主人公の森宮優子の、主に高校3年生の1年間と並行して、その生い立ちが綴られた物語。優子は生まれの両親に始まり、義理の母、義理の父、新しい義理の父と、5人の親をもつ。この設定だと、血の繋がらない親に冷たい仕打ちを受けて…というパターンかと思いきや、その真逆を行くのが瀬尾流。
5人の親がバトンをつなぎ、アンカーへと渡される。ラストはひとひねりした構成になっていて、涙なしに読むのは不可能。「無償の愛って、どんなん?」という質問の答えは、この小説を読めば分かる。
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