久々に読んだ宮部小説。うーん、やはり面白い。
頭の芯が痺れるようなドンヨリした雰囲気の中で、ワクワク・ゾクゾクするストーリーが展開される。宮部さんの著作の中で、後の『理由』や『模倣犯』につながる位置づけの本なのだろうか。
「記憶を失った男女」と、「失踪した女子高生を追う女性」という、二つの視点から話は進んでいく。ある日、起きたらすっかり記憶を失っていた男女。いったい自分たちは誰なのか、なぜこんなところにいるのか。そこへ一人の男が現れ、協力者となる。
もう一方は、女子高生と仲良くなったある女性。なかなか他人にうち解けられない美人女子高生と電話相談室を通じて心を通わせたのだが、その女子高生が失踪。警察はアテにならないと、自ら捜索に乗り出す。
そして、この二つのレールが重なるとき、すべての謎が明らかに…というストーリー。
以上のようにあらすじだけ書くと、「記憶喪失」「怪しげな協力者」「謎の失踪」「それを追う素人」と、ありがちなテーマが並んでおり
「お約束な感じやなあ」
という印象を持つかもしれない。しかし、このお約束なテーマも、宮部さんにかかれば、ドキドキ、ワクワク、スリル満点のストーリーになってしまうのだ。このドキドキ、ワクワク感を味わいたい方は、ぜひ本書を読んでいただきたい。現在の日本を代表するストーリーテラーという評価も納得であろう。
にほんブログ村
2011年10月29日土曜日
登録:
コメントの投稿 (Atom)
【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)
2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。 スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。 スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...
-
さて、いよいよ「なんば」の謎に迫っていこう。 といっても「なんば」の意味自体は謎でもなんでもなく、要するにネギのことである。いったい、前回の長い前振りは何だったのだろうか…。 要するに、「鳥そば」といえば鳥肉入りのそば、「鳥なんばそば」といえば鳥肉とネギの入ったそばを意味す...
-
わが家では土曜、日曜の晩ご飯は主に父(私のこと)が担当している。そのメニューを絶賛(?)公開中。 家族構成は父(アラフィフ)、母(年齢非公表)、娘(高2)、息子(中2)の4人。 娘は中間テストが終わって部活モードに復帰。息子は相変わらず週末は野球三昧。 10月12...
-
2017年7月、45歳を目前に、突如ランニングを始めた。現在は52歳。 2020年12月の神戸トライアルマラソンでサブ3を達成! 自己ベストは2024年3月のびわ湖マラソンの2時間54分台。 ◆総 評◆ 福知山マラソン5週前。気温が下がり、ようやく日中に普通に走れる...
0 件のコメント:
コメントを投稿