天災に対して備えている人たちに対して(天災に対する備え自体は悪くないと断ったうえで)
天災がきたらどうしようと思うなら、もっと確かにやってくる死について備えがなくてはおかしい。ところが、死に対して対策、備えをしている人は例外的である。それをおかしいとも思わないで生きているのは不思議である。
てな具合である。
このように示唆に富むエッセイがたくさん収録されている。一冊の本として起承転結があるわけではないが、エッセイ集なのだから、それは仕方ないだろう。
本書に通底している考え方は
「劣等感、貧乏、不合格、苦労などの負の体験や感情を、発散するのではなく溜め込め。そして、その溜め込んだ負のパワーを『正に転化して』解き放て」
ということだ。負のエネルギーを、おしゃべりなどによってパッパと解消してはいけない。また、正の体験ばかりで、負の体験をしていない人は大成できない。このようなことが、いろいろな側面から書かれている。
「せっかくの人生、どこかで爆発させたい、はじけたい」
と思っている人は、ぜひ読んでみてはどうだろうか。爆発させるための、いろいろなヒントが隠されている。
私も、遅まきながら爆発を目指し、負のパワーを溜め込んでいくとしよう。などと思っていたら、さっそく今日も馬券が外れた。さい先よし、ということにしておきたい。
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