いつもの日常生活を送っていたはずなのに、いつの間にやら人ではない世界に。梨木小説の得意技だ。どこが始まりでどこが終わりか分からない梨木ワールド。脈絡があるような、ないような異世界を堪能するのが正しい楽しみ方だ。
ところが、気づかないうちに話は進み、ちゃんと話は閉じる。いつものごとく、しみじみと染み渡るような読後感だ。
本作は梨木ワールド指数がかなり高めだ。慣れていない人は、別の作品から入るのがよいかもしれない。
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