よりよい教育とは何か、より正しい教育とは何か。その問いに答えはあるのだろうか。
これが縦糸とするなら、横糸は家族の物語だ。夫婦とその親、子、孫の四世代にわたる絆が描かれる。全8章からなり、最初の4章は夫の視点から、続く3章は妻の視点から語られる。激しい気性の妻が、いつの間にやら丸くなっていくのに最初は拍子抜けしたが、だんだん「それもよかんべ」という気持ちになってくる。
最後の第8章は、孫が一人称を務める。最初は戸惑ったが、それもつかの間。どんどん引き込まれ、あっという間にラストへ。頼りなかった孫が、しっかり物語を締めくくるのがほほえましい。
泣けた。じわじわ溜まる涙あり、不意を突かれて急に流れるありで、涙腺は緩みっぱなし。心の琴線に触れるとは、こういうことを言うのかもしれない。

にほんブログ村
0 件のコメント:
コメントを投稿