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2022年3月4日金曜日

【読書メモ】横山秀夫『ノースライト』(新潮文庫)

 家を建てるときは、南からの日を取り入れるように設計するのが普通である。そこをあえて、北からの日を取り入れる手法がある。その「北からの日」をタイトルにした小説だ。
 燦々と降り注ぐのではなく、柔らかくほんのりと部屋を照らすのがノースライトだ。小説の雰囲気と、よくマッチしている。ノースライトのように、静かに、粛々と話が進んでいく。

 主人公は青瀬という建築家。
 ノースライトを取り入れた、青瀬の渾身の力作の家に住んでいるはずの依頼主が蒸発した。依頼主はいったいどこへ行ったのか。それとも、この家の建築依頼そのものが茶番だったのか。
 依頼主の行方に加え、家に残された椅子の謎、青瀬の属する建築事務所の挑戦、離婚した家族との関係などが渾然となり、まるでノースライトのようにほんのりと青瀬の人生を照らし出す。
 静かだが、しかし熱いストーリーだ。読み応えたっぷり。

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2022年1月29日土曜日

【読書メモ】重松清『どんまい』(講談社文庫)

 重松氏の野球小説。相変わらず、いい味を出している。『赤ヘル1975』と緩くつながった作品だが、読んでいなくても十分に楽しめる。

 「ちぐさ台カープ」という草野球チームに入部することになった、離婚ほやほやの母と、中2の娘が主人公。母娘と、個性的なチームの面々との人生が交錯する。ハッピーなことばかりではなく、苦労や障壁をしっかり描くのが重松流。すべてがすっきり前向きに解決するわけではないが、それが人生だ。
 野球好きにはもちろん、野球の何がよいのかいまいちよく分からない人にもお勧め。

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2022年1月27日木曜日

【読書メモ】シッダールタ・ムカジー『遺伝子―親密なる人類史―』(ハヤカワ文庫NF)

 メンデルの法則からゲノム編集まで、遺伝学(分子生物学・遺伝子工学)の歴史をたどった大著だ。誕生から最新の知見までを通して見ることにより、遺伝学の現在の立ち位置がよく分かる。

 「遺伝」という現象が存在することは、昔から分かっていた。なぜなら、子は親に似るからだ。
 19世紀になり、メンデルが遺伝の法則を発見して遺伝子の存在が示唆された。一方、ダーウィンが進化の概念を確立して、ヒトも動物の一種であることが明らかになった。20世紀に入ると、遺伝子の実体がDNAであることが分かり、ワトソンとクリックが遺伝の仕組みを解き明かした。遺伝は化学的な現象であることが、ついに明らかになったのだ。
 それから半世紀が過ぎ、ヒトは、ついに自らの設計図(DNA)を書き換えることが可能になった。人類史上、最大のターニングポイントといっても過言ではないだろう。

 近い将来、遺伝子組換え人間は実現するに違いない。よく分からないまま、その現実を受け入れるだけでよいのだろうか。「よくない」方は、ぜひ本書を読んでほしい。







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2022年1月25日火曜日

【読書メモ】諫山創『進撃の巨人』(講談社コミックス)

 噂に違わぬ名作。久々にマンガを一気読みした。
 「人を食う巨人」というホラーな見かけはフェイク。その本質は、謎が謎を呼ぶ、巧妙に仕立てられたミステリーだ。何が虚で何が実なのか、誰が味方で誰が敵なのか。世界観が何度もひっくり返る。
 また、仲間との友情や絆もしっかり描かれており、少年マンガの王道と、緻密なストーリーが見事に両立されている。人気が爆発したのも納得の作品だった。

 ただ、『鬼滅の刃』を読んだときにも思ったのだが、絵が分かりにくいような?… 登場人物の見分けがつきにくいのは、私が年を取ったせいなのだろうか…。

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2021年12月23日木曜日

【読書メモ】澤田瞳子『若冲』(文春文庫)

 初めて読んだ澤田作品。選んだのは、代表作の一つである『若冲』だ。
 伊藤若冲は江戸時代の絵師。2016年に生誕300年を迎え、日本各地で展覧会などが催された。それまで若冲の名前も知らず、今でも作品をちゃんと見たこともないが、小説はしっかり楽しめた。

