2011年10月6日木曜日

知ってるようで知らなかったノーベル賞 その6

4章 誰が受賞者を決めているの?(つづき)

 引き続き、誰が受賞者を選んでいるのか、さらに細部を見ていこう。選考の過程としては、まず、ノーベル委員会(Nobel Committee)が、全世界の研究者や過去のノーベル賞受賞者などに、受賞者にふさわしい人を推薦するよう依頼するのだが、このノーベル委員会とはいったい何なのだろうか? ノーベル委員会とは、各賞ごとに設置されている委員会で、この委員会が実際の選考を取りしきっている。たとえばノーベル化学賞であれば、先に述べたスウェーデン王立科学アカデミーの中に化学賞のためのノーベル委員会が設けられていて、そのメンバーも公表されている。今年(2007年)の委員長は、Gunnar von Heijneという研究者である。

http://nobelprize.org/prize_awarders/chemistry/committee.html

 実質的には彼らが受賞者を選んでいるということだ。ノーベル賞がほしい方は、このメンバーに「私はこんなすばらしい発見をしたんですよ」と売り込めば、検討してもらえる可能性もあるかもしれない…ということはなく、委員会は「自薦」を一切認めていない。
 「オレもノーベル委員会に入って、選んでみたいぞ」と思ったときはどうすればよいのだろうか。化学賞では、委員は3年ごとにスウェーデン王立科学アカデミーのメンバーから選ばれる。したがって、スウェーデン王立科学アカデミーのメンバー(研究者)になれば、その夢もかなうかもしれない。
 以上のように、このノーベル委員会が、毎年「ノーベル賞にふさわしい人を推薦してください」と、全世界の研究者にお願いするわけである。そして集まった候補者の中から、受賞者を選んでいく。
 次回からは、どうやって候補者を絞り込み、最終的な受賞者を決めているのか、その過程をお伝えしていく。

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