2011年10月6日木曜日

知ってるようで知らなかったノーベル賞 その3

3章 賞金は誰が出しているの?

 3章では、ノーベル賞の賞金について取り上げてみたい。いくらノーベル賞が名誉な賞だといっても、それなりに賞金は出さなければならないし、受賞者を選ぶのにも資金は必要だ。2章でも触れたように、ノーベル賞の資金は、もちろんノーベルが残した遺産である。しかし、いくら遺産が莫大だったといっても、なくなってしまわないのだろうか…。この賞では、資金が枯渇しない秘密(というほど、たいそうなことでもないのだが)を明らかにしていこう。
 ところで、ノーベル賞の賞金がいくらかご存じだろうか? この質問にすぐに答えられる方は、なかなかのノーベル賞通だといってもよいだろう。2007年度の賞金はすでに決まっており、一つの賞につき1千万SEK(スウェーデンクローナ)、日本円に換算すると約1億6千5百万円ということになる(2007年3月現在、1 SEK=16.57円)。これを高いと感じるだろうか、それとも安いと感じるだろうか。また、一つの賞に複数名の受賞者があった場合は、その人たちで賞金を分けるのだが、その配分率も賞を与える側が指定する。たとえば、2002年に受賞した小柴さんも田中さんも、分け前は4分の1であった(両方とも、受賞者は3人)。ちなみに、日本を含む主な国では、ノーベル賞の賞金は非課税となっている。
 ノーベル賞には五つの賞があるから、合計で7億5千万円が毎年賞金として支払われることになる。いったい、どこからこのお金が出ているのだろう。ノーベルの残した遺産を切り崩して使っているのだろうか。だとすると、いずれは資金も尽きて、ノーベル賞はなくなってしまうのだろうか。それとも、スウェーデン政府の援助があったり、大企業からの寄付があったりするのだろうか。

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