2011年10月6日木曜日

クーラーってステキ  ~クーラーの発明者は誰か その3~

 私は「気化熱をうまく使えばものを冷やすことが可能になるんじゃないか?」ということを思いつき、実用化した人をクーラーの発明者と認定したいと考えている。しかし、その冷却システムは、クーラー用ではなく、冷蔵庫用にまずは開発されたというのは前回に述べた。よって、冷蔵庫発明の歴史をたどっていけば、クーラー(のシステム)の発明者が分かるだろうと考えたのだが…、これが想定外(ちょっと古い)の結果だった。
 冷蔵庫の歴史にも「家庭用の冷蔵庫第1号」とか「氷を大量に製造することに成功」など、いろいろな節目がある。次のサイトに詳しい年表が掲載されているので、その努力に敬意を表したうえで、是非ご覧いただきたい。インターネットというのは、本当に便利だ。

冷蔵庫の歴史年表

 そのうちの、1860年のファーディナント-キャリヤ(Ferdinand Carre、フランス人)による、アンモニアを利用した冷蔵庫の特許をもって、冷蔵庫の発明とすることが多いようだ(ただ、この発明は「吸収型」の冷蔵庫であり、第1回で引用した「ののちゃん」で説明されたシステムは「圧縮型」であることを補足しておく。そのあたりをさらに詳しく知りたい方は、上記の「冷蔵庫の歴史年表」からリンクをたどっていっていただきたい)
 しかし私は、彼ではなく、もっと根本となる原理を考え出した人、すなわち気化熱を利用しようと思いついた人をクーラーの発明者と認定し、「あなたはステキで賞」を授与したいのだが、上記の年表からも分かるように、気化熱を利用する冷却システムというのは、むかーしから考えられていたことのようだ。古代ローマで、奴隷たちに扇がせて水を気化させ、その気化熱で食物を冷やしていたという記録も残っているらしい。そんなに普通に考えつくことなのかなあ…。
 私としては、「気化熱を利用したらいけるぞ」ということを考え出した瞬間のドラマがあってほしかったのだが、どうもそういう話はないか、あってもまったく伝わっていないようだ。残念な結果に終わってしまったが、「あなたはステキで賞」は今回は受賞者なしとしたい。

1 件のコメント:

  1. いえ現代のようなクーラーを発明したのは
    普通に最終的に「冷房の父」と言われる
    Willis Haviland Carrier氏だと思いますよ。

    参考URL:http://inventors.about.com/library/weekly/aa081797.htm

    返信削除

【読書メモ】アンデシュ・ハンセン『スマホ脳』(新潮新書)

 2020年のベストセラーをようやく読んだ。もっと早く読んでおくべきだった…。   スマホがどれだけ脳をハックしているかを、エビデンスと人類進化の観点から裏付けて分かりやすく解説。これは説得力がある。   スマホを持っている人は、必ず読んでおくべきだ。とくに、子どもを持っている人...