2011年11月15日火曜日

書評 新潮社ストーリーセラー編集部編『Story Seller』(新潮文庫)

 売れっ子作家たちが短編を一つずつ書き、それをまとめた短編集。贅沢な本だ。
「重たい本は、ちょっと読む元気がないなあ」
なんてときに、ちょうどよい。

 それぞれの作家さんが、悪く言うとちょっと手を抜いているけど、よく言えば力みがとれていて、単行本とはまた違った魅力を感じた。
「新しい作家さんを開拓したい」
という方にはぜひお勧めの一冊である。出版社の狙いも、まさにそこにあるのだろう。

 私の場合、読んだことのある作家さんと、読んだことのない作家さんが、だいたい半々の割合だった。
 読んだことのある作家さんに対しては「迫力にはやや欠けるけど、これはこれで面白い」と思ったし、読んだことのない作家さんには「単行本も読んでみたいなあ」と感じた。さすが売れっ子さんたち、みんな話が上手だ(当たり前や)。

 執筆陣に、気になる作家さんがいる人にも、いない人にも読んでほしい。読書の新しい道が開かれるに違いない。
 また、旅のお供としてもお勧めしたい。



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