かなり前から読もう読もうと思っていたイシグロ作品。モタモタしているうちにノーベル賞を取ってしまった。そうすると「ノーベル賞をとったから読むんでしょ」と思われるのもシャクで、しばらく間が空いてしまった。
というわけで、ようやく読んだイシグロ作品。なるほど、ノーベル賞にふさわしい格調の高さだ(のような気がする)。色で言うならセピア色。しんと静まりかえった静寂が常に背景にある。ある女性が過去を回想する形で話が進むのも、この雰囲気に一役買っているのだろう。
悲しい物語なのだが、なぜか心が落ち着く一冊。
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