2018年4月18日水曜日

【書評】湊かなえ『リバース』(講談社文庫)

悪意指数は低めだが、そこはやはり湊作品


 湊作品にしては、悪意指数は低め。とんでもなく胸くその悪い人物も出てこない。しかし、そこはやはり湊小説。読後感の悪さは相変わらずだ(苦笑)。
 いったい何がそうさせるのか。それは、善人が一人も出てこないことだ。主要登場人物たちが、揃いも揃っていやな感じのヤツなのだ。安心して見ていられる(読んでいられる)登場人物がいない。特に、一人称である主人公が、もやもや・うじうじでいやな感じ。これはかなりのストレスだ。このため、どんより重い、湊テイストの作品に仕上がっている。
 2017年にドラマ化され、主人公には藤原竜也がキャストされたが、イケメン過ぎるだろ…。いやな感じの俳優を集めるのも難しいのだろうけど。



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