かなり長い間、積ん読状態になっていたのだが、発掘されたので読んでみた。
ベテラン小児科医が、子どもの体や心に関する疑問に答える本。特に初めて子育てをする新米ママ・パパが知りたくなるような疑問が並べられており、それに対して榊原さんが簡潔に答えるという形式が取られている。
「それって、育児本じゃん?」
と思ったあなた、正解です。
本書はブルーバックスに収められてはいるものの、科学読み物というよりは、育児本である。したがって、科学的好奇心を刺激されるような内容(本来、ブルーバックスはそういうシリーズだと思うが)を期待するとガッカリだろう。しかし逆に言えば、子どもに関するちょっとした疑問に「科学的な」答えを求めている両親にはお勧めである。
本書に並べられている疑問から、面白そうなものを独断でいくつか選んでみよう。
「粉ミルクで子どもを育ててもだいじょうぶって本当ですか?」
「二人目以降の子どもはアトピーになりにくいというのは本当ですか?」
「なぜうそをつくようになるのですか?」
「三歳までは母親が子育てをしないといけないって本当ですか?」
「早期教育用の教材は本当に効果があるのですか?」
「臨界期を過ぎてから習い事をはじめても効果がないって本当ですか?」
というところだろうか。
そして、これらの疑問に対して「エビデンス・ベーストな」つまり「経験則や個人の思い込みではなく、科学的な」回答が用意されているのが本書の特徴である。そういう意味では、ブルーバックスに入っていてもおかしくないのだろう。
子どもに関するちょっとした疑問に対して、客観的な答えを聞きたい人にはお薦めの一冊である。
にほんブログ村
登録:
コメントの投稿 (Atom)
【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)
2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。 スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。 スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...
-
さて、いよいよ「なんば」の謎に迫っていこう。 といっても「なんば」の意味自体は謎でもなんでもなく、要するにネギのことである。いったい、前回の長い前振りは何だったのだろうか…。 要するに、「鳥そば」といえば鳥肉入りのそば、「鳥なんばそば」といえば鳥肉とネギの入ったそばを意味す...
-
わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。 家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人。 娘は中間テストが終わって部活モードに復帰。息子は相変わらず週末は野球三昧。 10月12...
-
2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。 2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆ 福知山マラソン5週前。気温が下がり、ようやく日中に普通に走れる...
0 件のコメント:
コメントを投稿