いつも通り、一人称が入れ替わりながら話が進んでいく。一人称を担当するのは2人の女性。一児の母と独身新聞記者の組合せだ。2人は親友で、共通点は孤児であること。生まれてすぐに施設に入り、誰が親か分からないという同じ「境遇」なのだ。
2人が親友なのは、同じ境遇だからなのか。それとも、境遇は違っても、親友になれたのか。違う境遇で育っても、私は私なのだろうか。
最後のどんでん返しが「境遇」の持つ意味を際立たせる。
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