本作は、浅田氏お得意の、鉄道を絡めた人情小説だ。魂が肉体を離れてさまよい歩き、自らの人生や周囲とのかかわりを振り返るのも常套手段だ。
しかし、分かってはいても引きずり込まれ、ホロッときてしまうのが悔しい。ほんのりと心を温めるには鉄板の一冊だ。
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