 本書は若冲の後半生を描いた作品。妻を失い、40歳にして隠居し、画業に専念することになった時期から話が始まる。どこか奇抜でありながら生命の躍動を感じる若冲の作品。苦悩に満ちた若冲の生き様を描くことにより、その原点を掘り起こした秀作だ。「生」のエネルギーを感じたのは私だけではないだろう。
 また京都が、なかでも四条界隈が中心なのもよかった。私の会社の半径500 mが主な舞台なので、臨場感たっぷりに楽しめた。江戸中期の四条界隈の町の作りは、今とほとんど変わらなかったようだ。
 また、私が生まれ育った樟葉(楠葉)の地名も登場。江戸時代から人が住んでいたとは知りませなんだ。

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2021年12月7日火曜日

【読書メモ】浅田次郎『天子蒙塵』(講談社文庫)

 浅田氏の中国大河小説、蒼穹の昴シリーズ第5弾。文庫全4巻の大作だ。
 ついに清王朝が崩壊し、最後の皇帝(ラストエンペラー)溥儀は都を追われ、中華皇帝の歴史も断絶した。その溥儀を傀儡に満州国を建国しようとする日本。溥儀や張学良をはじめ、一人称をさまざまに変えながら、第二次大戦前の中国を描写する。
 嵐の前の静けさという言葉がぴったりくる。次作は激動の様子が描かれるのだろう。四千年の歴史を持つ中国という大国の運命はいかに。いよいよクライマックス。

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2021年9月15日水曜日

【読書メモ】東野圭吾『沈黙のパレード』(文春書店)

 久々のガリレオシリーズ。前回の事件から時を経て、湯川は教授に、草薙は係長になったという設定。犯人捜しよりは、犯行のトリックと、それを湯川が解く様子を楽しむ作品だ。 
 だんだん科学の出番が少なくなり、湯川の存在感がどんどん大きくなるガリレオシリーズ。本作もその例に漏れず、湯川の福山化が加速している(笑)。
  東野作品が素直にオチるはずがなく、最後は二転三転するが、どんでん返し指数はやや低め。そこに至るまでの過程をゆっくり楽しんでほしい。
 
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2021年9月5日日曜日

【読書メモ】長江優子『サンドイッチクラブ』(岩波書店)、濱野京子『with you』くもん出版

 子どもたちが選んだ今年の課題図書をまとめてメモしておく。『サンドイッチクラブ』は小学校高学年向け、『with you』は中学生向けの作品。両方とも主人公(一人称)とそのパートナーの関係を描いた物語だ。

 『サンドイッチクラブ』は小学生の女子二人の友情が主軸。これという目標もなく「なりたい自分が分からない」という普通の小学生の珠子が、ちょっと変わり者だが成績抜群のヒカルと友人になり、「サンドイッチクラブ」を結成する。砂像作りでタッグを組み、ライバルの葉真(男子小学生)との対決にのぞむ。
 小学生女子のふわふわした焦燥感や友情、そしてほんのりした恋心もうまく表現されている秀作だ。

 『with you』の主人公も「なりたい自分が分からない」系の中3男子の悠人。成績抜群で優等生の兄へのコンプレックス、離婚した両親への反発、見いだせない人生の意味。「中学生男子あるある」な少年だ。
 その悠人が出会ったのが朱音。夜の公園で会話を交わすうちに、朱音が「ヤングケアラー」であることを知る。ヤングケアラー自身の悩みと同時に、ヤングケアラーに対してどのように接すればよいかという周囲の悩みも描かれているところがよい。
 中学生のラブストーリーに、ヤングケアラーという社会問題を見事に閉じ込めた、まさに夏の課題図書にふさわしい青春小説だ。

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2021年8月17日火曜日

【読書メモ】東野圭吾『魔力の胎動』(角川文庫)

 『ラプラスの魔女』の前日譚。「魔女」の羽原円華が、物体・流体の動きを読めるという自らの魔力を駆使して物事を解決する短編が五つ収められている。
 円華の小悪魔ぶりと、各話に登場する流体力学とが巧みに絡みあい、テンポよく読ませるのはさすが東野小説。
 今回、円華の相棒を務めるのは、鍼灸師の工藤ナユタ。このコンビでさまざまな人を救っていき、四話目は意外なと人物が救われる。最後の五つ目は『ラプラスの魔女』につながる一話で締めくくられる。
 『ラプラスの魔女』を読んだら、こちらを読まない手はないだろう。

