2018年11月11日日曜日

【読書メモ】小国綾子『アメリカの少年野球こんなに日本と違ってた ─シャイな息子と泣き虫ママのびっくり異文化体験記─』(径書房)

 夫のアメリカ転勤に伴い、息子をアメリカの少年野球チームに入れることになったママが書いた、異文化体験記。プロだけでなく少年野球でも、ベースボールと野球で文化が全く違うのが興味深い。
 特に違うのがチームを移ることへの抵抗のなさ。アメリカでは、少年野球でも基本的に1年契約なので、年ごとにメンバーがどんどん変わる。親も子も、自分に最適な環境を求めてチームを移ることに何の抵抗もないばかりか、とても熱心だ。このとき、上を目指すばかりではないのがアメリカ流。チームのランクを下げて、自信を付けることも、頻繁に行われるそうだ。

 もう一つ教えてもらったのが、アメリカでは野球は白人のスポーツだということ。確かに本書を読む限りでは、かなり裕福かつ時間のある家庭でないと、子どもに野球をしっかりやらせることは難しそうだ。ブルジョワのスポーツなのだろう。
 MLBには黒人選手がたくさんいるが、彼らのほとんどはアメリカ育ちではなく、中南米出身の選手なのだそうだ。アメリカで生まれ育ったMLB選手は少ないらしい。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿

【読書メモ】川島誠『800』(角川文庫)

 陸上競技をテーマにした作品はたくさんあるが、Two Lap Runnerを主人公に据えたものは珍しい。Two Lap Runnerとは、トラックを2周するランナー、すなわち800 mの陸上選手のことだ。  2人のTwo Lap Runnersが主人公。1人は湘南の海辺に住む、...