2018年12月9日日曜日

【読書メモ】湊かなえ『ユートピア』(集英社文庫)

 表題の「ユートピア」は風光明媚な田舎町のこと。おもな住人は、地元民、冷凍食品工場の社員、芸術家。この3グループを代表する女性が一人ずつ入れ替わりで一人称を務める。湊氏お得意の手法だ。
 立場の違う女性たちの駆け引きというか、気の使いあいというか、裏の読みあいというか、どろどろしたやりとりを堪能する作品だ。根元の違う女性は、決して仲間にはなれないのだろうか。
 オチは見事。なるほど、そこにいたか。

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