伊藤若冲は江戸時代の絵師。2016年に生誕300年を迎え、日本各地で展覧会などが催された。それまで若冲の名前も知らず、今でも作品をちゃんと見たこともないが、小説はしっかり楽しめた。
本書は若冲の後半生を描いた作品。妻を失い、40歳にして隠居し、画業に専念することになった時期から話が始まる。どこか奇抜でありながら生命の躍動を感じる若冲の作品。苦悩に満ちた若冲の生き様を描くことにより、その原点を掘り起こした秀作だ。「生」のエネルギーを感じたのは私だけではないだろう。
また京都が、なかでも四条界隈が中心なのもよかった。私の会社の半径500 mが主な舞台なので、臨場感たっぷりに楽しめた。江戸中期の四条界隈の町の作りは、今とほとんど変わらなかったようだ。
また、私が生まれ育った樟葉(楠葉)の地名も登場。江戸時代から人が住んでいたとは知りませなんだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