2017年4月14日金曜日

【書評】藤野恵美『初恋料理教室』(ポプラ文庫)

京のおばんざいのような小説


 祇園の奥にある料理教室に通う4人の男たち。その一人につき一編の、合計四つの短編が収められた連作集。
 全く違う立場の4人の男たちが、祇園の料理教室で人生を交錯させる。その要となるのが料理教室の先生であるおばあさん。この5人を中心に、ほんのり心が温まる、京のおばんざいのようなストーリーが展開される。話も料理も滋味深く、心もお腹も満たされた。ごちそうさまでした。
 生麩が食べたくなった。

《あらすじ》
 祇園の奥にある料理教室。土曜日は男性限定だ。そこに集ったのは20代、30代、40代、50代の4人の男。立場も年齢も違う4人が料理を通じて交流を深めていく。
 第1話は30代の男の初恋物語。第2話は40代の男の独立物語。第3話は20代の男とその姉との共同生活。第4話は50代の男とその妻との物語。四つの心温まる短編が収められた、京都を舞台にした連作集。



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