2015年12月28日月曜日

【書評】島田荘司『改訂完全版 占星術殺人事件』(講談社文庫)

読んで、激しく後悔。しまった。


 ずっと読みたいと思っていたのだが、なんとなく後回しになっていた御手洗清シリーズ。まずは第一作から読んでみたところ、激しく後悔した。なぜいままで読んでいなかったのだろうか。

「本格推理小説」というジャンルがあるのをご存じだろうか。シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロを想像してもらえれば分かりやすい。いかにも「事件」なストーリーを組み立て、その謎解きを主題とする小説だ。ウィキペディアには、このように書いてある。

本格派推理小説とは、推理小説のジャンルの一つ。推理小説のうち、謎解き、トリック、頭脳派名探偵の活躍などを主眼とするものである。

 本書は、まさに本格推理小説。作中で、著者である島田氏から「ここまでの情報で謎は解ける。あなたもよく知っている登場人物が犯人だ」という挑戦状が、読者にたたきつけられる。あなたには、この謎が解けるだろうか。

 プロローグは、ある画家の手記。自分の娘たちを殺害し、その体の一部ずつを持ち寄り、それらをつなぎ合わせて完璧な肉体を作ろうというのだ。そして、娘たちは実際に殺害され、日本各地から遺体が発見されたのだ。しかし、日本を揺るがした連続殺人事件はお蔵入り。動機も手法もはっきりしない。
 その手記の40数年後、御手洗のもとに、その事件に関する新情報が寄せられた。しかし40年以上、誰も解けなたった謎を今になって解けるのか。
 というのが粗筋。

 ホームズやポアロから推理小説を読み始めた私にとっては「これぞ推理小説」だ。社会派推理小説も大好きだが、著者の出したパズルに立ち向かうワクワク感は捨てがたい。
「推理小説たるもの、こうでなくっちゃ」
と思うのは私だけではないだろう。



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