2015年10月28日水曜日

【映画評】『シェフ 三ツ星フードトラック始めました

空腹時に観るべからず


 主人公は高級フレンチレストランの雇われシェフ。腕は一流なのだが、素行に問題あり。その性格が災いして店を辞めることになった。
 ありがちなストーリーなのだが、もうこの時点で私は釘付け。なにに釘付けって、それは料理だ。作品中に出てくる料理の美味そうなこと。新メニューの試作品、彼女との夜食に作ったパスタなどなど、随所に料理シーンが出てきて、それがすべてよだれタラタラなのだ。
 また、料理の完成品だけが出てくるのではなく、その調理過程も映像化されているところがミソ。ハーブを刻み、超高速で野菜を切り、豪快にスパイスを振ってソテー、などというシーンがいいタイミングで現れるのだ。料理好きの私はおおいに刺激された。さっそく超高速野菜切りの練習を始めようと思う。

 後半は、店を辞めたシェフが、フードトラックを手に入れて息子とともにアメリカを横断する。
「自分の作りたいものを作る」
という料理人としての喜びと、疎遠だった息子との関係が、この旅によって復活していく。よくある話だが、そこがいいのだ。シェフが元気を取り戻し、その息子が生き生きとしてくるのを観ていると、こちらまで元気が出てくる。ご馳走様でした。

 一つ残念だったのは、フードトラックで供される料理がサンドイッチだったこと。それまで一流高級フレンチレストランのシェフだった人が、こういう料理で満足できるのだろうか。たとえていうなら、一流和食の板前がタコ焼き屋を始めるようなものだ。ちょっと違和感を覚えた。フードトラックで絶品コース料理を提供するなんていう展開でもよかったような。
 これも素人の戯れ言なのかもしれない。単純な料理だからこそ、成り立つのだろう。

 繰り返すが、料理のシーンには圧倒された。今週末は、家族にどんな料理を作ろうか。




にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【お父さんの週末料理】2024年4月13・14日<small>~葉っぱで巻き巻きしました~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  今週も娘は部活、息子は野球の週末。  4月13日(土)   娘は午前と午後で部活を掛け...