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2021年8月3日火曜日

【読書メモ】知念実希人『祈りのカルテ』(角川文庫)

 初めて読んだ知念作品。
 新米医師の諏訪野良太が研修医として各科を回る。精神科、外科、皮膚科、小児科、循環器内科の順に、五つの科での患者との交わりが描かれた連作集だ。
 それぞれの科の特徴が巧みに散りばめられるところは、さすが現役の医師ならでは。現場を知る者にしか描けない臨場感だ。
 主人公の良太が患者と真摯に向き合う姿がすがすがしい。元気をもらえる作品だ。

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2021年7月19日月曜日

【読書メモ】理化学研究所脳科学総合研究センター『つながる脳科学 「心のしくみ」に迫る脳研究の最前線』(講談社ブルーバックス)

 日本の、いや世界の脳研究の最前線機関である理研の脳科学総合研究センターが、一般読者に自分たちの研究を紹介した書籍。脳研究、もっと言うと心の研究がどこまで進んでいるかがよく分かる。
 近年、いままでなかなか見ることができなかった脳内の神経回路のオン・オフを見る技術が一気に発展した。その技術を駆使して、記憶、感情、精神病、親子のつながりなどが「見える」ようになった。その研究内容を記した一冊だ。近い将来「心のしくみ」はかなりの部分まで明らかになるのだろう。
 ただし本書はかなり難しい。生命科学に一定以上の知識と関心がないと、理解できないかもしれない。

2021年7月17日土曜日

【読書メモ】荻原浩『海の見える理髪店』(集英社文庫)

 表題作を含む6編の短編が収められている、直木賞受賞作。。
 テーマは家族。といっても、家族の温かい愛ではなく、ちょっとねじれた家族感情の機微を描いた小説だ。
 切っても切れない家族の絆。好きなわけじゃないけど、断ち切ることもできない。「腐れ縁」とは血縁のことを言うのかもしれない。


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2021年5月2日日曜日

【読書メモ】浅田次郎『おもかげ』(講談社文庫)

 久しぶりに読んだ浅田作品。『蒼穹の昴』シリーズ(これもお薦め)を除くと、鉄道員(ぽっぽや)以来かもしれない(競馬エッセイは読んだけど)。

 本作は、浅田氏お得意の、鉄道を絡めた人情小説だ。魂が肉体を離れてさまよい歩き、自らの人生や周囲とのかかわりを振り返るのも常套手段だ。
 しかし、分かってはいても引きずり込まれ、ホロッときてしまうのが悔しい。ほんのりと心を温めるには鉄板の一冊だ。

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2021年4月15日木曜日

【読書メモ】誉田哲也『ストロベリーナイト』(光文社文庫)

 初めて読んだ誉田作品。代表作である姫川玲子シリーズの第1弾を選んだ。
 美人の敏腕女性刑事が、同僚と熾烈な争いを繰り広げつつ事件を追う。警視庁内のセクショナリズムと手柄の奪い合いは、最近の警察小説のお約束だ。

 今回のヤマ(事件)は連続殺人事件。リンチのあげく惨殺された死体が次々発見される。何の関連も見いだせない被害者は、なぜ殺されたのか。
 膠着状態を打破したのは姫川の部下。しかし、そこには大きな落とし穴があり、最後はあっと驚く黒幕の正体が明らかに。ドキドキのラストシーンが本作の山場だ。

 主人公以外の登場人物もキャラが立っており、シリーズ化も納得だ。ただ、グロい描写が苦手な人にはお薦めできない。

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2021年3月25日木曜日

【読書メモ】米澤穂信『王とサーカス』(創元推理文庫)

 太刀洗万智シリーズ第2弾。第1弾は未読だが、問題なく楽しめた。
 フリージャーナリストの太刀洗万智(たちあらいまち)がネパールの首都カトマンズを訪問中に、主要王族が皆殺しになるという大事件が発生する。一方で、太刀洗が取材した軍人も殺害されてさらし者になった。
 軍人殺害は、いったい誰が何のために行ったのか。その謎を解かねば、記事に軍人の件は載せられない。太刀洗は真相に到達できるのか。
 ラストの謎解きとどんでん返しはお見事。「真の犯人」がそこにいたとは。

