2016年1月25日月曜日

【映画評】味園ユニバース(2015)

ありがちなストーリーだからこそ、中身が問われる


 記憶を失った男が仲間の助けを借りつつ、失った人生を取り戻し、新しい人生を切り拓いていく。ぶっちゃけ、ありがちなストーリーだ。しかしありがちだからこそ、中身が問われる。
 そして肝心の中身は…合格! 歌を媒介にした人情の機微がよく描かれている。元気の出る映画だ。

 タイトルの由来は、大阪の千日前に実在する味園ビルにあるユニバースという貸しホール。そのことは映画では説明されず、前提となっている。そのあたりについては、少し予備知識があるほうが、より楽しめるだろう。
 少し残念だったのは、主人公と仲間たちが絆を深めていく部分の描写が、ちょっと弱かったような。もう一つ、二つエピソードがあれば、ラストシーンがより際だったように思う。

 大阪のディープな下町を表現するのにうってつけのキャスト陣にも注目だ。
 ヒロイン役の二階堂ふみが少し大根役者っぽかったのは、大阪弁のネイティヴではないから、仕方ないということにしておきたい。許す。
 主人公約の渋谷すばるの熱演も光った。猫背がグー。



味園ユニバース【通常版】 [ 渋谷すばる ]
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