2019年9月18日水曜日

【読書メモ】原尞『愚か者死すべし』(ハヤカワ文庫JA)

 原氏の沢崎シリーズ第5弾。第4弾から9年の間を空けて、2004年に出版された。そして、第5弾はそれから14年後にようやく刊行された。原氏は自他ともに認める遅筆の作家だ。

 沢崎のハードボイルドぶりが、今回も渋く光る。本作では大金にまつわる場面が多く出てくるが、沢崎には関係なし。とにかく金を受け取らず、金に動かないのだ。小遣いがほしくてたまらない私の息子(小3)には、とてもじゃないが真似できない。
 最後はあっと驚く黒幕があぶり出される。ちょっと「偶然」が重なりすぎのような気がしないでもないが、ハードボイルドを楽しむためだとしておきたい。

 第5弾の『それまでの明日』はいつ文庫化されるだろうか。心待ちにしている。

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