第7巻が発売になったので、もう一度、第1巻から読み直した。何度読んでも面白い。
ヒストリックフィクションとでも言えばよいのだろうか。歴史上の、ある時点を切り取り、そこへ史実とフィクションを巧みに織り交ぜたストーリー。主人公は、古代マケドニアのアレクサンダー大王の秘書官であるエウメネス。この人物を視点にした、紀元前500年前後のギリシャ、ペルシャを舞台にした物語である。
まず、主人公の人選がシブイ。主人公のエウメネスは、経歴などはほとんど分かっていない人物らしいのだ。
アレキサンダー大王や、その教師であるアリストテレスが主人公なら、こうはいかなかっただろう。主人公をマイナー人物に設定することにより、どこまでが史実で、どこからがフィクションか分からない、ワクワクする世界が構築される。
(ほとんどはフィクションと思われるが)ストーリーも秀逸で、歴史上の舞台を拝借しつつ、ハラハラドキドキの知略・謀略が展開される。歴史好きはもちろん、精緻に組み立てられたミステリーが好みの方には、是非とも読んでいただきたい。三国志好きの方には特にお勧めだ。
詳細はネタバレにつながるので割愛するが、まず4巻までで物語は一周する。そして舞台はマケドニアへ移り、後のアレキサンダー大王、その父であるフィリッポス現国王が登場。最新の第7巻では、いよいよマケドニアが他国に戦争を仕掛け、そこへエウメネスも従軍する。
次巻では、どんな策略をエウメネスが張り巡らせるのか。早く続きが読みたい。
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2011年11月25日金曜日
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