辺のカフカ』(新潮文庫)

人生の全てが詰まった物語


 村上氏お得意の、二つの話が並行して進んでいく構成。一つは家出少年の物語。もう一つは文字の読み書きもできないおじいさんの冒険譚。この二人の人生が交錯するとき、全てが完結する。

 今回も村上ワールド全開だった。どこからが夢でどこからが現実か分からないような、奇想天外でいてリアルな小説である。
 親との決別、恋、死と、人生で大事なことが全て詰まっている。それぞれの読み手が、それぞれ違う意味を感じ取ることができるのが、村上小説の不思議なところだ。相変わらず、書評の書きにくい作家さんでもある。

 私の場合、村上氏の作品を通じて言えることなのだが、いまいち物語に入り込めないところがある。「村上小説だ」と思って構えて読んでしまうためなのか、「意味」を感じ取ろうとしすぎてしまうのかもしれない。
「どっぷり浸かった」
という感じがしないのだ。なんでなんやろう。





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【お父さんの週末料理】2024年4月26~29日<small>~GWのから揚げ大会~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  GW前半の3連休。金曜に休みを取ったので4日分の料理記録。  4月26日(金)   昼...