ミステリー感覚で、ありとあらゆる金融テクニックが読める
2002年に上梓された経済小説。ミステリー感覚で、ありとあらゆる金融テクニックが読める希有な作品だ。
軸になるのは50億円の行方。謎の美女はどんな方法で、どこにこの超大金を隠したのか。この謎解きが本作の柱である。
それに付随して、さまざまな金融テクニックが紹介されるのが本書のキモ。資金隠し、合法的な節税、贈与税のかからない相続など、驚きの手法が次々と披露される。橘氏が半端ではない知識の持ち主だということが分かる。
本書によると、最も有効な資産運用法は「運用しないこと」と「税金を払わないこと」なのだそうだ。ホンマかいな。
最後はしっかり話しも閉じ、気持ちよく読了。黒幕の正体はちょっと反則な気もするが、意外といえば意外。月並みな言い方だが、とてもよくできた小説だ。
ひとつ残念なのは、安月給サラリーマンである私には、本書で得た知識を生かす機会がないことだ…。
《あらすじ》
香港で自由気ままに金融コンサルトを営む秋生を訪れたのは、超美女の麗子。公には分からない形で、5億円の大金をある人物に渡したいのだという。秋生は不本意ながらその方法を麗子に伝授する。
ところが、日本に帰った麗子はその大金を持ち逃げする。「ある人物」とは自分自身のことだったのだ。しかも、大金は5億円ではなく50億円だった。麗子はどのような方法で、どこにこの大金を隠したのか。
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