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2021年3月17日水曜日

【読書メモ】アンソニー・ホロヴィッツ『メインテーマは殺人』(創元推理文庫)

 ホロヴィッツ氏の作品は『カササギ殺人事件』に次いで2冊目。両作品とも、小説の中の作家が小説を書くという二重構造になっている。

 探偵がいて、その相棒が一人称をつとめるという古典的な手法で話が進む。「ザ・謎解き」ともいえる本格ミステリーだ。最後はすべての伏線が回収され、見事に話が閉じる。
 ホームズやポワロを読んだことがある人なら、探偵役に「分かってることがあるなら教えろよ~」と言いたくなっただろう。本書もまさに「教えろよ~」と言いたくなる作品だ。






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2021年2月26日金曜日

【読書メモ】今野敏『隠蔽捜査』(新潮文庫)

 今野氏の作品は初めて読んだ。まずは得意分野の警察物を選択。同僚との権力争いや駆け引きを繰り広げつつ、警察組織を守って運営していく警察官僚のエリートたちの奮闘ぶりを楽しんだ。
 エリート官僚の仕事は激務だ。私にはとうてい勤まりそうにない…。

 主人公の竜崎の変人、偏屈ぶりにはニヤリとさせられる。良くも悪くも原則主義者なのだ。どこの会社やクラスにも一人はいるような「そもそも論を持ち出して話を根底からひっくり返す」タイプの人間だ。実は、私もどちらかというとそっち系の人間なので、親近感を覚えてしまった。

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2021年2月17日水曜日

【読書メモ】原尞『それまでの明日』(ハヤカワ文庫JA)

 第5作から14年を経てようやく刊行された沢崎シリーズ最新第6作。大金にも権威にもなびかない沢崎のハードボイルドぶりは不変。ただ初老の段階に入り、よい意味で少し丸くなってきたような。
 本作はどんでん返し指数は低め。しっかり話が閉じて、納得の読後感だ。偶然の要素が少し大きい気もするが、フィクションとはそういうものだということにしておきたい。

《あらすじ》
 沢崎が銀行強盗の現場に居合わせる。強盗は未遂に終わり、犯人もあっさり逮捕。しかし、ただの失敗には見えず、何か裏がありそうだ。依頼人からの調査と銀行強盗の謎を追う過程で浮かび上がってきた驚愕の事実とは。

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2021年2月11日木曜日

【読書メモ】アシックス・ランニングクラブ監『痛みなく、疲れなく、気持ちよく完走できるランニングLESSON』(永岡書店)

「人生で一度はフルマラソンを完走してみたい」
「ランニングしてみたいけど、どう走ればよいのか分からない」
「ランニングを始めたけど、続かない」
「走るとすぐに痛くなる」

 こんな願いや疑問に答えてくれる本だ。ランニングというと苦しい練習を想像しがちだが、そうではないことが本書を読めばよく分かる。
 フルマラソンも、完走が目標なら、ゼーゼーハーハーいうようなトレーニングは必要ない。本書に書いてあるように、週に3回ランニングをして、そのうち1回を60分間走れるようになれば完走が見えてくる。
 その他にもフォームやウェアなど、ランニングのイロハが詰まった本。ランニング入門書として、田中宏暁氏の『ランニングする前に読む本』(講談社ブルーバックス)とともにお薦めの一冊だ。





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2021年2月7日日曜日

【読書メモ】柚月裕子『合理的にあり得ない』(講談社文庫)

 美人でキレキレの元弁護士の上水流涼子と、イケメンで東大出身IQ140の貴山伸彦のコンビが、四つの「あり得ない」を解決する短編集。ルックスと知能の二物を天から与えられた2人が、スパッと気持ちよく、コミカルに事件を解く。楽しく、かつ気持ちのよい読後感だ。
 これまで『虎狼の血』に代表される重々しい小説を書いてきた柚月氏だが、本作は軽くてコミカルな短編集だ。作風が幅広いなあ。
 また『盤上の向日葵』でテーマにした将棋が本作にも登場するのも嬉しい。

【お父さんの週末料理】2024年5月11・12日<small>~母の日のスペシャルディナー~</small>

 わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している、そのメニューを絶賛(?)公開中、  家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人、  娘はテスト前で部活は休み。息子は通常練習。  5月11日(土)   娘は午後から図書館...