ご存じ、村上氏の長編小説の一つ。そのうち読もうと思っていたら、出版から10年が経っていた。二つの時系列の話が重層的に語られ、それが一つに交わるところが終着点という、村上小説のいつもの手法だ。
私が読んだ村上小説の中では、最もミステリー色の濃いストーリーだった。ただし、ミステリーではないので、謎や伏線のほとんどは回収されない。
少ない登場人物でこれだけの大作を描ききる手腕は、相変わらずお見事。どこからどこまでが、どの世界なのか。その微妙な境界と曖昧さを愉しんだ。
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2019年9月2日月曜日
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